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米国株、民間雇用統計で逆風の恐れ S&P500続伸 AI頼みの上昇に脆さ

S&P500は2日続伸。オープンAIとアアゾンの関係強化が好感された。ただ、S&P500は時価総額の大きな銘柄への依存が大きく、脆さもある。

米国株、民間雇用統計で逆風の恐れ S&P500続伸 AI頼みの上昇に脆さ 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で人工知能(AI)ブームへの期待が続いている。S&P500種株価指数の3日の終値は2日続伸の前週末比0.17%高。対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIとの関係強化が発表されたアマゾン・コムの値上がりが牽引役となった。ただ、3日に発表された民間経済指標には米国経済の弱さが感じられ、株式市場にとっては逆風として働いたもよう。3日の値動きからは、大手ハイテク株など時価総額が大きい銘柄への依存度の高さが感じられる。こうした中、S&P500の今後の見通しをめぐっては、米国の実体経済への関心がさらに強まりそうだ。5日に民間雇用サービス会社ADPが発表する10月の全米雇用レポートは就業者数が3か月ぶりに増加する見通し。予想よりも強い結果になった場合には、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しを後退させることで、AIブームに後押しされてきたS&P500に逆風が強まる可能性がある。

アメリカのS&P500は0.17%高 最高値からは0.56%安

S&P500(SPX)の2日の終値は6851.97。2日続伸で合計0.43%高となり、10月28日につけた最高値(6890.89)からは0.56%安となっている。ブルームバーグによると、S&P500は30日、韓国で行われた米中首脳会談が事前報道通りだったとの受け止めなどから前日比0.99%安となっていたが、この日の下落幅の4割超を取り戻している。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

オープンAIがアマゾンとクラウド利用契約 アマゾンの株価は4.00%高

3日の株式市場でS&P500を牽引したのはアマゾン・コム(AMZN)だ。オープンAIが3日、アマゾンのクラウドサービスを7年間利用する契約を結び、380億ドルを支払うと発表したことが好感された。これを受けてアマゾンの株価は3日、前週末比4.00%高と大きく上昇。前週末にも、2025年7-9月期決算発表で示されたAIが収益に及ぼす影響が好感されて9.58%高となっており、不振だった株価が一気に反発している。

大手ハイテク株の値動きの推移のグラフ

オープンAIをめぐっては、9月10日にはオラクル(ORCL)との5年間のクラウド契約に対して3000億ドルを支払うことが明らかになり、オラクルの株価に前日比約36%高という爆発的な値上がりをもたらした。また10月28日にはマイクロソフト(MSFT)とのクラウド契約でも2500億ドルを支払うと発表している。このほか、オープンAIは自社のデータセンター建設のために半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコム(AVGO)とも個別に連携強化を発表しており、S&P500に値上がり材料を提供してきた。

製造業の景況感は悪化 S&P500の大手ハイテク株依存が深まる

ただ、3日のS&P500の値動きには、実体経済への不安という影もさしている。米サプライマネジメント協会(ISM)が3日に発表した10月の製造業の景況感指数(PMI)は48.7で、ブルームバーグがまとめた事前予想の49.5を下回った。前月(9月)の49.1からも景況感が悪化したといえる。

ISMの製造業景況感指数の推移のグラフ

実体経済への不安は、S&Pグローバルが公表している時価総額を考慮しないS&P500の値動きに現れた。時価総額を考慮しないS&P500は3日終値で前週末比0.30%安となり、S&P500本体の0.17%高と明暗を分けている。時価総額を考慮しないS&P500は10月に入ってからの1か月あまりで1.34%下落しており、S&P500本体の2.44%高との差が鮮明だ。S&P500本体の値上がりは大手ハイテク株など時価総額の大きい銘柄の影響で吊り上げられているとみることができそる。

S&P500と時価総額を考慮しないS&P500の推移のグラフ

10月のADP雇用統計は就業者数が増加の見通し 強い結果で利下げ期待後退も

こうした中、S&P500の今後の見通しをめぐっては、ADPが5日午前8時15分(日本時間5日午後10時15分)に発表する10月の全米雇用レポートに集まる。ブルームバーグがまとめた事前予想では、非農業部門の雇用者数(政府部門除く)が前月比4万人増になる見込み。ADP調べでの雇用者数は8月と9月の2か月連続で前月比マイナスとなっていたが、3か月ぶりにプラスに転じる形だ。

ADPの全米雇用レポートと雇用統計の比較のグラフ

ADPが実際に発表する結果が市場予想よりも弱かった場合には、実体経済への不安がS&P500への下押し圧力として働く可能性がありそうだ。一方、米国経済の弱さはFRBが12月9、10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る可能性を高め、金利の先安観がAI関連投資に巨額の資金を必要とする大手ハイテク企業などの株価を下支えする可能性がある。ブルームバーグによると、3日の金融市場で見込まれている12月FOMC後の政策金利の水準は3.713%で、利下げ確率は67%程度と見込まれている。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

逆にADPが示す10月の雇用者数の伸びが予想よりも大きくなれば、実体経済の強さが好感される半面、FRBの12月利下げへの期待が後退する可能性がある。この場合、S&P500を牽引している大手ハイテク株にとって大きな打撃になる可能性もありそうだ。米国では10月1日から始まった政府機関一部閉鎖の影響で政府による重要経済指標の発表が見送られており、民間経済指標への反応が大きくなる展開も考えられる。


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