テスラの2026年4-6月期決算発表はマスク氏の言動が焦点。同じマスク銘柄であるスペースXとの合併への言及があれば株価は大きく揺れそうだ。
テスラが22日に行う2026年4-6月期決算発表はイーロン・マスクCEOの発言が焦点だ。テスラが2日に発表した4-6月期の電気自動車(EV)販売台数は市場予想を大きく超える結果だったが、テスラの株価は好調な販売が確認された後も低迷。テスラの株価はこれまでもEV販売よりもマスク氏の壮大な事業構想で上下する向きがあり、22日の決算会見では完全自動運転やヒト型ロボットに関する発言が重要視されそうだ。ただ、マスク氏はこのところ、宇宙事業や人工知能(AI)の開発を手がけるスペースXのトップとして注目を浴びる機会も多く、マスク銘柄としての人気はテスラからスペースXに移っている感もある。こうした中、金融市場ではテスラとスペースXの合併構想も話題に上り始めた。決算会見では、マスク氏が合併の可能性について言及するかどうかも注目点といえ、テスラやスペースXの株価が大きく動く展開もありえる。
テスラは米国東部時間22日午後5時30分(日本時間23日午前6時30分)に決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた市場予想では、テスラの4-6月期の総収入は前年同期比15.0%増の258.60億ドルになる見通し。調整ベースの1株当たり利益(EPS)は22.5%増の0.49ドルと見込まれている。予想通りになれば、総収入と1株当たり利益がともに2四半期連続でのプラス成長になる。テスラは直近25回の四半期決算のうち11回で、総収入が市場予想を超えられなかった。1株当たり利益でも11回で市場予想のクリアに失敗している。
テスラの株価(TSLA)の14日の終値は396.18ドルで、前回(1-3月期)の決算発表があった4月22日との比較で2.24%高。2025年12月16日の最高値(489.88ドル)との比較では19.13%安で、株価上昇の勢いが戻っていない。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は14日段階で179倍程度。最高値当時の244倍から大きく低下している。最高値から株価が19%安となる中でも、予想1株あたり利益は10.3%増となっており、極端な割高感は徐々に修正されつつあるといえる。アナリストが提示する目標株価の平均は423ドルで、現状よりも7%ほど高い。63人のアナリストのうち29人は買い、25人は維持、9人は売りを勧めている。
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テスラの4-6月期の総収入で大幅なプラス成長が見込まれている要因は、すでに確認されているEV販売の好調さだ。テスラが2日に発表した4-6月期の販売台数は前年同期比25.0%増の48万0126台。2023年7-9月期(26.5%増)以来、11四半期ぶりの高い伸びとなった。ブルームバーグがまとめた市場予想(39万6464台)も大きく超えている。テスラの販売台数は新型車の端境期だったと説明された2024年が前年比1.1%減。続く2025年は世界4工場の改装を行ったことや、マスク氏がドナルド・トランプ大統領のアドバイザーを務めたことが不買運動を招いたことなどで8.6%減となっていた。2026年は3年ぶりの販売復活の年になる可能性もありそうだ。
一方、テスラの株価は好調な販売に目立った反応を示していない。テスラの株価は4-6月期の販売台数が発表された2日、前日比7.49%安と急落。14日の終値段階でも販売台数発表前から6.85%安となっている。テスラの株価はこれまでも、販売台数より、マスク氏のスケールの大きな事業構想で大きく値上がりしており、販売面での好材料が株価を押し上げる効果は乏しいようだ。テスラの株価が最高値をつけた2025年12月は、EVの完全自動運転やヒト型ロボット「オプティマス」などの「現実世界に根差したAI」を打ち出すマスク氏への巨額報酬が決まったことなどが好材料視されていた時期だった。このため22日の決算会見では、テスラのAI戦略について前進がみられるかどうかが焦点となりそうだ。
ただ、「マスク銘柄」としてのテスラの人気は衰えている可能性がある。同じくマスク氏が率いるスペースX(SPCX)が6月12日に上場を果たしたからだ。ブルームバーグによると、テスラ株の出来高はスペースXが米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請した5月20日から7月14日までは平均4555万株で推移。1月1日から5月19日までの平均6225万株からの低下傾向が感じられる。一方、スペースXの出来高は上場直後の大商いが収まった7月以降の平均でも7950万株となっている。
こうした中、金融市場ではテスラとスペースXの合併の可能性も取り沙汰されている。両社はともにAI開発を手掛ける点で共通点があり、マスク氏が年間1テラワット(1000ギガワット)の計算能力確保を目指して打ち出した「テラファブ構想」にも協調して取り組む。米メディアによると、JPモルガンは合併について「計算上は、戦略的にみて理にかなっている」と分析したという。時価総額がともに1兆ドルを大きく超える両社の合併には世界中の規制当局の承認といったハードルがあるとも指摘され、実現の可能性が高いとはいえないものの、両社のトップで大株主でもあるマスク氏から何らかの発言があれば、投資家心理を大きく揺らす可能性もありそうだ。
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