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原油価格、ロシア問題で動揺も WTI上昇 トランプ氏が強硬姿勢

WTIは63ドル台。ロシアの石油輸出規制やトランプ氏のロシア批判が材料視されている。過剰供給の見通しは続いているが、上昇圧力も強まっていそうだ。

原油価格、ロシア問題で動揺も WTI上昇 トランプ氏が強硬姿勢 出所:Adobe Images

原油価格に上昇圧力が強まってきた。原油先物市場の指標価格であるWTI(11月渡し)は日本時間24日の取引で1バレル=63ドル台で取引されており、前日につけた61ドル台から2ドル超の上昇を記録している。原油価格を値上がりさせたのはロシアのエネルギー輸出をめぐる不確実性。ウクライナから石油関連施設への攻撃を受けているロシアがディーゼル燃料の輸出制限を検討していると報じられたことや、アメリカのドナルド・トランプ大統領がロシア批判を強めたことが材料視された。一方、OPECプラスの増産が原油市場に過剰供給を生み出すとの見通しは、引き続き原油価格の下落要因だ。しかしトランプ氏がロシアに対する強硬姿勢をさらに強めていけば、原油価格の上昇が加速するシナリオも考えられる。

WTIは63ドル台で推移 61ドル台から2ドル超の値上がり

WTI(11月渡し、WTI原油)は日本時間24日午前1時段階で1バレル=63.62ドルで取引されている。ブルームバーグによると、午前0時台には63.89ドルをつける場面もあり、前日(23日)午後につけた61.85ドルからは2ドル超の値上がりとなった。

原油価格(WTI)の値動きと主な出来事の推移のグラフ

ロシアがディーゼル燃料輸出を規制か トランプ氏はウクライナ支援とロシア批判

原油価格上昇の要因はロシアをめぐる事態の進展だ。ブルームバーグは23日、ロシアがディーゼル燃料の輸出制限を検討していると報道。ウクライナがロシアの石油精製施設にドローン攻撃を加え、ロシア国内の燃料価格が上がっていることから、輸出を抑制して国内需要を満たす必要があるためだとしている。またロシアのインタファクス通信も、ロシア政府が9月に実施したガソリン輸出の禁止を10月も継続することを検討していると報じている。

またトランプ氏はロシアとウクライナ間の戦争に終結の見通しがつかない中で、ロシアに対する不満を高めているもよう。トランプ氏は23日、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、「ロシアは3年半にわたって目的もなく戦闘を続けている」と言及。ウクライナは欧州連合(EU)の支援の下、「ウクライナのすべての領土を本来の形で勝ち取る」ことができるとした。ロシアは8月にウクライナ東部のドネツク州とルハンスク州の割譲などを条件として戦線の凍結に応じる考えを示したと報じられ、トランプ氏は和平協議を後押しする姿勢を示していたが、現在はウクライナ支援に軸足を置いているようだ。

さらにトランプ氏はSNSへの投稿に先立ち、国連総会での演説で、中国とインドを名指しして「ロシア産の石油の購入を続けることで戦争継続の主要な資金供給源となっている」と批判。同時に「北大西洋条約機構(NATO)加盟国でさえ、ロシア産エネルギーの多くを切り捨てていない。言い訳のしようもないことだ」「彼らはロシアからのすべてのエネルギー購入を即時に止めなければならない」などとも述べて、欧州各国にも批判の矛先を向けた。さらにロシアが終戦に合意する用意がない場合、欧州各国が足並みをそろえることを条件として、「米国は非常に強力な力強い関税措置をとる準備が完全に整っている」としている。EU統計局によると、EUによる天然ガスや液化天然ガス(LNG)の輸入の1-2割はロシア産だ

イラクからの原油輸出も再開か 原油価格への下押し圧力は消えず

一方、ロシアやサウジアラビアなどOPECプラス内の8か国が増産姿勢を崩していないことは、原油の過剰供給を連想させる原油価格の下落要因となっている。WTIは17日から22日にかけては4営業日続落しており、下落圧力が消えたわけではない。ブルームバーグは23日、2年以上停止されてきたイラクからトルコ経由での石油輸出の再開が近づいており、日量23万バレルの原油が国際市場に流入するとの見通しを示している。

原油価格への下落圧力が意識されやすい状況は、米エネルギー情報局(EIA)が原油在庫量を発表した17日のWTIの値動きからも感じられた。12日段階の原油在庫量(戦略備蓄除く)は1週間前比928.5万バレルの減少で、ブルームバーグがまとめた市場予想(176.6万バレル増加)とは対照的な在庫の取り崩し。需要の強さが示された形だが、それでも17日のWTIの終値は前日比0.73%安となった。在庫減少の背景に輸出の増加があり、米国内の需要が強まっているわけではないことがWTIを下落させたとも分析されている。EIAが24日午前10時30分(日本時間24日午後11時30分)に発表する19日時点の原油在庫量は1週間前比80.2万バレルの増加と見込まれている。

アメリカの原油在庫の推移のグラフ

トランプ氏がロシア批判でWTIへの上昇圧力増大も

ただ、トランプ氏が今回、世界の注目が集まる国連総会の場でロシアや中国、インド、欧州各国を名指しで批判したことは、トランプ氏のウクライナ情勢に対する不満の大きさを示している。トランプ氏は19日に中国の習近平国家主席と電話会談した際は、中国との友好的な関係をアピール。ロシアとウクライナ間の戦争終結などについて「前進があった」としていたが、トランプ氏の今後の言動次第では、ロシアを標的とした経済的制裁の実施が原油価格を上昇させるという筋書きが材料視され、WTIの値上がりにつながる可能性もありそうだ。


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