コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

米国株、AIブームに疑念 S&P500急落 利下げ見通しに反転不安も

S&P500は17日までに4営業日続落。AIブームへの疑念が拡大した。一方、FRBの利下げ見通しは強まっているが、CPIで反転するおそれもある。

米国株、AIブームに疑念 S&P500急落 利下げ見通しに反転不安も 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が急落に見舞われた。S&P500種株価指数の17日の終値は前日比1.16%安で4営業日続落。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)などマグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の株価がそろって下落した。対話型人工知能(AI)サービスChatGPTで知られるオープンAIをめぐり、AIブームの継続性を疑わせる報道が出たことが要因で、投資家心理の脆さが示された。一方、AIブームとならぶ株価上昇の原動力となっている米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しは徐々に強まっている。17日には次期FRB議長候補の1人が利下げの余地があるとの見方を示した。ただ、FRBの利下げ見通しは、18日発表の11月の消費者物価指数(CPI)で揺れ動く可能性がある。物価上昇の根強さが示された場合には、FRBの利下げが難しくなるとの見方が強まり、S&P500に対する下落圧力がさらに大きくなる可能性もありそうだ。

アメリカのS&P500は1.16%安 1か月ぶりの大きな値下がりで4日続落

S&P500(SPX)の17日の終値は6721.43。前日比での下落率(1.16%安)はエヌビディアの2025年8-10月期決算発表翌日にあたる11月20日(1.56%安)以来、約1か月ぶりの大きさとなった。S&P500は11日に最高値(6901.00)をつけた後、4営業日続落し、合計2.60%安となっている。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

エヌビディアは3.81%安で3か月ぶり安値 アルファベットは5営業日続落

17日の取引ではS&P500への影響度が大きいマグニフィセント・セブンの7銘柄がそろって下落した。エヌビディア(NVDA)は前日比3.81%安の170.94ドルとなり、9月17日(170.29ドル)以来3か月ぶりの安値。AI関連事業の総合力や財務の健全性が評価されてきたアルファベットGOOGL)は5営業日続落の3.21%安となった。BITA社が7社の株価から算出するマグニフィセント・セブン指数(MAGSEVEN)は2.25%安となっている。

アルファベット、エヌビディア、マイクロソフト、テスラ、アップル、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コムの株価の推移のグラフ

オープンAI向けデータセンター建設に不安 オラクルなどの関連企業株が下落

S&P500が急落した要因はAIブームの継続性への疑念が膨らんだことだ。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は17日、クラウド事業を手掛けるオラクルによるミシガン州でのデータセンター建設計画について、資産運用会社のブルー・アウル・キャピタルが資金を拠出しないことになったと報道。このデータセンターはオープンAI向けに計画されており、AIブームに火をつけたオープンAIの積極的な事業展開の困難さを印象づけた。

オラクルは日本のソフトバンクグループなどとともにオープンAIの大規模インフラ構築構想「スターゲート」で連携。オラクルの株価(ORCL)は9月にはオープンAIからの大規模受注が好材料視されて急騰したが、オープンAIに対する期待が揺らぐ中で、他のオープンAI関連銘柄とともに値下がりが続いている。17日の終値は前日比5.40%安の178.46ドルで、9月10日の最高値(328.33ドル)から45.65%安だ。

オラクル、ソフトバンクグループなどオープンAI関連株の値動きの推移のグラフ

FRBの利下げ見通しはじわじわ拡大 ウォラー理事が利下げの余地を指摘

一方、足元の金融市場ではS&P500の上昇期待を支えてきたFRBの利下げ見通しがじわじわと強まっている。ブルームバーグによると、17日の金融市場で見込まれている、ジェローム・パウエル議長の任期中最後の連邦公開市場委員会(FOMC)となる4月会合後の政策金利の水準は3.424%まで低下した。4月までの利下げ確率は88%で、FRBが3会合連続の利下げを決めた10日段階での77%から上昇傾向にある。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

米国経済をめぐっては16日に発表された11月雇用統計が硬軟入り混じった内容だった。非農業部門の就業者数は前月比6.4万人増となって市場予想を上回る良い結果だった一方、失業率は市場予想を超える4.6%という悪い結果を示している。次期FRB議長候補として名前が挙がるクリストファー・ウォラー理事は17日、米CNBCが開いた経済イベントで「労働市場が崖から落ちるように悪化しているわけではない」として、劇的な利下げを行うことに否定的な立場を表明。同時に経済活動を刺激することも冷やすこともない中立金利は現状の政策金利の水準(3.50-3.75%、中間値3.625%)から、0.50-1.00%ポイント低い水準にあるとの見方を示し、「利下げの余地がある」とも述べている。

利下げ見通しは18日発表のCPIで変化も 物価上昇の根強さでS&P500は下落か

ただ、FRBの利下げ見通しは18日午前8時30分(日本時間18日午後10時30分)に発表される11月CPIで大きく揺らぐ可能性がある。物価上昇の根強さが示された場合には、FRBの2026年以降の利下げが難しくなるとの見方が広がり、S&P500の上昇にとって逆風になることが想定されそうだ。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、11月CPIの伸び率は、総合指数で前年同月比3.1%となり、最新のデータである9月の3.0%から物価上昇が加速する見通し。一方、食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は3.0%と見込まれ、9月と同水準になるとみられている。

アメリカのCPIの伸び率の推移のグラフ

17日のS&P500の急落は投資家が悪いニュースに大きく反応しやすい状況を感じさせた。18日のCPIを受けた値動きはS&P500の年末ラリーに向けたムードを左右することも考えられる。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の株価指数CFD

  • 主要指数の24時間取引が可能
  • 世界約30銘柄の株価指数を提供
  • 株価指数をバイナリーオプションで取引

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! デモ口座のみお持ちのお客さまには、2週間の期間限定での配信となります。受信を継続するにはライブ口座の開設をお願いいたします。 ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。