アルファベット、株価一時4%上昇 総収入加速 設備投資負担も急拡大
アルファベットの4-6月期決算は市場予想を超える好決算。一方、2025年の設備投資の見通しは引き上げられており、今後に向けた不安の火種になりそうだ。

アルファベットが23日の取引時間終了後に発表した2025年4-6月期決算は市場予想を超える好決算だった。総収入の伸び率は2四半期連続で前期から加速。検索サービスからの広告収入も2桁成長に回復した。また人工知能(AI)サービスの基盤となるクラウド事業も成長が加速しており、業績の好調さを印象付けている。こうした中、アルファベットの株価は23日の時間外取引で一時4%高となる場面もあった。一方、アルファベットは2025年の設備投資額の見通しを850億ドルに引き上げており、利益圧迫への懸念も膨らんでいる。スンダー・ピチャイCEOは決算会見で、AIサービスの需要に応えるには設備投資が必要だとの立場を強調し、ひとまずは投資家の納得を得ることに成功したが、巨額の設備投資負担は将来に向けた不安の火種といえそうだ。
アルファベットの2025年4-6月期決算は市場予想を超える好決算
アルファベットの4-6月期決算は総収入が前年同期比13.8%増の964.28億ドル。2024年10-12月期の11.8%増を底として、2四半期連続で上昇率が前四半期を上回った。1株当たり利益(EPS)は22.2%増の2.31ドルだった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が939.67億ドル。1株当たり利益が2.18ドルだった。発表された結果はいずれも市場予想を上回る好決算だった。

広告事業の収入は前四半期から成長が加速 対話型AI浸透の不安を跳ね除ける
アルファベットの4-6月期は総収入の4分の3を稼ぎ出す広告事業が好調だった。広告事業の収入は前年同期比10.4%増で、1-3月期(8.5%増)から成長が加速した。
アルファベットの大黒柱である広告事業をめぐっては、オープンAIのチャットGPTに代表される対話型AIサービスの浸透が検索サービスの利用頻度を低くすることで、アルファベットの業績への逆風になるとの懸念がある。しかしアルファベットのグーグル検索の結果表示画面に掲出される広告などからの収入は前年同期比11.7%増の541.90億ドルとなり、2四半期ぶりに2桁成長に戻った。アルファベットはグーグル検索でAIによる検討結果を表示する「AIモード」を発表するなどしており、ピチャイ氏は検索における新たなAI体験が「利用の増加に大きく貢献している」と述べている。

クラウド事業も30%台の成長 株価は時間外取引で一時4%上昇
また、AIサービスの提供基盤となるクラウド事業の収入は31.7%増で、2024年7-9月期(35.0%増)以来3四半期ぶりの高い伸びとなった。クラウド事業の収入は広告事業と比べれば小規模ながら、成長率は広告事業を大きくしのぐ。収入の規模は広告事業の2割程度にまで高まってきている。

こうした決算発表を受けて23日の時間外取引ではアルファベットの株価(GOOGL)が上昇。ブルームバーグによると、一時、198ドルをつける場面もあった。直近の終値(190.23ドル)との比較では4%超の上昇にあたる水準だ。
2025年の設備投資額の見通しは850億ドルに上方修正 株価上昇の重荷に
一方、アルファベットの時間外取引での株価は決算発表直後には下落する場面もあった。公表された決算資料で2025年の設備投資額が850億ドルになるとの見通しが明記され、アルファベットが2月4日に示した水準の750億ドルから大きく引き上げられていたからだ。アルファベットは4-6月期だけでも設備投資に224億ドルを投じており、前年同期比70.2%増の水準となっている。アルファベットは2024年の通年では525億ドルの設備投資を行っていた。

大手ハイテク企業はAIサービスの拡大に向け設備投資を重ねる一方、投資家の間では利益圧迫要因になるとの懸念が強い。ピチャイ氏は決算会見で、設備投資の上積みについて、「顧客からの需要拡大に応えるために決定的に重要だ」と説明した。4-6月期決算では総収入の成長の大きさが設備投資負担への懸念を覆い隠したものの、今後、成長が鈍化することがあれば不安が再燃する可能性も残っていそうだ。
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