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米国株、週明け急落リスク拡大も S&P500週次反発 イラン戦争激化

S&P500は2日までに6週ぶりの反発。3日発表の雇用統計も堅調だった。ただ、イラン戦争は週明け6日に向けて交戦激化の様相を呈している。

米国株、週明け急落リスク拡大か S&P500週次反発 イラン戦争激化 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が粘り強さをみせた。S&P500種株価指数は2日の終値で6週ぶりに反発し、石油の重要通商ルートであるホルムズ海峡封鎖の解消をめぐる楽観が感じられた。また、S&P500はイラン攻撃開始後の1か月にわたる値下がりで割安感が出ており、大手ハイテク株も週次での下落に歯止めをかけた。さらに3日に発表された3月雇用統計が労働市場の底堅さを示したこともS&P500にとっての好材料といそうだ。ただ、イランでの戦争をめぐっては、ドナルド・トランプ大統領が週明け6日にも攻撃を激化させる可能性があり、原油価格は2日の取引で急騰している。同時にイランも米国や周辺国への攻撃を続けており、S&P500の先物商品は3日、値下がりした。イラン戦争の週末の展開次第では、週明け6日にS&P500が急落するリスクが大きくなる可能性もありそうだ。

アメリカのS&P500は週次2.26%高 6週ぶりの反発

S&P500(SPX)の2日の終値は6582.69で、前週末にあたる3月27日との比較で3.36%高。週次としては2月16-20日週(1.07%高)以来、6週ぶりの値上がりとなった。イラン情勢をめぐっては、トランプ氏が1日夜のホワイトハウスでの演説で今後2-3週間はイランに対して激しい攻撃を加えるとしていたが、S&P500は2日の取引で前日比0.11%高となって底堅さをみせた。ブルームバーグによると、2日の終値は1月27日の最高値(6978.60)との比較では5.67%安の水準。米国の株式市場は3日はグッド・フライデーで休場だった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

ホルムズ海峡封鎖解消に期待感 S&P500の割安感への評価も

2日のS&P500の底堅さはホルムズ海峡封鎖解消への期待が高まったためだ。イランのタスニム通信によると、イランのカゼム・ガリババディ外務次官はロシアメディアでのインタビューで、戦争終結後、イランとオマーンが協調してホルムズ海峡の航行の安全を確保する方策を検討していると言及。船舶が事前にイランとオマーンの当局からホルムズ海峡を安全に通過するための許可を得る枠組みが想定されているという。

またS&P500の6週ぶりの反発には割安感への評価もありそうだ。ブルームバーグによると、S&P500の水準と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は週初めの3月30日段階で19.5倍まで低下。トランプ氏が連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の解任を示唆していた2025年4月21日(19.4倍)以来の低さとなっていた。30日の予想PERは株式市場での人工知能(AI)ブームが本格化した2023年以降の平均値(21.2倍)を大きく下回っている。

S&P500と予想株価収益率の推移のグラフ

大手ハイテク株の下落に歯止め 3月雇用統計もS&P500の安心材料に

S&P500への影響度が大きい「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手7社の株価も2日までの週次の取引で大きく上昇した。メタ・プラットフォームズ(META)は週次9.27%高となり、6週ぶりの反発。アルファベット(GOOGL)も週次7.81%高となって3週ぶりに上昇した。テスラ(TSLA)は2日に発表した2026年1-3月期の販売台数が市場予想を下回り、7週続落の週次0.34%安となったものの、他の6社は週次で値上がりしている。大手ハイテク各社の株価もS&P500同様、前週までの下落で割安感が強まっていた

アルファベット、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフト、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

さらに米国株式市場が休場だった3日には米国経済の堅調さも確認された。労働省が発表した3月雇用統計で非農業部門の就業者数が前月比17.8万人増となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の6.5万人増を大きく上回ったためだ。1月分と2月分の就業者数は合計0.7万人分下方修正されたものの、直近3カ月は平均で毎月6.8万人の雇用拡大ペースを維持していることになる。また3月の失業率は4.3%で、市場予想の4.4%よりも良い結果。平均時給の伸び率は前月比3.5%増で、市場予想(3.7%増)を下回っている。労働市場の悪化も賃金上昇が物価上昇圧力を強める構図も感じさせない、S&P500にとっての安心材料といえる結果だった。

アメリカの雇用統計の推移のグラフ

トランプ氏の攻撃猶予期限は4月6日夜 原油価格は3年9か月ぶりの高さに

ただ、イラン情勢は週明け6日に交戦が激化する可能性がある。トランプ氏が3月26日の自身のSNSトゥルースソーシャルヘの投稿で、イランの発電所などへの攻撃を猶予するための交渉の期限を「米国東部時間4月6日午後8時」に設定していたからだ。戦争が激しくなればホルムズ海峡封鎖の解除が遠のくことは避けられないことから、原油価格は2日の取引で急騰。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し、WTI原油)の2日のニューヨーク市場の終値は前日比11.41%高の1バレル=111.54ドルで、終値としては2022年6月28日(111.76ドル)以来、3年9か月ぶりの高さだ。

WTIの推移のグラフ

イランは米軍の戦闘機や周辺国を攻撃 週末のうちに急落リスク拡大も

これに対してイランは抗戦姿勢を崩していない。米メディアによると、3日には米国の戦闘機F-15EとA-10がイランによって撃墜された。また、ブルームバーグによると、イランは2日深夜から3日にかけてペルシャ湾岸諸国への攻撃を強め、アラブ首長国連邦(UAE)の天然ガス処理施設のほか、クウェートの精油所や淡水化施設などで被害が出ているという。こうした中、S&P500の先物商品は3日の取引で下落。ブルームバーグによると、EミニS&P500先物(6月限)の3日のシカゴ・マーカンタイル取引所での終値は前日比0.28%安となった。

トランプ氏はこれまで金融市場の動向に配慮しながら、イランへの強硬姿勢と和平協議の進展の両方を強調する情報発信を続けてきたが、1日夜のホワイトハウスでの演説はイラン攻撃を決断した姿勢の表れにもみえる。トランプ氏は米国東部時間3日午前8時台にはSNSに「あと少し時間が経てば、我々はホルムズ海峡を簡単に開放することができる」と言及した。トランプ氏が6日夜の交渉期限を前にイランへの攻撃を激化させる展開も考えられ、週末の間にS&P500の急落リスクが強まる可能性もありそうだ。


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