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アマゾン、AIレースで失速? 決算に失望感 設備投資負担も重荷に

アマゾンの4-6月期決算はクラウド事業の伸びがライバルに見劣りする結果。挽回できなければ、株価上昇ペースでも差がつく可能性がある。

アマゾン、AIレースで失速? 決算に失望感 設備投資負担も重荷に 出所:ブルームバーグ

アマゾン・コムの人工知能(AI)サービスの成長力に疑問符が付き始めた。アマゾンが7月31日に発表した2025年4-6月期決算は、総収入と1株当たり利益が市場予想を超える好決算。しかしAIサービスの提供基盤となるクラウド事業の成長のペースは、ライバルにあたるマイクロソフトやアルファベットよりも見劣りする結果だった。またアマゾンが示した7-9月期の業績予想は投資家の期待に応えられず、株価の下落を招いている。一方では、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策という逆風に直面する小売関連事業が好調を維持しているものの、先行きの不透明感は否めない。アマゾンの株価の今後の見通しをめぐっては、クラウド事業での成長力を示せるまでは、下押し圧力の強さが意識される可能性がありそうだ。

アマゾンの2025年4-6月期決算は総収入と1株当たり利益が市場予想を超える結果

アマゾンの4-6月期決算は総収入が前年同期比13.3%増の1677.02億ドルで、伸び率は前四半期(1-3月期)の8.6%増から加速。1株当たり利益は33.3%増の1.68ドルで、こちらは前四半期(62.2%増)から成長が鈍化した。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が1621億ドル、1株当たり利益が1.33ドル。発表された結果は総収入と1株当たり利益の両方が市場予想を超える好決算だった。

アマゾンの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

クラウド事業の収入は17.5%増 アルファベットやマイクロソフトに見劣り

しかし決算発表ではクラウド事業の伸び率が悪材料視された。4-6月期のクラウド事業の収入は前年同期比17.5%増の308.73億ドル。1-3月期の16.9%から成長が加速したものの、先に4-6月期決算を発表していたアルファベットのクラウド事業の収入が31.7%増、マイクロソフトのクラウド事業が25.6%増となっていたこととの比較では力不足とみなされた。ブライアン・オルサブスキーCFOは31日の決算会見で、クラウド事業の受注残は「6月末時点で1950億ドル」と明かしたが、こちらもマイクロソフトの受注残が3680億ドルに達していたことと比べれば、見劣りする状況だ。

アマゾン、マイクロソフト、アルファベットのクラウド事業の収入の推移のグラフ

またアマゾンが31日に示した7-9月期の業績見通しも投資家を満足させられなかった。総収入見通しの1740億-1795億ドルは中間値(1767.50億ドル)でみれば前年同期比11.3%増にあたり、4-6月期から成長が減速する形。また営業利益は155億-205億ドル(中間値180億ドル)とされ、ブルームバーグがまとめた市場予想の194億ドルを下回った。

設備投資は年間約1200億ドルの見通しか 株価は決算発表後に低迷

総収入や利益の成長が勢いづかなければ、設備投資負担の大きさも悪材料となる。オルサブスキー氏は決算会見で、4-6月期の設備投資額が314億ドルだったとしたうえで、この数字は「2025年後半の設備投資額を合理的に反映している」と説明した。年後半の2四半期も4-6月期と同水準の設備投資額になれば通年では1185億ドル程度となり、2月段階で想定されていた1052億ドル程度から見通しが上方修正されたことになる

アマゾンの設備投資額の推移のグラフ

こうした決算発表を受け、アマゾンの株価(AMZN)は翌8月1日に前日比8.27%安の214.75ドルまで急落。6日終値段階では222.31ドルまで盛り返しているものの、引き続き、決算発表当日終値との比較では5.04%安と不振にあえいでいる。アルファベット(GOOGL)やマイクロソフト(MSFT)が決算発表から足元までに2-3%高となっている値動きとは対照的だ。

小売関連事業は堅実に成長 クラウド事業の成長加速が株価上昇の焦点

一方、アマゾンの主力事業である小売関連事業は堅実さを発揮している。4-6月期の小売関連事業の収入は前年同期比11.0%増で、年末商戦が好調だった2023年10-12月期(12.7%増)以来の高い伸び率。アンディ・ジャシーCEOはトランプ関税の影響について、「需要の減少や有意な価格の上昇はみられない」と述べた。アマゾンは7月中旬の「プライムデー」のセールについて「過去最大の実績だった」としており、7-9月の小売関連事業についても自信を示している。

アマゾンの小売関連事業の収入の推移のグラフ

ただ、トランプ氏の高関税政策の見通しは依然不透明。特にアマゾンの小売事業で多く扱われている中国製品への関税の着地点ははっきりしておらず、ジャシー氏も高関税の影響について「誰にも分からない」としている。またジャシー氏は、クラウド事業について、AI需要を背景とした市場拡大は「初期段階にある」として成長の余地が大きく残されていると強調しているが、初期段階での成長でライバルに対して出遅れれば、長期的な成長にも悪影響が及ぶおそれがある。アマゾンは今後の決算発表でクラウド事業の成長を加速させられなければ、株価の上昇ペースでもライバルに差をつけられる可能性がありそうだ。


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