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米国株、AIブームの変調に不安 S&P500失速 利下げ見通し後退

S&P500は12日はほぼ横ばい。マグニフィセント・セブンの不調が目立った。政府閉鎖は解消されるが、実体経済をめぐる不透明感は続きそうだ。

米国株、AIブームの変調に不安 S&P500失速 利下げ見通し後退 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場での人工知能(AI)ブームに変調の不安が出ている。S&P500種株価指数の12日の終値は前日比0.06%高。4営業日続伸とはいえほぼ横ばいといえる値動きで、最高値更新への勢いは増さなかった。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価の不調が目立ち、AIブームが株価上昇を後押しし続けるというシナリオへの期待が揺らいでいる可能性がある。一方、政府機関一部閉鎖は12日夜に終止符が打たれる見通しで、株式市場には明るいムードも感じられる。ただ、発表が先送りされてきた重要経済指標の一部は集計が不可能な状態とみられ、当面は、米国経済の実像がつかみ切れない状況が続きそうだ。金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げへの期待がじわじわと後退しており、S&P500の今後の見通しにとって逆風となることも考えられる。

アメリカのS&P500はほぼ横ばい 最高値までの距離は縮まらず

S&P500(SPX)の12日の終値は前日よりも4.31ポイント高い6850.92。4営業日続伸の間に1.94%高となっているものの、12日の取引では10月28日につけた最高値(6890.89)までの距離は大きくは縮まらなかった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

メタは決算発表から16.58%安 株式市場でのAIブームに減速感

S&P500への影響度が大きいマグニフィセント・セブンの7社の中では、メタ・プラットフォームズ(META)が12日の終値で前日比2.88%安の609.01ドルとなり、2025年7-9月期決算を発表した10月29日の終値からの下落率が16.58%安となった。メタは7-9月期の利益成長が鈍化するとともに2026年の設備投資の伸び率が2025年よりも「はっきりと大きくなる」としており、収益圧迫への懸念が強まっている。このほか12日の取引では、7-9月期決算が好感されてきたアマゾン・コムAMZN)が1.97%安、アルファベットGOOGL)が1.58%安となるなど、7社中5社が値下がりしている。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズなどの値動きのグラフ

マグニフィセント・セブンの株価の値動きはAIブームの勢いの陰りとみることもできそうだ。BITA社が7社の株価に基づいて算出する「マグニフィセント・セブン指数」(MAGSEVEN)は12日の終値で1803.73となっており、10月29日につけた最高値(1855.85)から2.81%安となっている。マグニフィセント・セブン指数は2023年は76.65%高、2024年は47.67%高を記録したが、2025年は11月12日段階で23.38%高にとどまっており、株式市場でのAIブームの減速を感じさせる。

マグニフィセント・セブン指数の推移のグラフ

政府機関閉鎖は43日間で終了 株式市場には歓迎ムード

一方、S&P500をめぐっては政府機関一部閉鎖の解消に向けた動きが好材料視されている。上院で多数派の共和党と民主党の一部議員が合意した多くの政府機関の予算を2026年1月30日まで確保するつなぎ予算案は、10日に上院を通過し、下院でも12日夜に可決された。ブルームバーグによると、ドナルド・トランプ大統領は12日中につなぎ予算案に署名する予定だといい、43日間に及んだ政府閉鎖は終わる。政府閉鎖は航空便の混乱や、低所得者への支援制度や中小企業向け公的融資などの停滞を招くなどして経済活動への悪影響が懸念されてきたが、不安の拡大は抑えられることになりそうだ。

こうした中、S&Pグローバルが公表している時価総額を考慮しないで算出したS&P500は12日の取引で前日比0.23%高となり、S&P500の0.06%高を上回る成績となった。S&P500は時価総額が大きい銘柄の値動きの影響が大きいため、マグニフィセント・セブンの不振に足を引っ張られたが、その他の銘柄は政府閉鎖終了を歓迎するムードで押し上げられたとみることができそうだ。

S&P500と時価総額を考慮しないS&P500の値動きのグラフ

10月の雇用統計とCPIは公開なしの見通し FRB利下げ期待後退はS&P500に逆風

ただ、政府閉鎖中に重要経済指標の公表が見送られたことで生じた経済の実体の不透明感は今後も続くもようだ。ブルームバーグによると、ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は12日、10月の雇用統計と消費者物価指数(CPI)は「決して公表されない可能性が高い」と言及。政府閉鎖中に雇用や物価に関するデータの収集ができなかったためだとみられる。政府閉鎖開始の2日後に公表されるはずだった9月雇用統計は政府活動再開後、早期に発表され、S&P500の値動きに影響を与える可能性があるが、その後は、重要経済指標の発表見送りや不十分なデータに基づいた指標の発表が続くことも考えられる。

こうした経済の不透明感は、S&P500を押し上げると期待されるFRBの利下げを難しくするおそれがある。ジェローム・パウエル議長は2会合連続での利下げを決めた10月29日のFOMC後の記者会見で、収集可能なデータや情報に基づいた判断として、米国経済に大きな変動が出ているわけではないとの立場を強調。FOMC参加者は、次回は様子をみるべきだとの意見と、さらに利下げを進めるべきだとの意見で割れていることを明かした。ブルームバーグによると、12日の金融市場で見込まれている12月FOMC後の政策金利の水準は3.729%。利下げ確率は60.2%で、6日段階の72.0%から徐々に低下している。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

足元の金融市場ではS&P500の2025年の上昇を後押ししてきたAIブームとFRBの利下げへの期待がともに揺らいでいる状況といえる。S&P500の今後の見通しは、上値の重さが意識される冴えない値動きになることも想定されそうだ。


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