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米国株、AIブーム急停止 S&P500週次反落 エヌビディア6%安

S&P500は週次1.95%安。大手ハイテク株の下落が響いた。一方、割高感の和らぎやFRB利下げへの期待復活は好材料だが、投資家心理は暗い。

米国株、AIブーム急停止 S&P500週次反落 エヌビディア6%安 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で失速感が強まった。S&P500種株価指数の21日の終値は1週間前比1.95%安で2週ぶりの反落。好決算を発表した半導体大手NVIDIA(エヌビディア)も週次6%安に沈んだ。エヌビディアなど「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7社の株価は下落傾向が続いており、S&P500の牽引役が不在になった形だ。一方、マグニフィセント・セブンの株価は割高感が薄れており、反発の近さも感じさせる。また、21日の金融市場では、S&P500への追い風といえる米連邦準備制度理事会(FRB)の12月利下げへの期待も復活した。ただ、AIブームの継続性への疑念は晴れておらず、投資家心理の暗さは否めない。S&P500の今後の見通しをめぐっては、公表が再開されている経済指標の結果を受けて大きく揺れ動くことも想定される。

アメリカのS&P500は週次1.95%安 米中緊張時以来1か月半ぶり下落率

S&P500(SPX)の21日の終値は前日比では0.98%高の6602.99。前日の1.56%安から反発したが、依然として10月28日の最高値(6890.89)からは4.18%安という水準で、勢いは回復していない。ブルームバーグによると、週次での下落は 0.08%高だった前週を挟んで2週ぶりで、下落率(1.95%安)はレアアース輸出規制をめぐり米中関係が緊張した10月6-10日週(2.43%安)以来の大きさだ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

エヌビディアは好決算でも週次5.94%安 マグニフィセント・セブンの下落傾向継続

S&P500への影響度が大きいマグニフィセント・セブンの株価も不振だった。19日の取引時間終了後に2025年8-10月期決算を発表したエヌビディア(NVDA)は週次5.94%安。8-10月期の実績と11月-2026年1月期の見通しはいずれも市場予想を超える好決算で、19日の時間外取引では株価が上昇していたが、翌20日の株価は前日比3.15%安と失速した。このほか、マイクロソフト(MSFT)が週次7.46%安、アマゾン・コム(AMZN)が週次5.97%安となるなど、7社中の6社が値下がりしている。アルファベット(GOOGL)は18日に公表した新しいAIモデル「ジェミニ3」が高く評価され、株価は週次8.41%高となった。

エヌビディア、アルファベット、アップル、マイクロソフト、テスラ、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コムの株価の推移のグラフ

マグニフィセント・セブンの不調はBITA社が7社の株価に基づいて算出する「マグニフィセント・セブン指数」(MAGSEVEN)の値動きでも見て取れる。マグニフィセント・セブン指数の21日の終値は1723.93で、10月29日の最高値(1855.85)から7.11%安となった。マグニフィセント・セブンの株価はこれまでAIブームを背景にした値上がりでS&P500を牽引してきたが、このところはマイクロソフトなど大規模クラウド事業者による巨額の設備投資負担への不安が拡大。また対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIの巨額設備投資構想については、資金調達手段の不透明さといった懸念も根強い。

マグニフィセント・セブン指数の推移のグラフ

マグニフィセント・セブンの株価の割高感和らぐ エヌビディアの予想PERは26倍

一方、マグニフィセント・セブンの株価には割高感の和らぎという好材料も浮上してきた。ブルームバーグによると、エヌビディアの株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は21日段階で26.0倍。1週間前の29.9倍から大きく低下し、S&P500の予想株価収益率(22.3倍)に近づいてきた。各社の予想株価収益率は183倍という異例の高さにあるテスラ(TSLA)と、アップル(AAPL)を除けば30倍未満に収まっており、反発が意識されるタイミングが近づいているともいえそうだ。

大手ハイテク企業の予想PERの推移のグラフ

12月利下げ確率は75%まで上昇 ニューヨーク連銀総裁が労働市場の弱さ指摘

またS&P500にはFRBの12月利下げという追い風への期待もつながっている。ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は21日、チリでの講演で、政策金利の水準について、経済活動に中立的な水準へと「近いうちに修正する」余地があると述べた。ブルームバーグによると、21日の金融市場で見込まれる12月9、10日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.710%となり、前日から0.075%ポイント低下。利下げ確率は75%まで高まった。

FRBの政策金利の水準の見通しの推移のグラフ

ウィリアムズ氏は追加利下げを見据える背景として「雇用が下振れするリスクは労働市場が冷え込むにつれて上昇している」と述べている。20日に公表された9月雇用統計は非農業部門の就業者数の伸びが市場予想を超える一方、失業率が4.4%まで上昇していたことも念頭にあるもようだ。

アメリカの雇用統計の推移のグラフ

投資家の不安心理は高止まりしたまま PPIや小売売上高でS&P500に下落圧力も

ただ、AIブームの継続性への不安は依然として大きく、投資家心理は依然として重苦しい。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の21日の終値は23.43。前日からは11.32%低下したものの、5営業日連続で20の大台を超えてる。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIX指数とS&P500の推移のグラフ

S&P500の今後の見通しをめぐっては、政府機関一部閉鎖を終えて公表が再開されている経済指標が材料視される可能性がある。25日午前8時30分(日本時間25日午後10時30分)には、9月の卸売物価指数(PPI)と小売売上高が発表される予定。物価上昇圧力や消費の強さが意識されれば、FRBの利下げへの期待が後退し、S&P500が下落する筋書きも考えられそうだ。


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