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エヌビディア、株価失速 2026年は急騰復活も 中国市場見通し焦点

エヌビディアの2025年の株価は過去2年の急騰が失速。一方、業績の堅調さは維持されており、今後は中国向け輸出再開への期待が焦点だ。

エヌビディア、株価失速 2026年は急騰復活も 中国市場見通し焦点 出所:ブルームバーグ

半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の株価急騰が失速している。エヌビディアの株価は24日終値で2024年末比4割上昇。高い値上がり率とはいえ、株価が数倍になった2023年や2024年の勢いが失われたことは明らかだ。株式市場ではエヌビディアの株価を急上昇させてきた人工知能(AI)ブームの継続性への疑念が膨らんでおり、エヌビディアの株価は節目を迎えた。ただ、エヌビディアの業績が成長を続けていることは間違いなく、多くの大手ハイテク各社とは異なり、財務の健全性への信頼感は揺らいでいない。また、株価上昇にブレーキがかかった結果として株価に割安感が出ていることも好材料といえる。このためエヌビディアの株価は、投資家心理の動向次第で上昇が加速する可能性がありそうだ。中国向け輸出の再開が実現すればエヌビディアの成長余力が高まるとの期待もあり、年明け早々にジェンスン・ファンCEOが行うラスベガスでの基調講演に向けて値上がりが進む展開も考えられる。

エヌビディアの株価は年間4割上昇 過去2年の急騰から失速

エヌビディアの株価(NVDA)は24日の終値で188.61ドル。ブルームバーグによると、2024年末比では40.45%高で、株価が3.4倍になった2023年や、2.7倍になった2024年のような勢いはない。2025年は、ジョー・バイデン前政権が退陣間際に発表した半導体輸出規制案や米中関係の悪化、中国のAI開発企業ディープシークによる低コストでの高性能AI開発が悪材料になった1-3月期に株価が19.29%安となった後、4-6月期は45.77%高と大きく反発したが、その後は上昇ペースが減速していった。10-12月期の上昇率は24日段階で1.09%高だ。

エヌビディアの四半期ごとの株価の騰落率の推移のグラフ

AIブームの継続性に疑念 オープンAI関連株に下落圧力

10月以降のエヌビディアの株価の重荷になっているのはAIブームの継続性に対する疑念だ。エヌビディアの半導体を大量に購入するなどしてAIの開発やサービス提供能力の拡充を進めてきたアマゾン・コム(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)の株価は10月下旬の2025年7-9月決算発表後、巨額の設備投資負担が嫌気されて下落。また対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIによる大規模AIインフラ建設構想も、半導体を供給する側のエヌビディアにとっての追い風とされる一方、資金調達手法の不透明さは投資家の不安をかきたてた。この結果、エヌビディアやオラクル(ORCL)などオープンAIとの関わりが評価されてきた銘柄の株価には下落圧力がかかっている

エヌビディア、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アマゾン・コム、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

こうした中、エヌビディアの株価は12月17日には170.94ドルをつけ、10月29日の最高値(207.04ドル)から17.44%安となった。12月24日の終値ではこの下落幅の半分程度を回復しているものの、まだまだ完全復活とは言えなさそうだ。

エヌビディアは総収入と利益ともに急成長 財務の健全性も万全

ただ、エヌビディアの業績が堅調であることは間違いない。エヌビディアが11月19日に発表した8-10月期決算は総収入が前年同期比62.5%増、調整ベースの1株当たり利益(EPS)が60.5%増で、いずれもブルームバーグがまとめた市場予想を超える好決算だった。また大手ハイテク各社の巨額設備投資が収入源となっているエヌビディアは財務の健全性も万全だ。社債やリースを含めた長期債務残高は10月末段階で161.76億ドルで、直近12か月の営業利益(1101.21億ドル)に対する比率は0.15倍に過ぎない。長期債務の営業利益に対する比率はメタ、マイクロソフト、アマゾンでは0.89-2.14倍となっており、エヌビディアの財務の健全性が際立っている。

エヌビディアの長期債務残高と12か月の営業利益の推移のグラフ

株価には割安感も 予想PERは27倍まで低下

好業績の中で株価下落が進んだ結果、エヌビディアの株価には割安感も目立っている。ブルームバーグによると、エヌビディアの株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は27.0倍で、株価が最高値をつけていた10月29日段階の36.1倍から大きく低下した。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降のエヌビディアの予想株価収益率の平均は最高値当時とほぼ同じ36.4倍だ。

エヌビディアの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

中国向け輸出の再開に期待 ファン氏の1月5日の基調講演も注目点に

このためエヌビディアの株価は投資家心理が上向けば改めて上昇が加速する余地がありそうだ。特に米中関係悪化がエヌビディアの中国向け半導体輸出を難しくしてきた事態が改善に向かえば、投資家心理が明るくなり、成長加速の見通しが株価急騰につながる可能性がある。ドナルド・トランプ大統領は8日、エヌビディアの高性能半導体H200の中国向け輸出を認める方針を公表。ロイター通信は22日、エヌビディアが中国の顧客に2026年2月中旬からの春節休暇前にH200の出荷を始めることを目指していると伝えたと報じたが、現段階では中国の習近平政権からの認可は出ていないともしている。

エヌビディアの株価は中国市場をめぐる期待だけでも値上がりする可能性がある。ジェンスン・ファンCEOは2026年1月5日、ネバダ州ラスベガスで基調講演を行う予定で、ファン氏自身から好材料が提供されるとの見方が広がれば、クリスマス休暇明けの株価が最高値に向けて上昇する可能性もありそうだ。


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