米国株 週間見通し(4/6週):原油高再燃、S&P500にインフレリスク CPI警戒
IG証券アナリストによるS&P500の週間予想。イラン情勢混迷で原油高が再燃。来週はPCE価格指数・CPI・ミシガン期待インフレ率が集中する重要週。インフレリスクを警戒。米国500の想定レンジは6300-6700。
要点
- S&P500は6週ぶりに反発し下落相場が一服。しかし、強気相場転換の判断は時期尚早。トランプ米大統領がイラン攻撃継続を表明し4月6日のデッドラインは形骸化。イラン情勢の緊迫状態が続くとの見通しが強まり原油高が再燃している。来週(4/6~4/10 週)のS&P500も荒れ相場を警戒したい
- 来週は2月PCE価格指数(9日)、3月CPI(10日)、4月ミシガン大期待インフレ率速報値(10日)が重なる重要週。市場予想では3月CPIでインフレの粘着性が示される可能性がある。消費者のインフレ期待も高まれば、スタグフレーション懸念でS&P500の下落拡大を警戒
- S&P500の株価指数CFD「米国500」の週間想定レンジは6300-6700
S&P500は6週ぶり反発も強気相場の回帰はまだ先
今週(3/30~4/3週)のS&P500は6週ぶりの反発で終えた。NYダウとナスダック100も同じく6週ぶりに反発し、下落相場が一服した。しかし、米国株が強気相場へ転じると判断するのは早計だろう。
1日(日本時間2日午前)の演説でトランプ米大統領がイラン攻撃の継続を表明し、4月6日の”デッドライン”はすでに形骸化している。
トランプ大統領は2日に自身のSNSでイランの橋を攻撃したこと、そして発電所への攻撃を示唆した。一方、米メディアは3日、米軍F-15E戦闘機がイラン領内で撃墜されたと報じた。開戦以降、イラン国内で米軍機が失われ、米・イスラエルの制空権確保に疑問が出始めている。
イラン情勢が一段と緊迫化している状況を考えるならば、S&P500が強気相場へ回帰するのはまだ先となろう。
米株価指数 週次変化率:年初来
原油高再燃、ガソリン価格は高騰
来週も原油価格の動向を注視したい。今週、WTI原油先物価格(5月限)がブレンド原油先物価格(6月限)を上回る逆転現象が発生した。供給不足に対応するため、受渡期日の早い方を優先した動きと捉えることができる。
いずれの指標も期先の価格が期近の価格を下回るバックワーデーションにある。数か月のスパンでは、市場参加者が中東リスクの後退を意識していることがうかがえる。しかし、トランプ米大統領の演説で原油高が再燃している今の状況を考慮するならば、短期的には中東の混乱が続くことを想定しておきたい。
原油価格の動向:日足 年初来
原油高を受け、米国のガソリン価格が高騰している。全米のレギュラーガソリン平均価格は1ガロン4ドルを突破し、ロシアがウクライナに侵攻した2022年以来の5ドルが迫る。イラン戦争の長期化でガソリン価格がさらに高騰すれば、インフレリスクを高める。また、個人消費を冷え込ませる要因となろう。
全米ガソリン平均価格の動向:週足 2021年以降
物価指数の発表ラッシュ、インフレリスク警戒
来週は2月PCE価格指数(9日)、3月消費者物価指数(10日)そして4月ミシガン大学期待インフレ率速報値(10日)の発表が重なる。いずれも米連邦公開市場委員会(FOMC)の参加者と市場参加者が重視する物価指数だ。
ブルームバーグがまとめた市場予想では、3月CPIでインフレが再燃する見込みである。
米消費者物価指数(CPI)の動向:昨年2月以降
個人的に注目しているのが、消費者が抱くインフレ期待だ。4月の速報値であるがゆえに、前述のエネルギー価格の高騰が消費者心理に大きな影響を与えている可能性がある。 レポート掲載時点では、5-10年先の期待インフレ率が3月確報値3.2%から3.5%へ上昇する見込みだ。
ミシガン大学期待インフレ率の動向:昨年3月以降
3月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(前月比)がブルームバーグ予想(6.5万人増)を大幅に上回る17.8万人増だった。一方、失業率は4.4%から4.3%へ低下した。労働市場の堅調さを示す内容だったが、雇用増の大半は医療従事者のストライキが終結したことによる一時的な回復との見方がある。また、失業率の低下は、労働参加率の低下が要因と指摘されている。
雇用市場の先行き不透明感が高まる中、、今週の物価指数でインフレリスクを市場参加者に意識させる内容が続けば、スタグフレーション懸念がS&P500の重石となることが予想される。
一方、物価指数が予想外に下振れすれば、米国株の反発要因になり得る。だが、前述の通りイラン情勢は緊迫の度を増している。S&P500の株価指数CFD「米国500」は来週も変動拡大を警戒したい。注目のチャート水準を以下にまとめた。
米国500のチャート分析、週間想定レンジ6300-6700
想定レンジの下限:6300
米国500のトレンドを4時間足チャートで確認すると、ジリジリと上値の水準が切り下がり、短期レジスタンスが形成されている。
日足チャートでは、25日線がレジスタンスラインとなり、相場の反発を止めた。6600はレジスタンスラインに転換する兆しがある。RSIが50を下回り、ゴールデンクロスに転じながらも依然としてゼロラインを下回るMACDのトレンドも踏まえれば、株安の再燃を警戒したい。
下値トライのきっかけとなり得るのが、前述の物価指数だ。インフレの粘着性と消費者が抱くインフレ期待の高まりが確認される場合は、今週相場をサポートした6300を視野に、米国500の急落を警戒したい。
6300の再トライを見極める上で、まずはサポート転換の可能性がある6520、6480、6440の攻防に注目したい。特に6440はサポートラインに転換する可能性が高い(4時間足チャート参照)。この水準の下方ブレイクは、6300を目指すサインと捉えたい。
注目のチャート水準:サポート
・6520:サポート転換を意識
・6480:サポート転換を意識
・6440:サポート転換を意識
・6300:想定レンジの下限
想定レンジの上限:6700
来週の物価指数が予想外に下振れすれば、米国500のサポート要因になり得る。
トランプ米大統領の発言・SNS発信にも注目したい。イラン情勢を巡るその言動は二転三転している。前述の原油高再燃とガソリン価格高騰は、11月に中間選挙を控えるトランプ氏にとって致命的となる可能性がある。エネルギー価格の低下を目的にトランプ氏から中東リスクを和らげる発言があれば、米国500の急反発が予想される。
25日線と6600ドルの上方ブレイクは、反発拡大のサインとなろう。焦点は6700のトライだ。6718はフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。すぐ上の水準には50日線が低下している。6700を来週の上限と予想する。半値戻しの水準6640の上方ブレイクは、6700をトライするサインとなろう。
6700(50日線)を完全に上方ブレイクすれば、レジスタンスラインに転換する兆しがある6760を視野に上昇拡大を想定したい。
注目のチャート水準:レジスタンス
・6760:レジスタンス転換を意識
・6700:想定レンジの上限、61.8%戻し(6718)、50日線(6734)
・6640:半値戻し
・6600:レジスタンスライン
・6592:25日線
※移動平均線の水準:4/3時点
米国500 4時間足チャート:2月以降
米国500 日足チャート:1月下旬以降
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