米国株、エヌビディア決算が重荷 S&P500先物下落 最高値に冷や水
S&P500の先物価格は28日の取引で下落基調。エヌビディアの業績見通しが期待に応えられなかったためだが、大崩れには至っていない。

アメリカの株式市場で、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の決算発表が重荷になりそうだ。S&P500種株価指数に関連づけられた先物商品は日本時間28日の取引で下落基調。早朝に発表されたエヌビディアの2025年5-7月期決算発表の内容が予想の範囲内に収まったことが投資家心理を冷やしたためだ。エヌビディアの業績は中国向け輸出をめぐる見通しの悪さが不安要素になっており、株価上昇の勢いが削がれている。S&P500は決算発表直前につけた27日終値では最高値を更新していたが、楽観ムードに冷や水がかかった形だ。一方、エヌビディア以外の大手ハイテク企業の株価は27日の時間外取引でも大崩れには至っておらず、人工知能(AI)ブームが各社の業績を後押しするとの期待は消えていない。ただ、米国経済をめぐっては労働市場の悪化と物価上昇圧力という懸念材料が残っており、29日に発表される物価指標が上振れればS&P500が値下がりするシナリオも考えられそうだ。
S&P500の先物価格は一時5%超安 エヌビディアの業績見通しが重荷
S&P500の先物価格は日本時間28日午前12時59分段階でニューヨーク株式市場の取引が終わった午前5時段階とほぼ同じ水準。午前5時20分ごろには0.5%超安の値下がりとなる場面もあり、下落圧力がかかっているとえいる。

S&P500の先物価格を下落させたのはエヌビディアがニューヨーク市場の取引時間終了後に行った5-7月期決算発表だ。エヌビディアはこの中で、8-10月期の総収入が540億ドルになるとの見通しを示し、金融市場では予想の範囲内の冴えない数字と受け止められた。ドナルド・トランプ政権による中国向け半導体輸出への規制がエヌビディアの業績の足かせとなっており、エヌビディアの株価(NVDA)は27日の時間外取引で直前の終値から3%安程度で推移した。
アメリカのS&P500は27日に約2週間ぶり最高値 エヌビディアの悪影響は限定的か
エヌビディアはAIに用いられる最先端高性能半導体の供給源で、株式市場でのAIブームを牽引してきた。27日の株式市場ではエヌビディアの好決算への期待からS&P500(SPX)の終値が前日比0.24%高の6481.40をつけ、14日(6468.54)以来、約2週間ぶりに最高値を更新していたが、冷や水がかかったとえいそうだ。

一方、エヌビディア決算がもたらしたショックは限定的ともいえる。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるエヌビディアを含む大手ハイテク7社のうち、アップル(AAPL)など4社は27日の時間外取引で小幅ながらも株価が上昇しているからだ。エヌビディアの2024年11月-2025年1月期決算発表が市場の期待に応えられなかった際には、発表翌日の2月27日にエヌビディアの株価が前日比8.48%安になるなどしてS&P500の1.59%安につながったが、今回の決算発表でこうした急落が再現される可能性は低そうだ。AIサービスを展開するマイクロソフト(MSFT)などは巨額の設備投資をさらに積み増す考えで、株式市場ではAIブーム継続への期待は根強い。

米国の実体経済への不安は継続 利下げ見通しはじわじわと拡大
ただ、米国の実体経済をめぐっては労働市場悪化と物価上昇再燃が同時に進む最悪のシナリオへの懸念はくすぶりつづけている。ジェローム・パウエル議長は22日のワイオミング州ジャクソン・ホールでの講演で労働市場をめぐる下振れリスクが増していると指摘。同時にトランプ大統領の高関税政策が短期的には物価上昇圧力として働いていることを認めている。
労働市場をめぐる不安にも関わらず、S&P500が最高値付近を維持できているのはFRBの利下げへの期待があるためだ。ブルームバーグによると、27日時点の金融市場で見込まれる9月16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は4.107%で、パウエル氏の講演前日段階での4.148%からじわじわと低下してきている。しかし物価上昇の根強さがみられる中では、FRBは利下げを決断することで物価上昇を再燃させるリスクを冒すことになり、足元の金融市場では1年前のような0.5%幅での利下げは想定されていない。

29日にPCE物価指数発表 伸び率が上振れればS&P500に逆風か
こうした中、投資家の間では、29日午前8時30分(日本時間29日午後9時30分)に発表される7月の個人消費支出(PCE)物価指数に注目が集まる。ブルームバーグがまとめた事前予想では、総合指数の伸び率は前年同月比2.6%となり、前月(6月)から横ばい。食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は2.9%となり、前月(2.8%)よりも高くなる見通しだ。市場予想はパウエル氏が22日の講演で示した予想と同水準だが、結果が上振れた場合には金融市場でFRBの利下げへの期待が後退し、S&P500への下落圧力が増すことも想定される。

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