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アマゾン、株価不振に拍車も 30日決算 クラウド成長加速が急務

アマゾンの7-9月期決算はクラウド事業の成長率が焦点。ライバルに見劣りすれば、小売り事業の不安とともに株価下落に拍車をかける要因となる。

アマゾン、株価不振に拍車も 30日決算 クラウド成長加速が急務 出所:ブルームバーグ

アマゾン・コムが30日の取引時間終了後に発表する2025年7-9月期決算は、人工知能(AI)サービスの提供基盤となるクラウド事業の成長率に注目が集まりそうだ。アマゾンの前四半期(4-6月期)決算は、クラウド事業の成長率がライバルに見劣りする数字。結果としてアマゾンの株価の足元までの値動きは、大手ハイテク株の中で最も悪い成績となっている。このため今回の決算発表でも再びライバルに差をつけられれば、AIブームの波に乗り損なっているとの印象が強まりそうだ。また、アマゾンは主力の小売関連事業でも成長率の鈍化が見込まれており、悪材料の積み重なりが株価の不振に拍車をかける筋書きも想定される。ただ、アマゾンの株価は割安感が強まっていることから、アンディー・ジャシーCEOの情報発信次第で株価が上向く可能性も残されている。

アマゾンの2025年7-9月期決算は総収入と利益の成長が減速する見通し

アマゾンはアメリカ東部時間30日午後5時(日本時間31日午前6時)から決算会見を開く。ブルームバーグによると、アマゾンの7-9月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比11.9%増の1777.35億ドルになる見通し。1株当たり利益(EPS)は10.5%増の1.58ドルと見込まれている。予想通りになれば、総収入は前四半期の13.3%増から成長が減速し、1株当たり利益も前四半期(33.3%増)から伸び率が縮まる。アマゾンは直近22回の四半期決算のうち6回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では5回で市場予想をクリアできなかった。

アマゾンの業績の推移のグラフ

アマゾンの株価は前回決算から6.90%安 大手ハイテク株の中で不振際立つ

アマゾンの株価(AMZN)の22日の終値は217.95ドルで、前回の決算発表があった7月31日の終値との比較で6.90%安となっている。マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の中で、直近の決算発表日から足元までに株価が下落しているのは、決算期が異なる半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)を除けば、アマゾンだけだ。2024年末比では0.66%安で、7社の中で最も悪い結果となっている。

アマゾンの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は22日段階で24倍程度。前回決算発表時の28倍程度から割高感が薄れている。アナリストが提示する目標株価の平均は266ドル程度で、現状よりも22%ほど高い。83人のアナリストのうち79人は買い、4人は維持を勧めている。

クラウド事業の成長率がライバルに見劣り 競争激化で印象悪化も

アマゾンの株価が不振に陥った要因はクラウド事業の成長力への不安だ。アマゾンは4-6月期、クラウド事業の収入が前年同期比17.5%増の308.73億ドルとなり、1-3月期から成長が加速。しかしすでに決算を発表していたアルファベット(GOOGL)のクラウド事業の伸び率が31.7%増だったことや、マイクロソフト(MSFT)のクラウド事業の伸び率が25.6%増だったことから、アマゾンの成長は見劣りすると受け止められた

アマゾンのクラウド事業の収入の推移のグラフ

クラウド事業をめぐってはその後、競争がさらに過熱。9月10日には対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIがオラクルのクラウドサービスに5年間で3000億ドルを支払うと報じられている。こうした中、ブルームバーグのまとめによると、アマゾンのクラウド事業の収入は7-9月期に18.0%増になると見込まれているが、やはり約30%増が予想されているアルファベットのクラウド事業や、約25%増が予想されているマイクロソフトのクラウド事業に劣後する可能性がある。このため3社が今後、実際に発表する結果次第で、アマゾンのクラウドサービスが顧客から支持されていないとの印象が強まるおそれがある。

大手ハイテク3社のクラウド事業の収入の推移のグラフ

小売り事業も不振で株価下落に拍車か 割安感の強まりは希望の光に

またアマゾンは総収入の6割以上を稼ぎ出す小売り関連事業での成長鈍化も見込まれている。ブルームバーグによると、金融市場では7-9月の小売関連事業の収入は前年同期比9.5%増の1144.60億ドルと予想されており、前四半期(11.0%増)よりも伸び率が低くなりそうだ。小売り事業は前四半期、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策という逆風にも関わらず成長が加速したが、米国経済をめぐっては労働市場の悪化や物価上昇の加速といった悪材料も続いており、消費が下押しされるとの懸念もくすぶっている。クラウド事業と小売り事業というアマゾンの2本柱が不振とみなされれば、株価にかかる下落圧力は増しそうだ。

アマゾンの小売関連事業の収入の推移のグラフ

一方、ブルームバーグのデータによると、アマゾンの株価の予想PERの水準はトランプ氏による相互関税発表で市場が混乱した4月上旬を除けば、リーマン・ショックがあった2008年以来、約17年ぶりの低さ。アマゾンの株価低迷に底打ちのタイミングが近づいているとみることもできそうだ。ジャシー氏は前回決算会見でAI需要を背景としたクラウド事業の市場拡大は始まったばかりだとして今後の成長に自信をみせていた。ジャシー氏が今回の決算発表で、ライバルに負けない成長を続けられるとの期待をつなぐメッセージを打ち出せれば、株価の不振に歯止めがかかる可能性もありそうだ。


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