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アルファベット、株価失速の懸念も 29日決算 オープンAIと戦線拡大

アルファベットの29日の7-9月期決算発表は収益力が焦点。オープンAIの急拡大が始まる中、好調な株価の失速も考えられる。

アルファベット、株価失速の懸念も 29日決算 オープンAIと戦線拡大 出所:Adobe Images

アルファベットが29日の取引時間終了後に発表する2025年7-9月期決算は収益面での成長力が焦点となりそうだ。対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIがAIサービスの供給能力を大規模に拡充する方針を示す中、アルファベットの7-9月期決算では利益の伸び率が1桁台まで急減速する見通し。AIサービス拡充のために積み増してきた設備投資の結果として、減価償却費の増加が見込まれることが要因のひとつとなっている。また、オープンAIはアルファベットのウェブブラウザ「クローム」と競合するAI対応ブラウザを21日に発表しており、両社の戦線は今後も拡大してきそうだ。アルファベットが29日の決算発表で、競争力を裏付ける収益拡大の道筋を示すことができなければ、株価上昇の勢いが削がれることも考えられる。

アルファベットの2025年7-9月期決算は1株当たり利益の伸び率が1桁台の見通し

アルファベットはアメリカ東部時間の29日午後5時30分(日本時間30日午前6時30分)から決算会見を開く。ブルームバーグのまとめによると、アルファベットの7-9月期に関する事前予想では、総収入は前年同期比13.0%増の997.49億ドル、1株当たり利益(EPS)は7.5%増の2.28ドルと見込まれている。予想通りになれば、総収入は4-6月期の13.8%から伸びが低下。1株当たり利益も同様に、4-6月期の22.2%増から急減速することになる。アルファベットは直近22回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では4回で予想を超えられなかった。

アルファベットの業績の推移のグラフ

アルファベットの株価は2024年末比で32.31%高 エヌビディアに次ぐ高成績

アルファベットの株価(GOOGL)の21日の終値は250.46ドルで、2024年末比で32.31%高。マグニフィセント・セブンの7社の中では、半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の34.90%高に次ぐ、2番目の好成績だ。ドナルド・トランプ大統領が相互関税を一部停止する前日の4月8日につけた底値(144.70ドル)からは73.09%高と急騰している。

アルファベットの株価と予想PERの推移のグラフ

ブルームバーグによると、アルファベットの直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は21日の段階で23.2倍。前回決算発表当日の7月23日段階での16.6倍から割高感が増している。アナリストが提示する目標株価の平均は259ドル程度で、足元よりも3%ほど高い。78人のアナリストのうち65人が買い、13人が維持を推奨している。

アルファベットは広告事業とクラウド事業がともに成長減速か

アルファベットの7-9月期の総収入の伸びが減速すると見込まれるのは、大黒柱の広告事業と、AIサービスの提供基盤となっているクラウド事業の両方で成長減速が見込まれているからだ。ブルームバーグのまとめによると、広告事業の収入は前年同期比9.9%増となり、前四半期の10.4%増から伸びが鈍化。1年前に活発だった大統領選挙にからむ広告出稿が今年は見込めないことなどが影響しているもようだ。

アルファベットの広告事業とクラウド事業の収入の推移のグラフ

またクラウド事業の収入の伸び率は29.7%増となり、前四半期(31.7%増)からやはり減速すると予想されている。クラウド事業をめぐっては、オープンAIがオラクル(ORCL)のクラウド事業に5年間で3000億ドルを支払う大型契約を結んだことを公表。また、オープンAIはこれまでに、合計26ギガワット(2600万キロワット)相当のデータセンターを自ら展開する構想も発表しており、アルファベットがクラウドを通じて展開するAIサービスとの競合激化を感じさせている。

減価償却費の増加ペースは加速見通し 設備投資負担が重荷に

さらに、アルファベットの7-9月決算で1株当たり利益の減速が予想されている背景にもAIブームがある。アナト・アシュケナージCFOは前回の決算発表に際して、これまでAI関連の設備投資を急激に積み増してきた結果、「主に減価償却費の上昇という形で損益が圧迫されている」と述べていた。ブルームバーグのまとめでは、7-9月期の減価償却費は前年同期比45.9%増の58億ドルと見込まれていて、4四半期連続でのペースアップが予想されている。

アルファベットの営業利益と設備投資額、減価償却費の推移のグラフ

こうした中でもアルファベットの株価が好調な事情には、9月2日の取引時間終了後に伝わった、ワシントンの連邦地裁がクロームに関して下した決定がある。裁判ではウェブブラウザとして圧倒的なシェアを持つクロームが反トラスト法(独占禁止法)に違反しているかどうかが問われた結果、連邦地裁はグーグルがクローム事業を売却する必要はないとの判断を下した。翌3日のアルファベットの株価は前日比9.14%高となった。

オープンAIはブラウザ事業でもライバルに アルファベットは成長の道筋示せるか

ただ、クロームに関してもオープンAIが強力なライバルになる可能性が出てきている。オープンAIは21日、ChatGPTの活用を前提として設計された新しいウェブブラウザ「ChatGPTアトラス」を発表。表示されたウェブページの要約をChatGPTに頼んだり、インターネット通販で買いたい商品を探す手伝いをしてもらったりできるといった機能が特徴だ。現段階ではアップルのパソコン向け基本ソフトであるmacOSにのみ対応しているが、ウィンドウズや、スマートフォン向け基本ソフトのiOSとアンドロイドにも対応する予定だという。アルファベットの株価の21日の終値は前日比2.37%安だった。

このためアルファベットは29日の決算会見でオープンAIによる攻勢への対応策を示す必要があり、競争力を保つだけの総収入や利益面の成長を示すことができなければ、これまで好調だった株価に冷や水がかかる可能性がある。米国の株式市場には経済の先行き不透明感といった悪材料もあるだけに、株価上昇に向けたハードルの高さも意識されそうだ。


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