米国株、決算発表リスクに警戒感 S&P500続落 大手ハイテク総崩れ
S&P500は年明け以降初の2日続落。大手ハイテク7社の株価がそろって下落した。一方、中小型株はS&P500を超える好調さだ。
アメリカの株式市場で決算発表リスクへの警戒感が強まってきた。S&P500種株価指数の14日の終値は前日比0.53%安。年明け以降で初の2日続落となった。14日は「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価がそろって下落しており、S&P500の足を引っ張っている。各社は28日から2025年10-12月期決算を発表する予定で、投資家の間では期待外れの結果が株価を急落させる恐れも意識され始めていそうだ。一方、直近の米国の経済指標では、物価上昇の過熱感や消費の低迷といった悪材料はみられず。景気変動に敏感とされる中小型株の株価指数はS&P500を大きく上回る成績で、大手ハイテク株から中小型株への資金移動も感じさせる。ただ、株価の割高感は中小型株でもみられており、今後はS&P500と中小型株が共倒れになるシナリオも考えられる。
アメリカのS&P500は2日続落 最高値から0.73%安に
S&P500(SPX)の14日の終値は6926.60。2日続落の末、12日につけた最高値(6977.27)から0.73%安に後退した。ブルームバーグによると、S&P500は年明けから12日までは、7営業日中の6日で値上がりする好調さだったが、楽観ムードに変調の兆しが感じられる。
マグニフィセント・セブンがそろって下落 メタは3日続落で合計5.75%安
14日の取引ではS&P500への影響度が大きいマグニフィセント・セブンの7社がそろって下落した。メタ・プラットフォームズ(META)は14日までの3日続落で合計5.75%安。アマゾン・コム(AMZN)とマイクロソフト(MSFT)もメタと同様の3日続落で、ともに合計4%超の値下がりとなっている。AI関連事業の総合力と財務の健全性が評価されてきたアルファベット(GOOGL)も14日は前日比0.04%安で6営業日ぶりに反落した。また、半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)は3営業日ぶり反落の1.44% 安。ドナルド・トランプ政権は14日、エヌビディアが最先端半導体H200を中国に輸出する際には、米国内の半導体不足を招いていないかどうかや、輸出先の中国企業の適格性などを事前に判断する手続きを求めることを公表している。
マグニフィセント・セブンがS&P500の足を引っ張っている背景には、決算発表が近づいているという事情もありそうだ。28日にはメタ、マイクロソフト、テスラ(TSLA)の3社。29日にはアップル(AAPL)が決算を発表する。アルファベットの決算発表は2月4日の予定だ。決算発表で示される実績や2026年1月以降の業績見通しが投資家の失望を招けば、株価への下落圧力が強まる可能性がある。アマゾンは14日時点で決算発表の日時を公表していない。エヌビディアは2月25日に2025年11月-2026年1月期決算を発表する。
アルファベットの株価でも割高感上昇 投資家心理の悪化は継続
7社の中で株価がひと際好調なアルファベットも株価の割高感は徐々に強まっており、決算発表では投資家の厳しい視線にさらされそうだ。ブルームバーグによると、アルファベットの株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は14日段階で27.4倍程度。2025年11月下旬につけた27.9倍を超えれば、2021年4月26日(28.06倍)以来、4年8か月ぶりの高水準となる。
こうした中、投資家の不安心理は改めて高まってきた。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の14日の終値は前日よりも4.82%高い16.75となり、12月18日(16.87)以来、約1か月ぶりの高水準。VIXの上昇は3日連続だ。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。
12月CPIに物価上昇の過熱感はなし 11月小売売上高も堅調
一方、このところの米国の経済指標は堅調な内容が続いている。13日に発表された12月の消費者物価指数(CPI)は総合指数の伸び率が前年同月比2.7%で、ブルームバーグがまとめた市場予想と一致する結果。食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は2.6%で、市場予想(2.7%)を下回った。さらにコア指数から家賃も除いた指数の伸び率は2.2%となっており、物価上昇の過熱感はみられていない。
また14日に発表された11月の小売売上高は前月比0.6%増で、市場予想の0.5%を上回った。自動車と自動車部品を除いたベースでも0.5%増で、やはり市場予想(0.4%)を超えている。
中小型株の株価指数はS&P500を超える成績 割高感は上昇
米国経済の良好さが確認される中、米国の株式市場では中小型株の好調さも目立つ。中小型株の代表的な株価指数であるラッセル2000(RUT)の14日の終値は前日比0.70%高で、2日続落となったS&P500とは対照的な値動きとなった。ラッセル2000の足元の水準は2025年末比6.84%高で、S&P500の1.18%高を大きくしのぐ成績を残している。2023年以降のAIブームの継続性への疑念がくすぶっていることを要因として、大手ハイテク株から中小型株への資金移動が起きているとみることもできそうだ。
ただ、ラッセル2000にも割高感というマイナス材料はつきまとう。ブルームバーグによると、ラッセル2000の予想株価収益率は14日段階で28.6倍で、2023年以降の平均値(26.6倍)を超えている。このため、大手ハイテク各社の決算発表を機にAIブームの見通しが悪化する懸念に加えて、米国の実体経済への不安も高まる事態となれば、S&P500とラッセル2000が同時に値下がりする展開も起こりえる。
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