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米国株、米中貿易戦争での急落警戒 S&P500勢い不足 AIブームは継続

S&P500は2日ぶりに反発したが、米中関係の緊張を背景として投資家の警戒感は強い。今後も上値の重い展開が続きそうだ。

米国株、米中対立での急落を警戒 S&P500勢い不足 AIブームは継続 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で急落への警戒が続いている。S&P500種株価指数の15日の終値は2日ぶりに反発したが、取引時間中には前日終値比でのマイナス圏に沈む場面もある冴えない値動き。米国と中国との間の通商関係をめぐる衝突は貿易戦争状態ともいえ、投資家の不安が高まっていることが影響した。一方、15日の取引では、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの決算発表が人工知能(AI)ブームの強さを示したことで半導体株が上昇。また政府機関一部閉鎖で重要経済指標が発表されない中でも、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待が維持されているといった好材料もある。ただ、米中関係をめぐる懸念や大手ハイテク企業の収益性への不安という値下がり要因はさらに大きくなるおそれもあり、S&P500の今後の値動きは上値の重さが意識されやすくなりそうだ。

アメリカのS&P500は2日ぶり反発 最高値からは1.22%安で勢い不足

S&P500(SPX)の15日の終値は前日比0.40%高の6671.06。2日ぶりの反発となったが、8日につけた最高値(6753.72)からは1.22%安の水準にとどまっている。ブルームバーグによると、午後の取引では前日比0.48%安まで値を下げる場面もあり、勢い不足を感じさせる値動きだった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

トランプ氏は中国との「貿易戦争」に言及 VIX指数は20超の高止まり

S&P500の上昇の足を引っ張っているのは米中が通商関係をめぐって衝突していることだ。ドナルド・トランプ大統領は15日の取引時間終了後、記者団から中国との継続的な貿易戦争の状態にあるのかと問われ、「今はそういう状態だ」と応じている。S&P500の不振はトランプ氏が10日に中国がレアアースの輸出規制を強める考えを示したと明かし、中国製品に100%の追加関税を課すとの方針を示したことがきっかけ。トランプ氏は14日には中国が米国産の大豆を輸入しようとしないことに不満を表明し、中国製の食用油の輸入を停止する考えも示している。

こうした中、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)は高止まりしている。シカゴ・オプション取引所によると、VIXは14日終値で前日よりも9.35%高い20.81となり、15日も20台にとどまった。10日に約4か月ぶりの高水準となる21.66を付けて以来、様相が急変した形だ。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

半導体株はAIブームで上昇 ASMLの決算発表などが追い風に

一方、15日の取引ではAIブームの力強さが材料視され、米中関係への不安が高まる中でも、S&P500を下支えした。半導体大手アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価の15日の終値は3日続伸の前日比9.40%高。半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)も4.30%高と大きく反発した。ブロードコム(AVGO)も2.09%高となっている。

エヌビディア、AMD、ブロードコム、アプライド・マテリアルズなどの株価の推移のグラフ

半導体株を上昇させた要因のひとつは、ASMLが15日に発表した2025年7-9月期決算で受注額が53.99億ユーロとなり、ブルームバーグがまとめた事前予想の49億ユーロを上回るなどしたことだ。ASMLはAI関連投資をめぐり「前向きな勢いが続いている」と説明。最先端ロジック半導体メーカーやDRAMメーカーといった分野で顧客の数が増えているという。2026年の総収入の見通しについては「2025年を下回ることはない」とした。また、AMDは14日にAIクラウド事業を手掛けるオラクル(ORCL)に対し、2026年7-9月期に5万個の半導体を納入し、2027年はさらに拡大させるとも発表している。

FRBの年内2回利下げ見通しは崩れず S&P500の値上がり要因

また金融市場では、政府機関一部閉鎖が重要経済指標の発表見送りにつながる中でも、FRBの利下げ期待が維持されている。ブルームバーグによると、FRBが28、29日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)に関しては、0.25%幅での利下げが確実視される情勢。また12月FOMC後の政策金利は15日時点で、現状よりも0.501%ポイント低い3.624%と見込まれており、10月に続く利下げが想定されている形だ。米国の金利の先安観は株式投資の魅力を相対的に強めるS&P500にとっての値上がり要因だといえる。

FRBの政策金利の水準の見通しのグラフ

オープンAIの台頭は大手ハイテクの逆風? 米中関係の悪化でS&P500急落リスクも

ただ、米中関係の悪化が進むと同時に政府機関閉鎖も続くという状況が経済の見通し不透明感を強めていることは間違いない。また、対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIの積極的な事業展開が表明される中、半導体企業は需要拡大に沸いているが、巨額の資金を投じてオープンAIと競合するAIサービスを展開してきた大手ハイテク企業は収益確保のハードルが高くなるおそれもある。15日の取引ではこれまでも米中関係の緊張が悪材料視されてきた半導体大手NIVIDIA(エヌビディア、NVDA)が2日続落の前日比0.11%安となったほか、アマゾン・コム(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)も値下がりした。

マグニフィセントセブンの株価の推移のグラフ

米中関係をめぐっては、トランプ氏の発言や中国側の対応をめぐる悪いニュースが流れれば、S&P500が急落するおそれもある。さらに大手ハイテク企業が22日以降の7-9月期決算発表で収益力の向上を示せなければ、株価下落に見舞わる展開も想定され、S&P500の今後の値動きは不測の事態への警戒感に足を引っ張られることになりそうだ。


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