日経平均、為替介入で急落リスクも 週次568円安 AIブームは一服?
日経平均株価は3週ぶり下落。AIブームの一服感も感じられる中、16日までの日銀決定会合が波乱の引き金を引く恐れもある。
日経平均株価が荒波にもまれた。日経平均の12日の終値は1週間前比568.08円安の6万6020.04円。11日には一時6万2000円台まで値下がりし、投資家心理の脆さを示した。一方、株式市場の波乱要因となっているイラン戦争をめぐっては和平実現への期待が高まり、株価にとっては好材料。また日経平均はこのところの値下がりで割高感が和らいだことから、再び6万7000円台へと上昇する展開も考えらえる。ただ、個別株の値動きをみると、人工知能(AI)関連株の上昇には一服感もあり、投資家の楽観に再び火がつくかどうかは不透明。またドル円相場には為替介入によって円高が急進する恐れもあり、日経平均にとっての急落リスクがくすぶっている。イラン和平の覚書への署名は14日にも行われる可能性があるが、依然として曲折も予想され、週明け15日以降の日経平均の値動きには様子見ムードが広がる展開も考えられそうだ。
日経平均株価は週次568円安 一時は6万2335.75円までの下落も
日経平均株価(N225)の12日の終値は前日比では1802.77円高。ブルームバーグによると、週次での下落(568.08円安)は、アメリカの半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の決算発表を前にしてAI関連株が大きく下落した5月11-15日週(1304.36円安)以来、4週ぶりだ。週初めの8日は、5日に米国で発表された5月雇用統計の過熱感を受けて、前週末比2563.52円安の急落。さらに米国がイランに対する軍事攻撃再開したと伝わった11日の取引時間中には6万2335.75円をつけ、6月3日の終値ベースでの最高値(6万8402.13円)から9%近い値下がりとなる場面もあったが、その後の反発で週次での下げ幅を大きく縮めた。
イラン和平に期待も 半導体株は値動きが分かれる
日経平均が12日に復調したのは前日とは対照的に、イラン和平が実現するとの期待が高まったためだ。米国のドナルド・トランプ大統領は11日、記者団に対してイランとの和平合意の覚書が週末にも欧州で署名されるとの見方を示し、投資家にとっての安心材料となった。米インターネットメディアのアクシオスの記者は12日、SNSのXへの投稿で、トランプ氏が署名は週末か月曜日になると考えていると述べた、と報じている。
12日までの個別株の値動きをみると、対話型AIサービスChatGPTに出資し、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)を子会社に持つソフトバンクグループ(9984)が週次12.85%安となり、日経平均を767円押し下げた。これとは逆に、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は週次14.38%高となって、日経平均を859円押し上げているほか、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)やメモリ半導体のキオクシアホールディングス(285A)も週次での値上がりで日経平均を下支えしており、AIブームへの期待の根強さを感じさせる。
日経平均の割高感には和らぎ 6万7000円台への上昇の見通しも
また日経平均をめぐる割高感はこれまでの値下がりで和らいだ面もある。ブルームバーグによると、日経平均の水準と構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PR)は12日段階で24.4倍。最高値をつけた3日段階の25.3倍との比較で、過熱感が弱まった。日経平均構成銘柄の予想1株当たり利益は12日段階で2701円で、予想PERが25倍まで戻ると仮定すれば、6万7500円までの値上がりが期待できるとの試算も成り立つ。
AI関連株の値上がりには一服感 TDKは週次14.77%安
ただ、個別株の値動きを詳しくみると、値上がりの一服感も感じられる。日経平均の12日までの週次の値上がりに貢献したアドバンテストの株価の12日の終値(2万7325円)は、4月27日につけた最高値との比較では13.25%安でかつての勢いは衰えている。また東京エレクトロンの株価上昇にはこれまでの出遅れを取り戻した側面もあり、2024年末比での上昇率がアドバンテストやソフトバンクグループに追いつく中、今後も値上がりが続くかどうかには不透明感もある。ブルームバーグによると、東京エレクトロンの予想株価収益率は12日段階で43.4倍で、株式市場でAIブームが本格化した2023年以降としての最高値(43.9倍=2024年3月6日)が近づいている。
為替介入で円高急進なら日経平均の急落も 週明けは警戒ムードか
また、週明け以降の日経平均の見通しをめぐっては、日本銀行が15、16日に開く金融政策決定会合が波乱要因になる可能性がある。金融市場で利上げ決定が確実視されている中、記者会見などで追加利上げへの慎重姿勢が感じられた場合には、円安進行が日本政府による為替介入を招き、かえって円高急進の引き金となる可能性があるからだ。為替介入に端を発した2024年7月上旬から8月上旬までの円高局面では、日経平均は4万2000円台から3万1000円台へと下落している。
イラン和平合意の実現をめぐっては、トランプ氏が日本時間14日午前1時台、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で署名が14日に行われ、直後からホルムズ海峡が開放されるとの見方を示した。ただ、イラン国営IRIBによると、イランのアッバス・アラグチ外相は覚書への署名が数日以内に行われる可能性があるとしつつも、最終的な判断は下されていないとしいている。IRIBは、テヘランなどでは米国との合意に反対する抗議活動が行われ、アラグチ氏を米国に融和的だとして批判する声も出ているとも報じている。このため合意の実現までには曲折も予想され、15日以降の日経平均の値動きには警戒ムードが強まる展開も考えられる。
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