米国株、大手ハイテク不安続くか S&P500上昇 マイクロソフト転落
S&P500は最高値に届かず。製造業の景況感の大幅改善が好感される半面、大手ハイテク株の不振が重荷となった。アルファベット決算が次の焦点となる。
アメリカの株式市場に伸び悩みの恐れが続いている。S&P500種株価指数の2日の終値は前週末比0.54%高で4営業日ぶりの反発。米国の製造業の景況感が大きく改善したことが好感された。ただ、S&P500は1月27日につけた最高値の更新には至っておらず、値上がりの力不足も感じさせた。2日の取引では人工知能(AI)関連の設備投資負担の重さが嫌気されているマイクロソフトが3日続落となるなど、大手ハイテク株の値動きが重かったことが要因といえそうだ。4日に行われるアルファベットの2025年10-12月期決算発表が投資家不安につながれば、S&P500への下落圧力が強まる可能性もある。また米国議会ではつなぎ予算の成立が遅れ、1月31日から政府機関の一部閉鎖が開始。6日に予定されていた1月雇用統計の発表が先送りされることが決まった。このため4日に発表される民間経済指標でS&P500の値動きが左右される度合いが大きくなることも考えられそうだ。
アメリカのS&P500は4営業日ぶり反発 製造業の景況感の大幅改善を好感
S&P500(SPX)の2日の終値は6976.44。前週末までの3日続落での合計0.57%安をほぼ取り戻した形だ。ブルームバーグによると、S&P500の1月の騰落率は1.37%高で、年の初めの1月を4年連続の上昇で終えた後、2月も好スタートを切った。
S&P500を上昇させたのは製造業の景況感の大幅な改善だ。米サプライマネジメント協会(ISM)が2日に発表した1月の製造業景況感指数(PMI)は52.6で、前月(2025年12月)の47.9を大きく上回る結果。2022年8月(53.0)以来の高水準となった。ブルームバーグがまとめた市場予想の48.5も大きく超えており、投資家心理が改善したようだ。
S&P500は最高値にはわずかに届かず マイクロソフトなどの下落が重荷
ただ、S&P500の2日の取引は昼頃に6991.92まで上昇した後はじわじわと値を下げ、終値では1月27日の最高値(6978.60)をわずかながら割り込む値動き。上昇への力強さは感じられなかった。製造業の景況感の改善については、ISMが高関税による価格上昇を予想する企業が購入を前倒しした可能性があると指摘しており、今後の見通しの悪さがS&P500の上昇の足を引っ張ったともいえそうだ。
また、2日の取引では、S&P500への影響度が大きい「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価の値動きも重かった。28日の10-12月期決算発表でAI関連設備投資の重さが不安視されたマイクロソフトの株価(MSFT)の2日の終値は前週末比1.61%安。3営業日続落の間に12.10%安となっている。また28日の決算発表が好感されたメタ・プラットフォームズ(META)も2日に2日続落の1.41%安となり、決算発表翌日の10.40%高の勢いを維持できていない。このほか、2日の取引ではNVIDIA(エヌビディア、NVDA)も2.89%安、テスラ(TSLA)も2.00%安となっている。
大手ハイテク株がS&P500の重荷に 4日のアルファベットの決算発表が焦点に
こうした中、S&P500は大手ハイテク株への不安が重荷となっている状況だ。ブルームバーグによると、S&Pグローバルが公表している時価総額を考慮しないで算出したS&P500の2日の終値は2025年末比で3.81%高。S&P500本体の1.91%高を大きく上回っている。S&P500本体の上昇が時価総額の大きな大手ハイテク株の不振で伸び悩んでいることを示す結果だ。また、2日の終値を前回の決算発表シーズンにあたる2025年10月末と比較した場合でも、時価総額を考慮しないS&P500が5.86%高、S&P500本体が1.99%高で、やはり大手ハイテク株の値動きが逆風になっている様子がみてとれる。
このためS&P500の今後の見通しにとっては大手ハイテク企業の決算発表の重要度が一層高くなる。中でもAI関連事業の総合力が評価されているアルファベット(GOOGL)が4日の取引時間終了後に行う10-12月期決算発表への評価は投資家の強気度合いの試金石になりそうだ。アルファベットの発表内容や1月以降の業績の見通しが、増加が見込まれるAI関連設備投資を支えるだけの強さがないとみなされれば、株価が下落し、S&P500を取り巻くムードを悪くする可能性もある。
政府機関一部閉鎖で1月雇用統計発表先送り ADP統計がS&P500の見通しを左右か
また米国経済をめぐっては政府機関一部閉鎖の再発という混乱も起きた。米上院はドナルド・トランプ大統領の移民政策を問題視する民主党との協議を経た30日、すでに下院が可決していた予算関連法案から、国土安全保障省の予算を分離した法案を可決。下院に送付したが、日本時間3日朝段階で下院での法案可決には至っていない。この結果、1月31日以降、米労働省を含む一部の政府機関が閉鎖に至っており、6日に予定されていた1月雇用統計の発表は先送りされることが決まっている。
投資家の注目度が高い雇用統計の発表が遅れることで、金融市場では民間雇用サービス会社ADPが4日午前8時15分(日本時間4日午後10時15分)に発表する全米雇用リポートへの注目度が高まりそうだ。ブルームバーグがまとめた事前予想では、非農業部門の就業者数(政府部門除く)は前月比4.5万人増になる見通し。実際の結果が予想を上回れば、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待が後退し、S&P500に下落圧力がかかる可能性も考えられそうだ。
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