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ドル円、円安圧力増大 159円台後半 為替介入は日米で思惑の乱れも

ドル円相場で有事のドル買いが継続。FRBの利上げ見通しも円安要因だ。日本政府は為替介入に備えているが、米国と思惑が一致しない可能性もある。

ドル円、円安圧力増大 159円台後半 日本政府は為替介入へ臨戦態勢 出所:ブルームバーグ
FX

ドル円相場で円安圧力が増大している。ドル円相場は日本時間27日昼の取引で1ドル=159円台半ばで推移。一時は159円台後半をつける場面もあった。イランでの戦争開始後の金融市場は「有事のドル買い」の継続に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価上昇抑制のために利上げに転じるとの観測も広がる状況。ドル円相場の背景となる日米の金利差は拡大しており、円安圧力が積み重なっている形だ。こうした中、投機筋の取引からも円売りシフトが感じられ、円安を加速させる要因になりえる。一方、日本銀行の金融政策をめぐっても、金融市場で利上げ見通しが強まり始めた。日銀が26日に新たに公表を始めた物価指標で、物価上昇の根強さが示されたことも理由のひとつだ。日銀の利上げ姿勢を背景に、片山さつき財務相は27日、円安阻止に向けて為替介入も辞さない姿勢を改めて強調した。ただ、米国は有事のドル買いを歓迎し、ドナルド・トランプ大統領も米国経済の信認維持を図っているもよう。このため日本政府が為替介入に踏み切ったとしても円高効果が迫力不足になる筋書きも考えられそうだ。

ドル円相場は一時159.85円 イラン戦争で有事のドル買い

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間27日午前12時59分段階で1ドル=159.62円で取引されている。ブルームバーグによると、午前5時7分には159.85円をつけ、18日につけた1年8か月ぶりの円安水準(159.90円)に迫る場面もあった。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

円安進行の要因は有事のドル買いだ。ブルームバーグによると、円の対ドル相場の26日のニューヨーク市場での終値をイスラエルと米国によるイラン攻撃の前日にあたる2月27日終値と比較すると、2.35%の円安。同じ期間では、豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)が3.26%の豪ドル安、ユーロの対ドル相場(EUR/USD)が2.41%のユーロ安、ポンドの対ドル相場(GBP/USD)が1.13%のポンド安となっている。

円、豪ドル、ユーロ、ポンドの対ドル相場の推移のグラフ

FRBは年内1回の利上げの確率が57% 原油価格上昇が影響

また、イランでの戦争が引き起こした原油価格の上昇は物価上昇圧力として働くことが避けられず、金融市場がFRBの利上げを織り込み始めたこともFX市場でのドル買いの材料となっている。ブルームバーグによると、26日の金融市場で見込まれている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.789%で、現状の政策金利(3.50-3.75%、中間値3.625%)を上回っている。年内の利上げ確率は57%とみこまれている状況だ。

FRBの政策金利の水準の見通しの推移のグラフ

日米の金利差は12月以来の大きさまで拡大 投機筋の円売りシフトが継続

FRBの利上げ見通しが浸透し始めたことは米国の長期金利(10年物国債利回り)上昇としても現れ、ドル円相場の背景となる日米の金利差を拡大させている。ブルームバーグによると、米国の長期金利の26日の終値は4.415%で、2025年7月18日(4.418%)以来、8か月ぶりの高水準。日米金利差は2.142%ポイントで12月18日(2.158%ポイント)以来の大きさとなっており、ドル円相場での円安を裏付けている。

日米の長期金利差とドル円相場の推移のグラフ

こうした中、ドル円相場のカギを握る投機筋も円売りを進めているもよう。米商品先物取引委員会(CFTC)の週次のデータによると、非商業部門は17日段階で円を6万7780枚売り越し。売り越し幅は2024年7月30日(7万3460枚)以来の大きさとなった。投機筋は2月には円の買い越しに転じる局面もあったが、イランでの戦火を受けて改めて円売りにシフトしているとみられ、円安を加速させる要因になりうる。

投機筋の円買い越し幅とドル円相場の推移のグラフ

日銀は年内2回の利上げが確実な情勢 新たな物価指標公表で利上げへ地ならしか

一方、原油高を背景とした物価上昇の恐れは、日本銀行の利上げ見通しを強める要因でもある。ブルームバーグによると、日銀の12月の金融政策決定会合後の政策金利の水準は、日本時間27日午前12時59分段階の金融市場で1.294%と見込まれており、現状の政策金利(0.75%)よりも0.544%ポイント高い水準。年内2回の利上げが確実視されており、FRBを超えるペースでの利上げが想定されている。

日銀の政策金利の見通しの推移のグラフ

また日銀は26日、これまで内部での物価情勢検討に用いてきた物価指標の外部公開を始めた。総務省が発表している消費者物価指数(CPI)の前年同月比変化率から、さまざまな政策による特殊要因による効果を取り除いた数値で、今後、総務省によるCPI発表の2営業日後の午後2時をめどに公表するとしている。26日に公表された2月分のデータは物価上昇の根強さを示す結果といえ、日銀が利上げに向けた地ならしをしているとの見方も成り立ちそうだ。日銀は特殊要因として、消費税率の変更、教育無償化政策、2021年の携帯電話通信料の引き下げ、旅行支援策、ガソリンや電気・ガス代等の負担緩和策を挙げている。

日本の消費者物価指数と日銀の物価指標の変化率の推移のグラフ

日銀の2月の物価指標によると、生鮮食品と特殊要因を除いた指標の伸び率は前年同月比2.2%。さらにエネルギー価格の効果も取り除いた指標の伸び率は2.7%となった。総合指数の伸び率の1.3%を大きく超え、いずれも日銀が目標とする2%を上回っている。植田和男総裁は19日の決定会合後の記者会見で、足元の物価情勢を踏まえ、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との立場を維持していた

日本政府は為替介入へ臨戦態勢 1月のレートチェックでは155円台まで円高が進行

日銀がFRBを超えるペースでの利上げ姿勢をとっていることは、足元での円安を「投機的な値動き」とみなす根拠になりえる。また日本政府内では、原油高の結果として日本が原油を輸入する際のドル建てでの支払いが増えることが円安を招くとの思惑が、実際の円安につながっているともみられているようだ。片山財務相は27日の閣議後記者会見でドル円相場の水準について「特に石油関係の事象に引きずられた投機的な動きもみられる」と言及。「断固とした措置も含めしっかり対応することに尽きる」として、状況次第では為替介入に踏み切るとの考えを改めて強調した。

日本政府の円安阻止に向けた姿勢は、これまで米国の支持を受けてきた。ドル円相場は1月23日にはニューヨーク連銀がレートチェックを行ったと報じられ、日米協調による為替介入の可能性が材料視されたことで1ドル=159.23円から155円台まで円高が進む場面があった。1月27、28日のFOMCの議事要旨では、ニューヨーク連銀が米国の財務省の代理としてレートチェックを行ったことが明かされている。トランプ氏は米国の製造業の輸出に有利に働くドル安を望んでいるともされ、これまでも円安を批判してきた

米国はイラン戦争後はドル高を重視か 為替介入が迫力不足になる可能性も

ただ、イランでの戦争開始後の米国は有事に際してドルが買われる値動きを歓迎している様子もある。ブルームバーグによると、スコット・ベッセント財務長官は26日の閣議で、トランプ氏に対し、「(イランからの)敵意が始まって以降、ドルは強くなっている。大統領の努力のおかげで、米国経済が世界最高の資金の置き場所であることをすべての人間が理解していて、資本が流れ込んでいるからだ」と述べた。

また、イランでの戦争が株価下落や長期金利上昇(米国債価格の下落)を招く中、ドルまでも売られれば「米国売り」との印象が株安を加速させる恐れがある。トランプ氏は米国東部時間26日午後4時11分、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、23日に5日間の延期を決めたイランの発電所への攻撃をさらに10日間延期すると発表。新たな期限を「米国東部時間4月6日午後8時」に設定した。トランプ氏がイランでの戦火拡大を回避しようとしていることは、金融市場における米国の信認の維持に重点を置いているかにみえる。

このため今回の円安局面では、日本政府との期待とは裏腹に、米国が円安是正に前向きにならない可能性もありそうだ。仮に投機筋の動きから円安が進んだ後、日本政府による為替介入で円高が急進する展開になった場合でも、中期的には円売りの圧力が維持される展開も考えられそうだ。


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