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米国株、命運はCPIに S&P500最高値届かず 上昇再加速か失速か

S&P500は小幅反発で上昇の勢いが乏しい。一方、FRBの利下げへの期待で投資家心理は悪化しておらず、今後の値動きは8月CPIにかかってきそうだ。

米国株、命運はCPIに S&P500最高値届かず 上昇再加速か失速か 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で上昇加速へのハードルが高まっている。S&P500種株価指数の8日の終値は前週末比0.21%高の小幅な値上がり。2営業日ぶりの反発ながら最高値には届ず、8月下旬に6500の大台に乗ってから横ばいの値動きが続いている。大手ハイテク株では半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の値上がりが失速しており、株式市場を沸かせてきた人工知能(AI)ブームの盛り上がりが落ち着き始めた。一方、金融市場では投資家心理の悪化は進んでおらず、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は8日まで4営業日連続で低下。労働市場悪化への不安を米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切るとの期待が打ち消す構図になっている。ただ、金融市場で拡大している「年内3回利下げ」観測は物価情勢次第では急激に縮小するおそれがあり、S&P500の命運は、11日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)が物価上昇再燃への懸念を強めるかどうかが握っているといえそうだ。

アメリカのS&P500は小幅反発 最高値には届かず勢い不足

S&P500(SPX)の8日の終値は6495.15。前週末5日の0.32%安からは反発したものの、4日につけた最高値(6502.08)には届かず、勢い不足を感じさせた。ブルームバーグによると、S&P500は8月28日に初めて6500の大台に乗せた後は横ばいといえる値動きだ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

エヌビディアは8月の最高値から8%安 ブロードコムの上昇には勢い

S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株の中では、エヌビディア(NVDA)が8日の終値で前週末比0.77%高の168.31ドルとなり、2営業日ぶりの反発。しかし8月12日につけた最高値(183.16ドル)からは8.11%安に落ち込んでおり、AIブームを背景にして続いてきた株価急騰が失速している。8日の取引では電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)が1.27%安、アップル(AAPL)が0.76%安となるなど、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7社の中の4社が値下がりしている。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・コム、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

エヌビディア以外の半導体株ではブロードコム(AVGO)が前週末比3.21%高となり、5営業日続伸。米国東部時間の4日夜に、対話型AIサービス「ChatGPT」で知られるオープンAIと共同でAI向け半導体を開発すると報じられたことが引き続き好材料になっている。また、S&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手アームホールディングス(ARM)も0.70%高の3営業日続伸となった。しかしブロードコムを除けば、米国の主な半導体企業の株価上昇は夏以降に勢いを失っており、株式市場を活気づかせるには至っていない。

エヌビディア、ブロードコム、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

VIX指数は4営業日連続で低下 年内3回利下げへの期待が投資家心理を下支え

一方、足元の金融市場では投資家心理は安定している。シカゴ・オプション取引所によると、VIX指数(VIX)の8日の終値は前日よりも0.46%低い15.11。2日につけた17.17は8月5日(17.85)以来の高さだったが、その後は4営業日連続で低下している。9月5日に発表された8月雇用統計が労働市場の悪化を示す悪い結果だったにも関わらず、投資家の動揺はみられなかったといえる。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の値動きの推移のグラフ

投資家心理の落ち着きの背景にあるFRBの利下げへの期待は深まってきているようだ。ブルームバーグによると、8日段階の金融市場では9月16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが確実視されている情勢。また12月のFOMC後の政策金利は3.615%になると想定されており、現状の政策金利(4.25-4.50%、中間値4.375%)から0.76%ポイント低い水準となった。年内3回利下げの確率は日本時間9日午前10時40分の段階で約86%と見積もられている。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

物価上昇再燃への懸念はくすぶる 8月CPIはS&P500の逆風にも追い風にも

ただ、FRBのジェローム・パウエル議長は労働市場の悪化を警戒しつつも、物価上昇再燃への目配りも続けている。8月29日に発表された7月の個人消費支出(PCE)物価指数は総合指数の伸び率が前年同月比2.6%、食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率が2.9%。いずれもブルームバーグがまとめた市場予想通りの結果だったとはいえ、ドナルド・トランプ大統領が相互関税を発表した4月を底とした上昇傾向がみられる。このためFRBが継続的な利下げを進めれば物価上昇に火を注ぐおそれがあり、パウエル氏にとって「年内3回利下げ」は高いハードルである可能性もある。

アメリカのPCE物価指数の上昇率の推移のグラフ

こうした中、金融市場の注目は11日に発表される8月CPIに集まる。8月CPIで物価上昇の過熱が確認されれば、FRBの利下げへの期待が後退するおそれがあり、S&P500にとっての逆風になることも考えられる。逆にCPIが物価上昇の鎮静化を示す内容だった場合には年内3回利下げの確度が高まることで株価に上昇圧力がかかる可能性があり、S&P500の今後の見通しは8月CPIにかかっているといえそうだ。


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