米国株、エヌビディア決算に冷淡 S&P500先物下落 原油安は好材料
S&P500の先物価格は20日の時間外取引で下落。エヌビディア決算に冷淡な反応を示した。今後はイラン和平協議の動向が焦点となる。
アメリカの株式市場で人工知能(AI)ブームへの期待が落ち着いた。S&P500種株価指数に関連した先物商品の価格は、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の決算発表を受けた20日夜の取引で下落。エヌビディアが示した2026年5-7月期の業績見通しが一部の投資家の高い期待に届かなかったことが冷淡な反応を招いた。エヌビディアの株価も20日の時間外取引で値下がりしている。一方、S&P500には原油価格の下落という好材料も舞い込んだ。ドナルド・トランプ大統領の発言でイラン戦争の終結期待が高まったことが要因だ。エヌビディアの決算発表前につけたS&P500の20日の終値は4営業日ぶりに反発し、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価はそろって上昇している。ただ、エヌビディアの決算発表は、ハイテク各社の時間外取引での株価下落にもつながっており、21日のS&P500にとっては不安材料。またイラン戦争が実際に終結に向かうかは依然として不透明で、トランプ発言で上昇したS&P500が改めて下落圧力にさらされる可能性もありそうだ。
アメリカのS&P500の先物商品は一時0.48%安 エヌビディア決算に冷淡
S&P500(SPX)に関連した先物商品の価格はエヌビディアの決算発表後に下落した。ブルームバーグによると、EミニS&P500先物(6月限)の価格は午後6時10分には7407.50まで下落。午後4時20分の決算発表直前の水準(7443.00)から0.48%安となった。その後もマイナス圏での取引が続いている。
エヌビディアの2026年2-4月期決算は総収入と1株当たり利益がともに市場予想を超える好決算。一方、エヌビディアが示した5-7月期の総収入の見通しは910億ドル前後で、ブルームバーグがまとめた直前の市場予想の平均値(874億ドル)を超えたものの、予想範囲の上限である962億ドルは下回った。ブルームバーグによると、エヌビディアの株価(NVDA)は20日の時間外取引で217.14ドルまで値下がりし、直前の終値(223.47ドル)から2.83%安となった。その後も220ドル程度で取引されている。
原油価格はイラン和平への期待で急落 S&P500は20日終値で4営業日ぶり反発
一方、エヌビディアの決算発表前の株式市場では原油価格の下落というS&P500にとっての好材料が浮上した。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(6月渡し、WTI原油)の20日の終値は前日比8.82%安の1バレル=98.26ドル。終値としては7営業日ぶりに100ドルの大台を割り込んだ。トランプ氏が記者団に対して、イランとの和平協議について「最終段階にある」と述べたことが好感された結果だ。
原油価格下落を受けて、S&P500は20日の終値で前日比1.08%高となり、4営業日ぶりの反発。上昇率は米インターネットメディアのアクシオスが米国とイランが戦争終結に向けた覚書について協議していると報じた6日(1.46%高)以来の大きな上昇率となった。20日の終値は14日の最高値(7501.24)からは0.91%安にあたる。
エヌビディア決算は他のハイテク株の下落要因か 半導体株急騰の失速も
ただ、エヌビディアの決算発表が投資家の期待に応えきれなかったことは、他の大手ハイテク株の値動きにも悪影響を及ぼしている。ブルームバーグによると、20日の時間外取引では、マグニフィセント・セブンの各社の株価が値下がりしており、21日のS&P500の値動きに下落圧力をかける可能性がある。
エヌビディアのライバルにあたる他の半導体大手の株価も20日の時間外取引では不振だ。アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)や半導体の名門企業インテル(INTC)の株価は直前の終値よりも安い水準での取引が続いた。原油安に沸いた20日の取引では、AMDが前日比8.10%高、インテルが7.36%高となっていたが、21日は勢いが失速することも考えられそうだ。
イラン戦争の終結見通しに脆さ 米国がイラン攻撃ならS&P500に下落圧力か
また20日にS&P500を上昇させたイラン戦争終結への期待には脆さもある。ブルームバーグによると、トランプ氏はイランとの協議が最終段階にあるとしながらも、合意が成立しなかった場合には「やや手荒なことをすることになる」とも述べている。トランプ氏は19日には、早ければ22日にもイランへの軍事攻撃を行う可能性を示唆していた。イランメディアのタスニム通信は20日、「イランが3日前に示した14項目の提案」について米国から回答があり、イランが検討を進めていると報じている。
今後、イラン側から米国側に和平案についての回答があり、トランプ氏が納得しなければ、米国がイランに対する軍事攻撃に踏み切る可能性が高まる。AIブームの過熱感も意識される中、S&P500が改めて下落に転じる展開も考えられそうだ。
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