米国株、イラン戦争リスクに強気 S&P500上昇 経済への自信続くか
S&P500は4日続伸。トランプ氏は6日の記者会見で7日にイラン攻撃を激化させる方針を示したが、投資家の反応は強気だった。
アメリカの株式市場が強気に振れた。S&P500種株価指数の6日の終値は3連休前比0.44%高で、4営業日続伸。ドナルド・トランプ大統領が取引時間中に行った記者会見でイランへの攻撃を7日に激化させる考えを示し、イランとの和平合意が絶望的にみえる中でも、上昇基調を維持した。大手ハイテク株を含め、幅広い銘柄が値上がりしている。投資家の間では、ホルムズ海峡の封鎖が続く中でも、米国企業の業績は崩れないとの自信もあるようだ。ただ、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数や原油価格のの高止まりは6日も続いており、投資家の不安が完全に落ち着いたわけではない。今後数週間はイラン戦争が激化する中で注目企業の決算発表が進む展開も想定され、S&P500の今後の見通しをめぐっては、強気が崩れるリスクも残っていそうだ。
アメリカのS&P500は4営業日続伸 イラン戦争後の下落の半分を回復
S&P500(SPX)の6日の終値は6611.83。3月31日からの4営業日続伸で合計4.23%高となった。S&P500はイスラエルと米国がイランへの攻撃を始めた2月末以降、3月30日までの間に535.16ポイント下落していたが、直近4営業日の268.11ポイントの上昇で、下落分の半分を取り戻したことになる。6日の終値は1月27日の最高値(6978.60)との比較では5.26%安にあたる水準だ。
トランプ氏が7日午後8時以降のイラン攻撃激化を言明 S&P500は下落後に反発
S&P500の6日の上昇はイラン戦争激化の恐れを跳ね返した形となった。トランプ氏は米国東部時間6日午後1時すぎからの記者会見で、イランに対して「明日(7日)午後8時」までの猶予期間を与えて、ホルムズ海峡封鎖解除などを求める姿勢を改めて強調。この期限を過ぎれば「イランには橋も発電所もなくなる。石器時代だ」と述べた。パキスタンなどの仲介国は米国とイランの45日間の停戦を模索しているともされているが、ブルームバーグによると、イラン国営メディアはイランが停戦の提案を拒否したと報じた。イラン側は恒久的な和平と経済制裁の解除、ホルムズ海峡の取り扱いに関する合意などを求めているという。
ブルームバーグによると、S&P500はトランプ氏の記者会見中の午後1時14分には3連休前比で0.05%安にあたる6579.72まで下落する場面もあったが、その後すぐにプラス圏に復帰している。イラン戦争の激化が避けられない状況となる中でも、上昇基調は崩れなかったといえそうだ。
S&P500がイラン戦争激化のリスクに強気な反応を示した背景には米国経済の堅調さがありそうだ。米国経済をめぐっては、株式市場が休場だった3日に発表された3月雇用統計で非農業部門の就業者数が前月比17.8万人増となり、力強さをみせていた。ブルームバーグによると、S&P500構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)は6日段階で325ドルで、2月末比で2.87%増となっている。ホルムズ海峡封鎖の長期化への懸念が深まる中でも、株式市場では企業業績への自信は崩れていない。
VIX指数は25営業日連続で20超え 原油価格の高止まりも継続
ただ、VIX指数(VIX)の高止まりからは、投資家の不安心理の根強さも感じられる。シカゴ・オプション取引所によると、VIX指数の6日の終値は24.17で、3連休前よりも1.26%高い水準。2月末のイラン戦争開始後、25営業日連続で20の大台を超えている。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒感が強いことを示す。
また、米国は産油国とはいえ、原油価格の上昇はガソリン価格の上昇などを通じて、米国の個人消費に悪影響を与える恐れがある。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し、WTI原油)は6日に1バレル=115.48ドルまで値上がりし、3月9日(119.48ドル)以来の高値を記録。日本時間7日午前の取引でも113ドル台で高止まりしている。
戦争激化はいつまで? 4月中旬からの決算発表で業績への悪影響表面化も
トランプ氏は6日の記者会見では、7日深夜12時までにはイランを壊滅させると述べているが、1日の演説で示していた「2-3週間」にわたって攻撃が続く可能性もある。この場合、戦争終結の見通しが立たないまま、4月中旬から始まる注目企業の決算発表で、世界的な原油や石油製品の供給途絶が業績に及ぼす悪影響が明らかになることも考えられ、S&P500の今後の見通しをめぐっては、投資家の強気が一気に崩れるシナリオも想定されそうだ。
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