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米国株、ハイテク株低迷3カ月超 S&P500不安高まる 負債急拡大

大手ハイテク7社のうち6社は10月末から株価が下落。VIX指数は米国株式市場が休場だった16日も上昇しており、17日の値動きへの不安は強い。

米国株、ハイテク株低迷3カ月超 S&P500不安高まる 負債急拡大 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で大手ハイテク株の低迷が長期化している。大手ハイテク7社の値動きを示す「マグニフィセント・セブン指数」は10月下旬の最高値から足元までに10%超下落。S&P500種株価指数が3カ月以上にわたって不振から抜け出せない要因となっている。各社の決算発表は2四半期連続で株価上昇に火をつけられず、7社中6社の株価は10月末との比較で値下がりしている。人工知能(AI)関連の設備投資の積み増しで長期負債が急拡大していることが嫌気されており、これまで株価が好調だったアルファベットをめぐる投資家心理も変化しているようだ。一方、米国の実体経済は堅調さを維持しており、大手ハイテク株が復活すれば、S&P500の強さが戻る可能性がある。ただ、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は米国株式市場が休場だった16日も上昇しており、S&P500の急落への不安は高まっている。

マグニフィセント・セブン指数は10月下旬から10%超安 S&P500不振の要因

マグニフィセント・セブンの7社の株価不振は3カ月超に及んでいる。BITA社が7社の株価に基づいて算出するマグニフィセント・セブン指数(MAGSEVEN)の13日の終値は10月29日につけた最高値との比較で10.12%安。最高値当日の取引時間終了後に行われた、メタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)の2025年7-9月期決算発表で設備投資額の伸び率が加速する見通しが示されたことが低迷のきっかけとなった。時価総額が大きい7社の不振は、S&P500が2月13日終値段階で、10月29日比0.79%安と低迷する要因となっている。

マグニフィセント・セブン指数とS&P500の推移のグラフ

マイクロソフトは10月末から22.50%安 アマゾン・コムも18.60%安

大手ハイテク各社は直近の10-12月期決算発表でも株価上昇に火をつけられなかった。7社の株価の13日終値を10月末と比較すると、アルファベット(GOOGL)を除く6社が値下がり。なかでもマイクロソフトは22.50%安、アマゾン・コム(AMZN)は18.60%安と不振が極まっている。唯一株価が値上がりしているアルファベットも、13日終値は決算発表2日前の2月2日につけた最高値との比較で11.05%安となっており、投資家心理が冷え込んでいる。

アルファベット、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、テスラ、アップル、マイクロソフトの株価の推移のグラフ

アマゾンなどの財務に懸念 アルファベットは2月に長期債務が275億ドル増加か

大手ハイテク株の不振の背景にあるのは財務状況に対する懸念だ。アマゾン・コムは長期債務残高が12月末段階で1890億ドルとなり、9月末から258億ドル増加。11月に150億ドルの社債を発行したことなどが影響した。9月末から12月末にかけては、メタ・プラットフォームズも300億ドルの社債を発行し、長期債務残高が341億ドル増加している。マイクロソフトも長期債務の上昇が続いており、12月末の残高(1444億ドル)は2年前の1.3倍に膨らんでいる。

アマゾン、メタ、マイクロソフト、アルファベットの長期債務の推移のグラフ

またアルファベットをめぐる投資家心理の変化の背景にもAI関連投資の重さがある。アルファベットは11月にドル建て社債(175億ドル)とユーロ建て社債(65億ユーロ)を発行し、12月末の長期債務残高は9月末比で272億ドル増加。アルファベットはさらに、2月に入ってから新たに200億ドルの社債と、55億ポンドの社債を発行している。単純計算すれば、アルファベットの3月末段階での長期債務残高は12月末からさらに275億ドル増える形だ。2月発行の社債のうち10億ポンド分は償還期限が2126年に設定された100年債で、アルファベットの信用力の高さを感じさせるが、青天井にもみえる長期負債の増加は投資家にとっての懸念材料であることは間違いない。

米国経済は堅調 FRBの利下げ見通しもS&P500の追い風

一方、こうした大手ハイテク株の不振にも関わらずS&P500が急落を回避してきた背景には米国経済の底堅さがある。1月の消費者物価指数(CPI)で物価上昇の過熱感がみられなかったことや、1月雇用統計で労働市場の堅調さが示されたことは、米国経済の信頼性を高めるS&P500にとっての好材料だ。半面、1月雇用統計の発表に際しては、2025年の就業者数の増加幅が40.3万人分下方修正されているが、米連邦準備制度理事会(FRB)が労働市場を下支えするために追加利下げを決め、S&P500の追い風になるシナリオへの期待もある。

実際、S&Pグローバルが公表している時価総額を考慮せずに算出したS&P500の13日の終値は10月末比で7.87%高。S&P500本体の0.06%安を大きく上回る成績で、時価総額が大きい大手ハイテク株が復活すれば、S&P500に勢いが戻る可能性もある。

S&P500と時価総額を考慮しないS&P500の値動きのグラフ

VIX指数は16日も上昇で3営業日連続で20超え S&P500急落への懸念強まる

ただ、米国の株式市場に対する投資家心理が悪化していることは明らかだ。シカゴ・オプション取引所によると、VIX指数(VIX)の16日の終値は前週末よりも2.91%高い21.20。3営業日連続で20を超える高水準となった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。米国は16日がプレジデンツ・デーの休日にあたり、株式市場は休場だったが、投資家は17日以降の株式市場でS&P500が急落することへの懸念を強めているといえそうだ。

VIXとS&P500の推移のグラフ

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