コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

【米国株】マグニフィセント7が支える反発相場、来週山場を迎えるハイテク決算、30日にメタ、S&P500来週の見通し

来週は大手ハイテク企業の決算が山場を迎える。30日にメタ・プラットフォームズが第1四半期の決算を発表する。関税報道とともにS&P500の変動要因として注目したい。

rce: Adobe images rce: Adobe images

記事のサマリー

米中の貿易摩擦が緩和の方向に向かうとの期待感が米国株を下支えしている。主力ハイテク株の買い戻しが今の反発相場を下支えしている。来週は大手ハイテク企業の決算が山場を迎える。30日にメタ・プラットフォームズが第1四半期の決算を発表する。米中対立の懸念が後退するなかで好決算となれば、米国株の下支え要因になり得る。他のハイテク株の買いも促す場合、来週のS&P500は5,700ポイントを視野にさらなる上昇が期待できる。一方、米中通商交渉の不透明感やさえないハイテク決算が続けば、S&P500は5,100ポイントの維持が焦点となろう。


米中貿易摩擦の懸念後退、マグニフィセントセブンが反発相場を下支え

米国市場と米ドル相場は、トランプ政権の要人発言に右往左往している。トランプ米大統領が中銀の独立性を脅かす発言をしたことを受け、21日の市場では株安・債券安・米ドル安のトリプル安-「米国売り」となった。しかし、22日以降は「米国売り」が一転し、外為市場では米ドルを買い戻す局面が見られる。米10年債利回りの上昇は一服している。米株式市場では主要指数が続伸している。ダウ平均は24日の市場で、節目の4万ドルを回復した。

S&P500のセクター別パフォーマンスを確認すると、テスラ(TSLA)やアマゾン・ドットコム(AMZN)が属する一般消費財、アルファベット(GOOGL)とメタ・プラットフォームズ(META)が属するコミュニケーション・サービス、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)そしてエヌビディア(NVDA)が属する情報技術の各セクターが今の反発相場を下支えしていることが分かる。

S&P500 セクター別パフォーマンス:4月21~24日

S&P500 セクター別パフォーマンス:4月21~24日

出所:TradingView

すべての銘柄がS&P500の上昇率(3.8%)を上回っている状況を考えるならば、マグニフィセントセブンの買い戻しが反発相場を下支えしているとも言える。

マグニフィセントセブンのパフォーマンス:4月21~24日

マグニフィセントセブンのパフォーマンス:4月21~24日

ブルームバーグのデータで筆者が作成


メタ・プラットフォームズ、来週30日に第1四半期決算、焦点と株価の見通し

アルファベット増収増益、広告収益とクラウド利益が堅調
24日の引け後にグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL)が2025年1〜3月期(第1四半期/ 1Q)決算を発表した。ネット広告事業の売上高が前年同期比8.5%増の668億8500万ドルと、ブルームバーグの予想663億ドルを上回った。ネット広告に続く柱として期待されているクラウド事業の営業利益は21億7700万ドルと、ブルームバーグ予想の19億4000万ドルを上回り、前年同期比で約2.4倍となった。売上高は前年同期比12%増の902億3400万ドル、純利益は同比46%増の345億4000万ドルで、8四半期連続の増収増益となった。株価は時間外で上昇した。

メタの1Q決算、3つの焦点
アルファベット以上に広告収益の依存度が高いメタ・プラットフォームズ(META)が来週30日、2025年1-3月期(第1四半期/1Q)決算を発表する。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、売上高は前年同期比14.54%増の413億7800万ドル、1株利益(EPS)は同比22.79%増の5.27ドルにある。

メタの売上高と1株利益の推移:2022年以降

メタの売上高と1株利益の推移:2022年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフ:1Qのアナリスト予想

決算の焦点は3つー①業績見通し、②広告収益の伸び、③最新版のAIモデル「Llama(ラマ)4」モデルの収益化となろう。

まずは、第2四半期(2Q)の売上高と1株利益で堅調な見通しが示されるかどうか?この点に注目したい。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、2Qの売上高は前年同期比15.13%増の441億3600万ドル、1株利益は同比21.10%増の5.72ドルが見込まれている。

メタ 2Qのアナリスト予想
・売上高 :441億3600万ドル(前年同期比15.13%増)
・1株利益:5.72ドル(前年同期比21.10%増)
・広告収益:435億5800万ドル(前年同期比15.74%増)
※アナリスト予想:ブルームバーグより

業績見通しは、同社収益の9割を占める広告収益の影響を受けるだろう。また、巨額の設備投資額に対する投資家の思惑も左右するだろう。1Qは前年同期比14.01%増の405億6600万ドルが見込まれている。2Qは同比15.74%増の435億5800万ドルの予想にある。

中国との貿易戦争が激化している影響で、中国の大手広告主が撤退している可能性がある。メタは2025年の設備投資が前年から約6割増の600億〜650億ドルになる見通しを示している。堅調な広告収益の伸びが示される場合は、巨額のAIインフラ投資の成果に対する投資家の期待をつなぎとめる要因となろう。逆に見通しも含め広告収益の伸びが予想外に下振れする場合は同社の成長性と設備投資に対する懸念を強める要因になり得る。前者のケースでは株高、後者のケースでは株安を想定したい。

メタ広告収益の推移:2022年以降

メタ広告収益の推移:2022年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフ:1Qのアナリスト予想

最新版のAIモデル「Llama(ラマ)4」モデルの収益化に関する経営陣のコメントも株価の変動要因になり得る。前回の決算では、会見でマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がAI事業について楽観的な見通しを示したことが好感され株価が上昇した。


メタ株価の見通し
メタ・プラットフォームズ(META)の株価は現在、右肩下がりのトレンドチャネル内にある。MACDはゴールデンクロスへ転じているが、ゼロラインを下回る状況にあることを考えるならば、株価は弱気地合いにある。

目先は、20日線(24日時点で538ドル)とフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準541ドルの攻防が焦点となろう。今日以降、これらテクニカルラインを完全に突破する場合は、トレンドチャネルの上方ブレイクとさらなる上値のトライを想定したい。

540ドルの水準がサポートラインへ転換する場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準579ドルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。このテクニカルラインをも突破すれば、節目の600ドルが視野に入ろう。テクニカルの面では50日線(24日時点で602ドル)の攻防が焦点となろう。

1Q決算と業績見通しが投資家の期待を下回る場合、株価は再び500ドルを割ることが予想される。このケースでは、21日の安値479ドルのトライと下方ブレイクを警戒したい。株価が479ドルをも下抜ける場合は、昨年の8月5日安値450ドルおよび7月25日安値442ドルのトライが視野に入ろう。

メタの株価:今年2月以降

メタの株価:今年2月以降

出所:TradingView


S&P500 来週の見通しとテクニカルライン

半値戻しの攻防と5,700ポイントのトライ
今週、決算をこなしたテスラ(TSLA)とアルファベット(GOOGL)の株価が上昇している。メタ・プラットフォームズ(META)の決算も株高の要因となればその影響は他の銘柄にも波及し、来週もマグニフィセントセブンが米国株を下支えする状況が予想される。時価総額の大きいマグニフィセントセブンの動向は、S&P500(時価総額加重平均の指数)の変動要因となろう。

S&P500のトレンドを日足チャートで確認すると、重要な分岐点5,500ポイントの攻防にある。この水準は、テクニカルの面で半値戻しにあたる。レジスタンスラインへ転換する兆しが見られる5,500ポイントだが、IG証券の株価指数CFD「米国500種株価指数」では、今日の日本時間に上方ブレイクする状況にある(4時間足を参照)。

来週、米中交渉に関する報道とハイテク企業の決算が株高の要因となり、日足の一目転換線が基準線を上抜け、かつゴールデンクロスへ転じているMACDがゼロラインを突破すれば、テクニカルの面で弱気地合いのさらなる後退を市場参加者に意識させよう。

S&P500が5,500ポイントを上方ブレイクし、かつこの水準をしっかりと維持する場合は、5,700ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい。特に注目したいのが、トランプ米大統領が相互関税を発表した時の高値5,728ポイントの攻防である(4時間足を参照)。テクニカルの面では、一目雲の下限をトライすることになる(日足チャートを参照)。5,728ポイントの上方ブレイクと雲の下限の突破は、トランプ関税リスクの混乱相場がひとまず終息するサインになり得る。

レジスタンスライン
・5,728:相互関税発表時の高値、雲の下限(4時間足、日足)
・5,700:レジスタンスライン
・5,646:61.8%戻し(日足)
・5,600:レジスタンスライン
・5,500:半値戻し、76.4%戻し(日足、4時間足)

5,100ポイントの維持が焦点に
米中の貿易摩擦に対する懸念が一時的に後退している。来週もこの状況が続くかどうか?は、新たな報道次第となろう。米国と通商交渉を行うとの見方を中国側が否定したとの報道がある(ブルームバーグ)。米中対立が意識される場合、S&P500は再び下値をトライすることが予想される。メタ・プラットフォームズ(META)を含めハイテク決算が株安の要因となれば、21日に相場を下支えした5,100ポイントの維持が焦点となろう。この水準は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(5,091ポイント、4時間足を参照)。

S&P500が5,100ポイントをトライするサインとして、サポート転換の可能性がある5,450ポイント、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準5,340ポイント、そしてサポートラインへ転換する可能性のある5,200ポイントの攻防に注目したい。いずれも4時間足チャートを参照。

サポートライン:4時間足
・5,450:サポート転換の可能性あり
・5,340:23.6%戻し
・5,200:サポートライン
・5,091:61.8%戻し


S&P500のチャート

日足 今年2月の下旬以降

S&P500のチャート:日足 今年2月の下旬以降

出所:TradingView

米国500のチャート

4時間足:4月以降

米国500のチャート 4時間足:4月以降

出所:IGチャート


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

米国株分析レポート

米国株を取引する際に知っておきたい情報はこちら。米国株式市場に影響を与えるニュースからトレンド分析まで、IG証券のマーケットアナリストが解説します。

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。