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アマゾン、利益成長が急減速の見通し 5日決算 株価下落の懸念も

アマゾンの2025年10-12月期決算はクラウド事業の成長が加速する見通し。同時に利益の成長は急減速する見通しで株価の下落も考えられる。

アマゾン、利益成長が急減速の見通し 5日決算 株価下落の懸念も 出所:Adobe Images

アマゾン・コムが2月5日に発表する2025年10-12月期決算は投資家の不満を招く可能性がある。アマゾンの10-12月期決算は人工知能(AI)サービスの提供基盤となるクラウド事業の成長が加速する見通し。ただ、利益面の成長率は前四半期(7-9月期)から急減速するとみられており、投資家にとっての不安材料となりそうだ。こうした中、アマゾンは2026年の設備投資額の方向性を示すとみられ、過大な負担が利益を圧迫するという悪いシナリオが連想される可能性がある。アマゾンの株価の値動きからは成長への期待の低さも感じられ、5日の決算発表を受けて、株価への下落圧力が増す展開も考えられそうだ。

アマゾンの2025年10-12月期決算は利益成長が大きく鈍化する見通し

アマゾンはアメリカ東部時間5日午後5時(日本時間6日午前7時)から決算会見を開く。ブルームバーグによると、アマゾンの10-12月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比12.6%増の2114.64億ドルになる見通し。1株当たり利益(EPS)は7.0%増の1.99ドルになるとみられている。予想通りになれば、総収入の成長は前四半期の13.4%増から鈍化。1株当たり利益の成長は前四半期(36.4%増)から伸び率が大きく縮まることになる。アマゾンは直近23回の四半期決算のうち6回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益でも5回で市場予想を下回っている。

アマゾン・コムの業績の推移のグラフ

アマゾンの株価は前回決算から9.79%高 最高値更新には3カ月のブランク

アマゾンの株価(AMZN)の27日の終値は244.68ドルで、前回の決算発表があった10月30日から9.79%高となっている。マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の直近の決算発表後の騰落率としては、アルファベット(GOOGL)の21.85%高に次ぐ好調さだ。ただ、アマゾンのこのところの株価は、前回決算発表の2営業日後にあたる11月3日につけた最高値(254.00ドル)を塗り替えるには至っていない。

アマゾン・コムの株価と株価収益率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、アマゾンの直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は27日段階で25.0倍。前回決算発表時の24.8倍とほぼ同水準だ。アナリストが提示する目標株価の平均は298ドルで、足元の水準から22%ほど高い。85人のアナリストのうち81人は買い、4人は維持を勧めている。

クラウド事業は成長加速見通し 小売り事業も収入水準は過去最高の予想

アマゾンの10-12月期は総収入の成長は鈍化する見通しだが、クラウド事業の好調は維持されそうだ。ブルームバーグがまとめた事前予想では、10-12月期のクラウド事業の収入は前年同期比21.1%増の348.74億ドルになる見込み。前四半期(20.2%増)から伸び率が高くなる見通しで、投資家にとっての安心材料といえそうだ。

アマゾン・コムのクラウド事業の業績の推移のグラフ

また総収入の3分の2を稼ぎ出す小売り関連事業は10-12月期の収入が前年同期比9.6%増の1413.13億ドルとなり、伸び率は7-9月期の10.5%よりも小さくなる見通し。ただし収入の水準は四半期として過去最高となる見込みで、投資家から好感されることも考えられる。

アマゾン・コムの小売関連事業の業績の推移のグラフ

利益の回復は頭打ちか 設備投資負担が想定以上になれば株価下落も

しかし1株当たり利益の成長鈍化は投資家にとっての不安材料といえそうだ。アマゾンの収益性は、2020年に始まった新型コロナウイルス禍を受けてインターネット通販の物流網を急拡大させたことで悪化。その後、2022年以降の物流網効率化への取り組みなどで、利益を回復させてきたが、改善が頭打ちになったとみることもできる。7-9月期の1株当たり利益にはAI開発企業アンソロピックへの投資に関する評価益の計上で0.89 ドル程度の上乗せ効果があったことを踏まえれば、アマゾンの利益成長の鈍化はすでに始まっている可能性もある。

また、アマゾンは2024年に入ってから人工知能(AI)ブームを背景として、設備投資を加速させてきた。2025年の設備投資額は前年比60.9%増の1250億ドルになるとしており、5日の決算会見で2026年の設備投資の水準が株式市場の想定以上に膨らむとの方向性が示されれば、将来的な減価償却の拡大が利益を圧迫するとの不安が強まりそうだ。アマゾンのプライアン・オルサブスキーCFOは3カ月前の前回決算会見で、2026年の設備投資額は「2025年から増える」との見通しを示していた。

アマゾンの総収入と設備投資額の推移のグラフ

こうした中、最高値に到達できないアマゾンの株価の値動きからは、株価上昇への期待の乏しさも感じられる。アマゾンの足元の予想株価収益率の25倍程度という水準は、株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値(31.05倍)を大きく下回る数字。株価が割安とみることもできるが、投資家が利益の成長が株価上昇につながるシナリオを描いていないとみることもできる。5日の決算発表で利益成長の道筋が示されなければ、設備投資負担の重さを嫌気して、株価が下落で反応することも想定されそうだ。


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