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米国株、AIブーム継続に危機感 S&P500転落 投資家不安急拡大

S&P500は3日続落で最高値から3.17%安。大手ハイテク各社のAI関連投資の大きさが不安視されている。FRBの利下げ期待の後退も悪材料だ。

米国株、AIブーム継続に危機感 S&P500転落 投資家不安急拡大 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場の動揺が大きくなっている。S&P500種株価指数の17日の終値は前週末比0.92%安で3営業日続落。10月下旬の最高値から3%超の値下がりとなった。19日に2025年8-10月期決算を発表する半導体大手NVIDIA(エヌビディア)など「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7社の不振が目立ち、S&P500の上昇の勢いが失われている。大手ハイテク各社をめぐっては、人工知能(AI)開発やサービス展開のための巨額の設備投資費用を賄うために社債を発行するケースが注目されており、ブームの継続性を危ぶむムードも広がってきた。また、S&P500の上昇期待を支えてきた米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げに対する期待はさらに後退し、金融市場では投資家心理が改めて悪化している。投資家の間では19日に発表される10月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨への関心も高まっており、内容次第ではS&P500への下落圧力が一層強まる恐れもある。

アメリカのS&P500は3営業日続落 最高値から3.17%安まで後退

S&P500(SPX)の17日の終値は6672.41。13日からの3営業日続落の間に2.61%安となった。ブルームバーグによると、S&P500は10月28日につけた6890.89で、2025年に入ってから36回目の最高値更新を果たしていたが、その後は3週間にわたって記録を塗り替えられずにいる。17日の終値はこの最高値から3.17%安の水準だ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

エヌビディアの株価は1.88%安 決算発表前に期待は高まらず

S&P500への影響度が大きいマグニフィセント・セブンの17日の値動きでは、エヌビディアの株価(NVDA)が前週末比1.88%安の186.60ドルとなり、2営業日ぶりの反落。10月29日の最高値(207.04ドル)からは9.87%安となった。19日の取引時間終了後に行う8-10月期決算発表はAIブームを背景として強気な業績見通しを示せるかどうかが焦点だが、投資家の期待は強まっていないようだ。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン・コム、アルファベット、テスラ、マイクロソフトの株価の推移のグラフ

マグニフィセント・セブンは不振 設備投資負担増で社債発行相次ぐ

このほか、マグニフィセント・セブンの中ではアップル(AAPL)が4営業日続落の前週末比1.82%安、アマゾン・コム(AMZN)も4営業日続落の0.78%安となっている。メタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)も値下がりし、S&P500の足を引っ張った。一方、アルファベットの株価(GOOGL)は3.11%高と好調。著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社のバークシャー・ハザウェイ(BRKB)が7-9月期に持ち株を増やしていたことが14日に分かったことが好感された。BITA社が7社の株価に基づいて算出する「マグニフィセント・セブン指数」(MAGSEVEN)の17日の終値は前週末比0.52%安だった。

マグニフィセント・セブンの不調が目立つ背景にはAIブームの継続性への疑念が強まっていることがある。ブルームバーグは17日午後、関係者の話として、アマゾンが約3年ぶりに行う社債発行の規模が150億ドルになると報道。アルファベットもすでに250億ドルの社債を発行、メタも300億ドルの社債発行を行ったという。3社は1-9月期の設備投資額がそれぞれ500億-900億ドルに達し、前年同期比で1.7-2.1倍という大きな規模になっている。これまでは各社の主力事業である小売り事業や広告事業での利益を設備投資の原資としてきたが、急激な設備投資積み増しを借り入れで賄う構図が強まってきた。

アルファベット、アマゾン・コム、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトの設備投資額の推移のグラフ

FRBの12月利下げ確率は41%まで低下 ジェファーソン副議長が利下げに慎重姿勢

また、S&P500の上昇期待を支えてきたFRBの利下げ見通しも後退が続いている。ブルームバーグによると、17日の金融市場で見込まれている12月9、10日のFOMC後の政策金利の水準は3.774%で、4営業日連続で上昇。利下げ確率は41%まで低下した。FRBのフィリップ・ジェファーソン副議長は17日のミズーリ州での講演で、最近数か月の米国経済では労働市場の下振れリスクが強まっていると指摘しつつも、政策金利はこれまでの引き下げの結果、景気を抑制することも刺激することもない中立的な水準に近づいているとも言及。金融政策の変更を「ゆるやかに進める」ことの必要性が強まっているとしている。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

投資家の不安心理が拡大 FOMC議事要旨や雇用統計も焦点に

こうした中、17日の金融市場では投資家の不安心理が大きくなった。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の17日の終値は前週末よりも12.86%高い22.38。レアアースの輸出規制をめぐって米中関係の緊張が高まっていた10月16日(25.31)以来の高さとなった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

S&P500の今後の見通しをめぐっては、19日のエヌビディア決算や20日に約1か月半遅れで発表される9月雇用統計が焦点。またこれらに先立つ19日午後2時(日本時間20日午前4時)には10月FOMCの議事要旨も発表される。ジェローム・パウエル議長はこのFOMC後の記者会見で、参加者の中では12月利下げをめぐる意見が割れていることを明かしているが、、議事要旨の内容が利下げへの慎重姿勢の強さを感じさせれば、S&P500の下落の流れがさらに強まることも想定されそうだ。


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