米国株 週間見通し(1/26~30週):S&P500は7000の攻防が焦点に、マイクロソフト決算に注目
IG証券のアナリストによるS&P500の週間見通し。ハイテク決算にらみ。28日にマイクロソフトが決算発表。クラウド事業の成長性が焦点に。米国500は節目水準7000のトライなるか?
要点
- トランプ関税砲で先週の米主要指数は下落した。しかし下げ幅は限定的でVIXも落ち着いた動き。米国株は強気地合いを維持している
- 今週はハイテク決算が焦点に。28日にマイクロソフトがQ2決算を発表。クラウド事業の成長性に注目。メタ・プラットフォームズも同日に4Q決算を発表
- S&P500の株価指数CFD「米国500」が強気地合いを維持すれば、心理的節目の7000トライを意識。下落局面では6800の維持が焦点に
トランプ関税砲で下落も強気地合い維持
先週(19~23日の週)の米株式市場はトランプ関税砲に翻弄され、主要指数は下落して終えた。しかし、トランプ米大統領が「グリーンランド関税」の撤廃を表明したことで下げは限定的だった。
10年債利回りが4.3%へ上昇してもナスダック総合指数の下落率が0.06%、中小型株指数「ラッセル2000」の下落率が0.32%と小幅だった状況は、米国株が強気地合いを維持していることを示唆した。
米株価指数 週間変動率:昨年12月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
「グリーンランド関税」問題が意識された局面でもVIXとVXNの上昇は限定的だった。これらボラティリティ指数の動きもまた、米株式市場の強気地合いが崩れていないことを示唆している。
VIX・VXNの日足チャート:昨年3月以降
ブルームバーグのデータを基に作成
ハイテク決算にらみ、28日にマイクロソフト決算、焦点はクラウドの成長性
今週の米国株はハイテク決算にらみの展開となろう。28日にマイクロソフト(MSFT)が2025年10-12月期(FY2026 Q2)決算を発表する。同社のクラウドビジネスはAI半導体の需要に影響する。このため、エヌビディア(NVDA)など主力半導体株の動向を左右する可能性がある。
ブルームバーグのコンセンサス予想によれば、Q2売上高は803億ドル(前年同期比+15.3%)、調整後EPSは3.92ドル(前年同期3.23ドル)が見込まれている。
焦点はクラウド事業「Azure(アジュール)」の成長性だ。同社のガイダンスでは需要が供給を上回ることを考慮し前年同期比+37%(為替変動除く)を見込む。アジュールの成長はIntelligent Cloud部門の収益を左右する。ブルームバーグのコンセンサス予想では、Q2のIntelligent Cloud部門収益は前年同期比+26.1%が見込まれている。
FY2026 Q2見通し
ブルームバーグのデータを基に作成 / 1月23日時点
業績見通し(ガイダンス)も重要な焦点となろう。ブルームバーグのコンセンサス予想によれば、第3四半期(FY2026 Q3)は前年同期比で増収増益が見込まれている。Intelligent Cloud部門は前年同期比+25.4%が予想されている。
クラウド事業の持続的な成長見通しを示すことができれば、巨額の設備投資に対する収益期待が高まろう。マイクロソフトの株価は上昇で反応することが予想される。
FY2026 Q3見通し
ブルームバーグのデータを基に作成 / 1月23日時点
S&P500は2022年の株安局面を脱して以降、AI相場主導で上昇トレンドが続いている。ブルームバーグのデータで2023年から現在までの株高期間の回帰分析を行うと、マイクロソフトと同じく28日に決算を控えるメタ・プラットフォームズ(META)と比較して、S&P500はマイクロソフトとの連動性が高い傾向が見られる(ベータ:0.439 vs 0.218 / R²:0.445 vs 0.297)。
回帰分析:S&P500、マイクロソフト、メタの比較
ブルームバーグのデータを基に作成
※Y(従属変数)=S&P500、 X(独立変数)=マイクロソフト / メタ・プラットフォームズ
※期間:2023年1月~2026年1月23日、対数差分、データ数159(週次)
また、主要なS&P500のETFの組み入れ比率を確認するとマイクロソフトが6%超と、メタ・プラットフォームズより大きい。
マイクロソフトのクラウド事業とAI半導体需要の関係性、回帰分析の結果、そしてS&P500ETFの組み入れ比率を勘案すれば、マイクロソフトの決算内容に対する市場の評価とS&P500の反応に注目したい。同指数が原資産の株価指数CFD「米国500」は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
SPDR S&P500 ETF / Vanguard S&P 500 ETFの組み入れ比率
出所:各ETFの公式サイト
米国500の週間見通しとテクニカル分析
心理的節目7000を巡る攻防
今週はマイクロソフトやメタ・プラットフォームズの他、半導体製造装置大手のラム・リサーチ(LRCX、28日)、KLA Corporation(KLAC、29日)も決算を発表する。今週のハイテク決算が総じて投資家の期待を上回る場合、米国500は、日足チャートにまとめた水準の攻防に注目したい。
最大の焦点は、心理的節目7000の攻防だ。13日の市場ではこのラインの手前で上昇が止められた(高値6997レベル)。ゆえに上昇局面では、売り圧力の強さが確認された7000ラインが上値抵抗線として強く意識されるだろう。先週の相場の戻りを止めたフィボナッチ・リトレースメント76.4%水準6946レベルのブレイクアウトは、7000トライのサインと捉えたい。
想定を超えて米国500が7000のラインを突破すれば、7060レベルを視野に上昇拡大を想定したい。この水準はフィボナッチ・エクステンション100%にあたる(7062)。
上値のチャートポイント
・7060:フィボナッチ・エクステンション100%
・7000:今週の上限予想
・6946:フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻
6800の維持なるか
一方、投資家の期待を下回るハイテク決算が続けば、米国500は調整売りに直面するだろう。この場合は、以下にまとめたチャート水準の攻防に注目したい。
注目すべきは、以下2つの移動平均線の攻防だ。
・50日移動平均線(6880レベル)
・90日移動平均線(6820レベル)
これら移動平均線は、4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントと重なる。時間軸の異なるテクニカルラインが収束する水準は、市場参加者の注目度が高まりやすい。
・38.2%戻し(6890レベル)
・61.8%戻し(6824レベル)
「グリーンランド関税」問題が意識された時の安値水準は6780レベル。テクニカル面では、フィボナッチ・リトレースメント76.4%水準にあたる。米国500の下落局面では、90日線とこの安値の間の6800ラインを重要な下値の分岐点であり、かつ今週の下限と想定したい。
下値のチャートポイント
・6880:50日線、38.2%戻し(6890)
・6820:90日線、61.8%戻し(6824)
・6800:今週の下限
・6780:先週の安値水準、76.4%戻し(6783)
※移動平均線の水準:1月23日時点
米国500の日足チャート:昨年11月以降
TradingView提供のチャート
米国500の4時間足チャート:昨年12月以降
TradingView提供のチャート
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