S&P500は1.44%安で、6月に入って4度目の急落。メモリ半導体のマイクロンが24日に行う決算発表への警戒で、半導体株が総崩れとなっている。
アメリカの株式市場で緊張感が強まっている。S&P500種株価指数の23日の終値は前日比1.44%安で、6月に入ってから4度目となる1%超の急落。大手ハイテク株も下落が続いており、投資家心理が悪化している。米国株式市場では24日の取引時間終了後に行われるメモリ半導体大手、マイクロン・テクノロジーの決算発表への警戒が出ており、23日の取引はマイクロンをはじめとする半導体株が総崩れとなる値動きだった。一方、イラン情勢をめぐってはホルムズ海峡開放への期待が継続。原油価格が落ち着きを取り戻していることは、S&P500の見通しにとっては好材料といえる。とはいえ、人工知能(AI)ブームを背景とした半導体株の上昇には過熱感もあっただけに、当面はS&P500にも下落圧力がかかり続ける可能性がありそうだ。
S&P500(SPX)の23日の終値は7365.46。前日比1.44%安は前日に続く値下がりで、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ姿勢を示した17日(1.21%安)以来、6月に入ってから4度目の1%を超える下落だった。ブルームバーグによると、23日終値は2日の最高値(7609.78)からは3.21%安で、10日(7266.99)以来、8営業日ぶりの安値水準となっている。
こうした中、23日の金融市場では投資家心理も悪化。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)は23日の終値で19.49となり、10日(22.22)以来の高さとなった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。 VIXはドナルド・トランプ大統領がイランとの和平協議の内容がイランの最高レベルの指導部に承認されたと明かした11日以降、20の大台割れが続いていたが、投資家の間では再び見通しへの不安が強まっているといえそうだ。
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足元の金融市場で波乱要因とみなされているのは、マイクロン(MU)が24日の取引時間終了後に行う2026年3-5月期決算発表。マイクロンの株価は23日の取引で前日比13.18%安となった。マイクロンは3月18日に行った前回決算発表時は、2026年8月通期の設備投資額の見通しが市場予想を超えたことなどが悪材料視され、株価は翌19日から26日までの6営業日続落で合計23.02%安となった。株価はその後、イラン情勢をめぐる緊張緩和への期待が追い風となり、22日の終値段階では3月末比3.5倍を超えていただけに、一気に急落が進むとの懸念が膨らんでいるようだ。
一方、イラン情勢に関し、和平協議進展への期待が続いていることはS&P500にとっては好材料だ。米国は22日、イランが核開発問題をめぐって態度を軟化させたことを評価したとして、イランの原油輸出への経済制裁の緩和を発表した。ブルームバーグのデータによると、ホルムズ海峡を通過したタンカーの数は22日に16隻となり、和平協議の覚書の発効が公表された17日段階の2隻から大きく上昇している。原油先物市場の指標価格であるWTI(8月渡し、WTI原油)の23日の終値は前日比0.88%安の1バレル=73.21ドル。前日までの指標価格だった7月渡しの前日終値との比較では2.15%安となった。
ただ、ホルムズ海峡を通過する船舶の数は、イラン戦争開始前の2月は1日平均66隻で推移しており、足元の状況は原状回復には程遠いとみることもできる。また、米国の半導体株の4月以降の上昇に過熱感があったことは明らか。S&P500の23日の終値は、3月30日につけた直近の底値から3カ月足らずで16.11%もの値上がりを果たした水準なだけに、マイクロンの決算発表が上昇基調に冷や水をかける結果になる可能性もありそうだ。
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