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米国株、米中関係に消えない不安 S&P500反発 オープンAI効果再び

S&P500は前週末比1.56%高の反発。ただ、米中関係への懸念は消えてはおらず、米国経済の不透明感などと合わせて、見通し不安が積み重なりつつある。

米国株、米中関係に消えない不安 S&P500反発 オープンAI効果再び 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が粘り強さを示した。S&P500種株価指数の13日の終値は前週末比1.56%高。ドナルド・トランプ大統領が前週末に高まった米中関係緊張への不安の火消しにかかったことが反発の要因となった。また13日には対話型人工知能(AI)サービスChatGPTで知られるオープンAIが10ギガワット(1000万キロワット)相当のデータセンターの展開を新たに発表。AIブーム継続への期待が半導体株や大手ハイテク株の株価上昇を後押しした。一方、米中双方の情報発信からは米中間に解決すべき課題が残っていることも感じられ、投資家心理には傷跡が残ったともいえる。S&P500の今後の見通しをめぐっては、政府機関一部閉鎖の結果として米国経済の実体が見えなくなる中、再び動揺が起こることへの警戒感も続きそうだ。

アメリカのS&P500は1.56%の反発 トランプ氏が米中関係悪化不安の火消しに

S&P500(SPX)の13日の終値は6654.72。ブルームバーグによると、前週末比での上昇率(1.56%高)は5月27日(2.05%高)以来、約4か月半ぶりの大きさだった。前週末10日はトランプ氏が中国への強硬姿勢をみせたことで2.71%安の急落となっていたが、13日は10日の下落幅の半分強と取り戻す値動きとなった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

S&P500の反発を引き起こしたのはトランプ氏が週末のうちに米中関係をめぐる不安の鎮静化に動いたことだ。トランプ氏は米国東部時間の12日午後1時前に自身のSNSトゥルースソーシャルに「中国のことは心配しなくていい」と投稿。10日の投稿では中国がレアアースに関する製品の輸出規制を強める考えを示したとして、米国として中国製品に100%の追加関税を課す考えを示していたが、習近平国家主席が一時的に判断を誤っただけだとの見方を示した。

オープンAIはブロードコムともデータセンター展開 大手ハイテク株がそろって上昇

また13日にはオープンAIが半導体大手ブロードコムとともに10ギガワット相当のデータセンターを展開する構想を発表。2026年後半に着手し、2029年末までに完了するとの時間軸を示した。ブロードコムの株価(AVGO)は13日の終値で前週末比9.88%高となっている。オープンAIは9月22日にはNVIDIA(エヌビディア、NVDA)との間でも10ギガワット超のデータセンターを展開すると公表し、10月6日にはアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)とも6ギガワット相当のデータセンターを展開するとしている。13日の取引では、エヌビディアの株価が2.82%高、AMDが0.71%高となった。また、S&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)の株価も11.07%高となった。

半導体株の推移のグラフ

米中関係をめぐる緊張の落ち着きとAIブームへの期待はS&P500への影響が大きい大手ハイテク株への追い風となった。エヌビディアの値上がりのほか、電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)が前週末比5.42%高、アルファベット(GOOGL)が3.20%高となるなど、「マグフィニセント・セブン」と呼ばれる7社の株価がそろって上昇している。

中国はトランプ氏の手法に反発 投資家不安の高止まりは継続

一方、米中関係をめぐる不安は完全に解消されたとはいえなさそうだ。中国外交部は米国東部時間13日午前11時前にSNSのXへの投稿で、「最近の米国による中国に対する規制や制裁を断固として拒絶する」とし、中国の正当な権利と国益を守るためには「必要な手段をとる」とした。「高関税で脅すことは中国に対する適切な対応とはいえない」ともしており、トランプ氏が10日に100%の追加関税を示唆したことを強く批判した形だ。これに先立ち、米国のJDバンス副大統領は13日のFOXニュースでのインタビューで「仮に中国が敵対的な手段をとるなら、米国の大統領は中国よりもはるかに多くのカードを持っていることは間違いない」と述べている。米中両国は関係悪化を望んでいるわけではないもようだが、解決すべき問題が残っていることも確かなようだ。

こうした中、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の値動きからは投資家の不安心理が感じられる。シカゴ・オプション取引所によると、VIXの13日の終値は19.03。前日の21.66からは12.14%低くなったが、引き続き2か月ぶりの高水準であることに変わりはない。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを意味する。

米国経済の見通しは依然不透明 割高感も続く中でS&P500の見通しに不安山積

S&P500の今後の見通しをめぐっては、米国経済の実体がみえないという不安要素もくすぶり続けている。1日から始まった政府機関一部閉鎖の結果、3日に予定されていた9月雇用統計の公表が見送られたほか、15日に予定されている9月消費者物価指数(CPI)の公表も先送りが避けられない情勢。米国株式市場の強さの前提といえる米国経済がトランプ氏の高関税政策による経済活動の混乱によって下押しされているという懸念は拭えないままだ。

不安の中でも最高値更新を続けてきたS&P500には割高感も伴っている。ブルームバーグによると、S&P500の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は13日時点で23.3倍で、改めて23倍へと戻った。またオープンAIの積極展開をめぐっては資金調達の方法が不明瞭だとも指摘されており、S&P500の値動きには不安要素が山積し始めたともいえそうだ。


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