マイクロソフト、株価急落 成長鈍化 オープンAIとの関係に不安も
マイクロソフトの2025年10-12月期決算発表は期待外れの内容。時間外取引で株価は急落し、株価の見通しは晴れない。
マイクロソフトが28日の取引時間終了後に行った2025年10-12月期決算は投資家の不安を抑えられなかった。マイクロソフトの10-12月期決算は総収入の伸びが減速すると同時に人工知能(AI)の強化を目指した設備投資負担の大きさも印象付けられる内容。28日の時間外取引で、マイクロソフトの株価は一時7%超安まで値下がりしている。こうした中、マイクロソフトは1-3月期の設備投資額は10-12月期よりも少なくなるとの見通しも示しているが、すでに受注残が積み重なっており、今後も投資を続ける必要があることは明らか。さらに資金面での不安があるオープンAIとの関係の深さも不安材料として意識されており、株価への下落圧力は今後も続いていきそうだ。
マイクロソフトの2025年10-12月期決算は総収入の成長が減速
マイクロソフトの10-12月期決算は、総収入が前年同期比16.7%増の812.73億ドルで、前四半期(7-9月期)の18.4%増から成長が鈍化した。また1株当たり利益は59.8%増の5.16ドル。オープンAI向けの投資に関連して生じた評価益などを除いたベースでは4.14ドルだった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が803億ドル、1株当たり利益が3.92ドル。発表された結果はいずれも予想を上回っている。
需要が急増するAIサービスの提供基盤となるクラウド事業の10-12月期の収入は前年同期比28.8%増の329.07億ドルで、前四半期(28.3%増)から成長がわずかに加速した。エイミー・フッドCFOは28日の決算会見で、クラウド事業について「需要は引き続きサービスの供給能力を超えている」としている。
10-12月期の設備投資は過去最高 株価は時間外取引で一時7%超下落
こうした中、マイクロソフトはクラウド事業の供給能力を狙い設備投資を積み増している。10-12月期の設備投資額は前年同期比65.9%増の375億ドルで、過去最高。伸び率は前四半期の74.5%増から減速しているものの、設備投資負担が右肩上がりで増えている状況に変化はでなかった。
10-12月期決算発表を受け、28日の時間外取引でマイクロソフトの株価(MSFT)は急落。ブルームバーグによると、一時、445.17ドルをつけ、直前の終値(481.63ドル)から7.57%安となった。クラウド事業の強い需要に応じきれないまま、総収入の成長が鈍化し、設備投資負担は長期的な収益圧迫要因として働くことが想定される絵姿が嫌気された形だ。
2026年1-3月期も成長鈍化の可能性 設備投資額は前四半期比で減少する見通し
一方、マイクロソフトが示した2026年1-3月期の見通しも投資家を満足させられなかったようだ。マイクロソフトは1-3月期の総収入は806.50億-817.50億ドルになるとの見通しを提示。中間値の812億ドルは前年同期比15.9%増の水準で、10-12月期の実績からさらに成長が減速する可能性がある。
またフッド氏は1-3月期の設備投資額は「前四半期よりも少なくなる」との見通しを示した。右肩上がりの設備投資額の増加が小休止する形だ。ただ、クラウドサービス全般にわたる受注残は6250億ドルに上り、9月末段階の3920億ドルから大幅に増えている。フッド氏は10月29日の前回決算会見でAIサービスの供給能力について「需要増に追いついけていると思っていたが、実際は違った」としており、供給能力を拡大するための設備投資が急務であることは間違いない。
受注残の45%は資金調達不安のオープンAIとの契約 株価には再び下落圧力か
さらに投資家にとっては、この受注残の45%がオープンAIとの契約であることも不安材料としてちらつく。オープンAIは2022年11月に公開した対話型AIサービスChatGPTで知られるAIブームの火付け役。マイクロソフトはオープンAIの27%を保有する大株主として関係を維持している。しかしオープンAIは巨額のインフラ投資を賄うための資金調達に不安があるうえ、このところはアルファベットのAIモデル「ジェミニ」に性能面で後れを取っているともみられている。
マイクロソフトの株価は28日終値までの5営業日続伸で合計8.45%高となっていたが、10月28日につけた最高値(542.07ドル)との比較では11.15%安に留まっていた。今回の10-12月期決算発表を境にして、株価が再び下落圧力にさらされる展開も考えられそうだ。
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