【米国株】ナスダック100見通し(11/19):エヌビディア決算次第、雇用統計も焦点に
ナスダック100の短期見通し。株価指数CFD「米国テク株100」のトレンドはエヌビディア決算と9月米雇用統計次第。注目のチャート水準をIG証券のアナリストが解説。
要点
- NYダウとS&P500は4日続落。ナスダック100は11月に入り5%安と下落拡大。AI過熱相場への警戒が続いている
- エヌビディア決算と9月雇用統計の内容次第で、ハイテク株比率の高いナスダック100は上下に大きく振れる展開が予想される
- 株価指数CFD「米国テク株100」の下値焦点は24000の維持となろう。このラインを下方ブレイクすれば23500への下落を警戒したい。反発局面では50日線(25000レベル)と25日線(25400レベル)の攻防に注目
米指数続落、AI過熱相場の懸念で
NYダウとS&P500 が4日続落。米株式市場では弱気ムードが次第に強まっている。
11月に入り主力のAI関連株が属するS&P情報技術セクターが下降トレンドに転じている(チャート赤ラインを参照)。18日時点で6.7%安と、一般消費財セクター(7.4%)とともに株安をけん引している状況は、AI銘柄主導の過熱相場に対する市場の警戒心を示している。
S&Pセクター別パフォーマンス:11月3日~18日
ブルームバーグの価格データで作成
市場の関心はエヌビディア決算に集中
AI相場のトレンドは、19日取引終了後に発表されるエヌビディア(NVDA)次第となろう。
同社の株価トレンドを日足チャートで確認すると、25日線がレジスタンスラインに転換し、昨日の市場で90日線を下方ブレイクした。エヌビディア株の下落もまた、AI過熱相場に対する市場の警戒を示唆する動きである。
16日のIG日本株レポート、17日のIG米国レポートで述べたとおり、エヌビディア決算では業績の見通しが焦点となろう。
関連レポート
・日経平均 週間見通し(11/17週):歪な相場への警戒感、5万円維持なるか、エヌビディア決算に注目
・米国株 週間見通し(11/17~21週):AI相場はエヌビディア決算次第、S&P500週後半の変動拡大を警戒
業績見通しで投資家の期待を上回る成長性を示すことができれば、株価は25日線の上方ブレイクと200ドル台の攻防を想定したい。
サポートラインとして意識されていた90日線の下方ブレイクに加えて、MACDとRSIのトレンドも弱気地合いを示唆している。この状況で失望を誘う決算内容なら170ドル割れを警戒したい。週後半は、エヌビディア株の動きが他のAI関連銘柄のトレンドを左右することが予想される。
エヌビディアの株価チャート:今年9月以降
TradingView提供のチャート
9月雇用統計、労働市場の不安は株安要因
エヌビディア(NVDA)決算の後は、20日に発表予定の9月雇用統計に注目が集まろう。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値は非農業部門雇用者数が5.4万人、失業率は4.3%。1ヶ月半遅れの発表だが、民間調査と同じく非農業部門雇用者数と失業率が雇用市場の悪化を示唆する内容となれば、利下げ期待よりも景気不安の方が意識される展開を警戒したい。
エヌビディア決算と雇用統計次第で、週後半の米国株は上下に大きく振れる展開を想定したい。特にハイテク株比率の高いナスダック100の変動拡大が予想される。株価指数CFD「米国テク株100」は、後述するチャート水準の攻防に注目したい。
米雇用統計 各項目の推移:過去1年間
米国テク株100の短期展望とチャート分析
下限:23500
11月に入りNYダウとS&P500は3%安となる一方、AI銘柄の影響をより大きく受けるナスダック100は5%超下落している(18日時点)。エヌビディア(NVDA)決算がAI銘柄の割高懸念を強める場合、ナスダック100は他の指数以上に下落幅が拡大することが予想される。米国テク株100は以下にまとめた下値水準の攻防に注目したい。
最初の焦点は24000の維持となろう。サポートラインとして意識されている24250の下方ブレイクは、24000をトライするサインとなろう。
米国テク株100が24000を下方ブレイクする場合は、日足チャートの9月安値と10月高値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準23750レベルの攻防に注目したい。この水準はレジスタンスとしてもサポートとしても意識された経緯がある。
エヌビディア決算と9月雇用統計が米株安の要因となれば、18日終値から約1000ポイント下の23500までの急落を警戒したい。この水準を今週21日までの下限と予想する。
下値水準:日足チャート
・24250:サポートライン
・24000:サポートライン
・23750:76.4%戻し
・23500:下限
上限:25400
エヌビディア(NVDA)の決算がAI関連銘柄の買い戻し要因となれば、米国テク株100は4時間足チャートにまとめた200ポイント幅での攻防に注目したい(各赤ラインを参照)。9月雇用統計で労働市場の不安が後退する場合は、上昇拡大が予想される。
50日線は25000レベル、25日線は25400レベルで推移している。4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの水準と照らし合わせて考えるならば、これら2つのラインでの攻防により注目したい。
24800の上方ブレイクは25000(50日線)のトライ、10月30日の高値を基点とした半値戻しの水準25277の上方ブレイクは、25400(25日線)をトライするシグナルと捉えたい。25400を今週21日までの上限と予想する。
上値水準 ※フィボナッチ・リトレースメント:4時間足チャートを参照
・25400:上限、25日線、下に76.4%戻し
・25277:半値戻し
・25200:下に61.8%戻し
・25000:50日線、半値戻し、上に38.2%戻し
・24800:上下に23.6%戻しと38.2%戻し
米国テク株100の日足チャート:今年9月以降
TradingView提供のチャート
米国テク株100の4時間足チャート:10月17日以降
TradingView提供のチャート
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