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日経平均、2026年末5万8000円予想 金利高や円高に不安 下振れも

日経平均株価は2026年に大きく上昇する予想。ただ、長期金利の上昇や円高、AIブームの減速といった不安材料も多く、下振れ懸念もある。

日経平均、2026年末5万8000円予想 金利高や円高に不安 下振れも 出所:ブルームバーグ

日経平均株価の上昇への期待が強まっている。日経平均の26日の終値は1週間前比で1243.18円高で、週末としての5万円台を2週ぶりに回復。2024年末比では27%高となっており、12年ぶりの高い上昇率も視野に入る水準だ。人工知能(AI)ブームを背景とした半導体株の値上がりが原動力で、金融市場では日経平均が2026年末に5万8000円に到達し、3年連続で最高値が更新されるとも予想されている。ただ、2026年の金融市場では株価の逆風となる長期金利(10年物国債利回り)の上昇や、日本企業の収益悪化要因となる円高が進む可能性もある。さらにAIブームの継続性への疑念が広がれば、投資家心理が冷え込む恐れもあり、2026年の日経平均の上昇が予想よりも下振れる展開も考えられそうだ。

日経平均株価は週次1243.18円上昇 前週の下落分を回復

日経平均株価(N225)の26日の終値は前日比では342.60円高の5万0750.39円。ブルームバーグによると、週次での上昇(1243.18円高)は2週ぶりで、米国でのオラクルなどのAI関連株の値下がりが悪材料になった前週(15-19日)の1329.34円安を取り戻す値動きとなった。米国の株式市場が24日まで5営業日続伸したことで、AIブーム継続への楽観的な見方が復活した。

日経平均株価と週次の騰落額の推移のグラフ

値がさ株がそろって値上がり 年次上昇率はアベノミクス相場以来の大きさも視野

個別株の値動きでは、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が26日までの週次で10.03%高となり、日経平均を313円押し上げた。このほか、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)、ChatGPTで知られるオープンAIに出資するソフトバンクグループ(9984)に加え、衣料品大手のファーストリテイリング(9983)も日経平均を牽引した。4社はいずれも日経平均への影響度が大きい値がさ株だ。24日の終値は2024年末比では27.21%高。2025年最後の取引となる30日終値で、2023年の28.24%高を超えれば、アベノミクス相場の1年目にあたる2013年(56.72%高)以来、12年ぶりの大きな上昇率になる可能性もある。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与度のランキング

2026年末の日経平均は5万8000円の予想 企業業績の成長に期待

こうした中、金融市場では日経平均の2026年の値動きについても期待が高まっている。ブルームバーグによると、2026年末の日経平均の市場予想の平均は5万8040円で、足元の水準から14%超の値上がりが見込まれている形。現段階での日経平均の最高値(5万2411.34円)を大きく上回り、日経平均が34年ぶりに最高値を更新した2024年以来、3年連続で記録が塗り替えられるとの見立てだ。金融市場では6万円到達を予想する声もある。

日経平均上昇への期待の裏付けは企業業績の好調さだ。ブルームバーグによると、日経平均構成銘柄の直近12か月での1株当たり利益(EPS)の実績は26日段階で2227円。2024年末比で13%の上昇となっている。仮に2026年の企業業績も同じペースで高まるとすれば、2026年末段階での1株当たり利益は2517円。日経平均の1株当たり利益に対する比率を示す株価収益率(PER)が足元の水準である22.79倍で維持されると考えた場合、日経平均は5万7354円という水準が浮かぶ。

日経平均株価と1株当たり利益の推移のグラフ

長期金利上昇や円高進行の可能性は逆風 日経平均の伸び悩みも

ただ、日経平均の2026年の値動きをめぐっては長期金利の上昇が逆風となる可能性がありそうだ。ブルームバーグによると、長期金利は26日まで6営業日連続で終値ベースで2%台を記録。22日終値の2.078%は1999年2月16日(2.110%)以来、26年10か月ぶりの高さとなった。長期金利上昇は株式投資の相対的な魅力を低めることから、株価収益率を下押しする要因だ。仮に2026年末時点の株価収益率が過去10年間の平均値である21.09倍にとどまった場合、日経平均構成銘柄の1株当たり利益が2025年と同じペースで伸びたとしても、日経平均は5万5300円程度に留まることになる。

日経平均株価の予想株価収益率と長期金利の推移のグラフ

さらに2026年はドル円相場での円高進行が日経平均の逆風になりえる。米連邦準備制度理事会(FRB)が次期議長の下で利下げに前向きになると想定されるうえ、日本銀行も物価上昇圧力緩和を狙った追加利上げに動く可能性があるためだ。円高が進めば、海外で稼ぐ日本企業の業績が下押しされることは避けられず、1株当たり利益の低下が日経平均の見通しを悪くすることも考えられそうだ。日銀の利上げが長期金利上昇を後押しする場合には、株価収益率の下振れも加わって、日経平均の伸び悩みが強まる恐れもある。

日経平均の牽引役には割高感 AIブーム継続性への疑念も不安材料

2023年以降の日経平均の上昇を後押ししてきたAIブームには持続可能性への不安もつきまとう。日経平均の牽引役であるアドバンテストの株価の26日の終値は2022年末比で9.5倍となっており、株価収益率は51倍にもなっている。AIブームを代表する銘柄である米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が2023年以降に株価が約13倍になりつつも、利益の拡大も同時に進んでいるため、株価収益率が27倍に抑えられていることとは対照的だ。またソフトバンクグループはオープンAIとの関係の深さが好材料視されてきたが、資金力に不安があるオープンAIへの評価が下火になれば、株価が下落圧力にさらされかねない。

エヌビディア、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、TSMCなどの株価の推移のグラフ

2026年の金融市場では日米の金融政策とAIブームへの期待が大きく変化する可能性がある。こうした中、日経平均の2023年以降の好調な値上がりが節目を迎えるシナリオも考えられそうだ。


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