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【IG米国株レポート】 株価が反発してもブルトラップを警戒したい

短期間で下落幅が拡大した米国株は、調整の反発相場を意識する状況にある。今週、そのきっかっけとして注目したいのが、大手ハイテク企業の決算である。しかし、中東リスクと米長期ゾーン利回りの上昇リスクが同時にくすぶる状況を考えるならば、株価が反発してもブルトラップ(強気の罠)を警戒しておきたい。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・短期間で下落幅が拡大した米国株は、調整の反発相場を意識する局面にある
・中東リスクと長期ゾーン利回りの上昇リスクが同時にくすぶり続けている
・企業決算などで株価が反発しても、ブルトラップ(強気のワナ)を警戒したい


S&P500種株価指数は短期的な反発を意識する局面に

調整の反発相場を意識する状況にあるが
米国株の投資で多くの機関投資家が運用のベンチマークとするS&P500種株価指数(SPX、以下S&P500)は先週、2.4%下落した。

50日線が抵抗ラインとして意識され、21日線をあっさりと下抜けたテクニカル面の状況も考えるならば、3月安値と7月高値の半値戻しの水準4,208レベルの維持が今週の下値の焦点となろう。

S&P500種株価指数のチャート:日足 年初来

S&P500種株価指数のチャート:日足 年初来 TradingView提供のチャートで作成

株価の反発要因は大手ハイテク企業の決算

上で述べたとおり、S&P500(SPX)は短期間で下落幅が拡大し、現在はテクニカルの面で重要な水準の攻防に差し掛かっている。この状況を考えるならば、S&P500は一度調整の買戻しが入る可能性がある。

そのきっかけとして今週注目したいのが、大手ハイテク企業の決算である。

今週24日にマイクロソフト(MSFT)とアルファベット(GOOGL)、25日にメタ・プラットフォームズ(META、以下メタ)、そして26日にアマゾン・ドットコム(AMZN)などの大手ハイテク企業が決算を発表する。

マイクロソフトは前四半期から減収減益が予想される一方、アルファベットとメタは増収増益の予想となっている。一方、アマゾンは増収減益の予想である。

各企業決算のアナリスト予想

各企業決算のアナリスト予想 ブルームバーグのデータをもとに作成 / カッコは前決算期の実績


テスラ株 下落のインパクト

テスラ(TSLA)は先週17日に発表した第3四半期(3Q)決算で、投資家の期待に応えられなかった。株価は先週、15.6%急落する展開となった。

テクニカルの面では、21日線と50日線でデッドクロスを形成しつつある。また、200日線や8月18日の安値212ドルの水準をも下方ブレイクする状況が見られた。

テスラの株価下落は、米国株全体の重石となった。ゆえに、今週の米国株のトレンドを左右する要因の一つとして、上で取り上げた大手ハイテク企業の決算に注目したい。

世界的に景気の先行きリスクが意識されている状況を考えるならば、売上高や一株利益(EPS)がアナリスト予想を上回るだけでなく、強気のガイダンス(収益見通し)が示されるかどうか?この点も重要な焦点となろう。

ガイダンスも含めて投資家の期待を上回る内容が続く場合は、米国株全体の押し上げ要因となろう。S&P500(SPX)は、上で述べた半値戻しの水準(4,208レベル)付近で、下落相場がひとまず一服することが予想される(上の日足チャートを参照、企業決算前にS&P500が半値戻しの水準4,208レベルを維持している場合)。

実際にS&P500が反発する場合は、上で述べた21日線(20日時点4,307レベル)のトライそしてブレイクが最初の焦点となろう(一番上の日足チャートを参照)。

一方、テスラと同じく投資家の期待を裏切る決算内容が続けば、S&P500は半値戻しの水準4,208レベルを完全に下方ブレイクし、さらなる下値トライを警戒する状況に陥ることが予想される。

テスラの株価チャート:日足 23年4月以降

テスラの株価チャート:日足 23年4月以降 TradingView提供のチャートで作成

株価の反発局面ではブルトラップを警戒

2つのリスク要因 その1:中東リスクと原油高
上で述べた大手ハイテク企業の他、今週は コカ・コーラ(KO)、スリーエム(MMM)、ボーイング(BA)そしてエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)など、米国を代表する大手企業の決算も予定されている。

上で述べた大手ハイテク企業の決算とともに投資家の期待を上回る内容が続けば、株価の反発要因となろう。

だが、実際に株価が反発しても、今はブルトラップ(強気の罠)を意識する状況にある。株価急落の要因となり得る2つのリスクがくすぶり続けているからだ。

その一つが、中東リスクである。イスラエル軍は22日、ヨルダン川西岸地区ジェニンの難民キャンプにあるモスクを空爆したと発表した。地上侵攻を指している可能性がある「次の段階」に備えた空爆であると表明していることも考えるならば、今週は中東情勢がさらに緊迫化する可能性がある。

中東リスクのさらなる緊迫化は、国際商品市況で原油先物価格の上昇要因となろう。

原油高は、世界的に「インフレが低下しないリスク」につながる。少なくとも市場参加者はこの点を意識しよう。今週、このリスクが強く意識される状況となれば、下で述べるもう一つのリスク要因も意識されることになろう。

なお、NY原油先物価格(WTI)は先週、21日線を上方ブレイクし、90ドルをトライする局面が見られた。週明けは反落スタートとなったが、中東情勢がさらに緊迫化する場合は、9月28日の高値95ドルの水準を視野に上昇幅の拡大を警戒しておきたい。

NY原油先物価格のチャート:日足 23年6月以降

NY原油先物価格のチャート:日足 23年6月以降 TradingView提供のチャートで作成


2つのリスク要因 その2:米長期ゾーン利回りの上昇リスク
もう一つのリスク要因とは、米長期ゾーン利回りの高止まり、およびさらなる上昇のリスクである。

年初からの米金利の動向を確認すると、9月の下旬までは2年債利回り、10年債利回りそして30年債利回りは同じトレンドにあった。

しかし、今年の9月下旬を境にして、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りと比較して、10年と30年の長期ゾーン利回りの上昇幅が拡大していることが分かる。

長期ゾーン利回りの変動要因のひとつに挙げられるのが、根強いインフレ圧力である。ゆえに現在の長期ゾーン利回りの動向は、インフレが低下しないリスクが米債市場で強く意識されていることを示唆している。

底堅さを維持する景気、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策の長期化観測、さらには長期国債の需要に対する不透明感が意識されている状況で、上で述べた原油高がさらに進行する場合は長期ゾーン利回りの高止まり、またはさらなる上昇の要因になり得る。

ゆえに、中東リスクがさらに緊迫化する場合は、金利上昇のリスクもセットで米国株の下落要因となることを意識しておきたい。

米金利のパフォーマンスチャート:日足 年初来

米金利のパフォーマンスチャート:日足 年初来 ブルームバーグのデータをもとに作成 / 基準日:22年12月30日

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