日経平均、週明けも急騰見通し 週次3200円上昇 半導体株に期待
日経平均株価はイラン和平期待で最高値を大幅に更新。8日の米国株式市場では半導体株が急騰していて、週明け11日も勢いが続きそうだ。
日経平均株価が急騰した。日経平均の8日の終値は前日に到達した史上初の6万2000円台を維持。ゴールデンウィークのため2営業日のみだった週次での上げ幅は3200.53円高だった。アメリカとイランの戦争の終結が近づいているとの期待が高まったことが追い風となり、半導体株をはじめとする幅広い業種が値上がりしている。また日本政府の為替介入にも関わらず、円高進行が限定的だったことも安心材料となったようだ。一方、イラン戦争の見通しは依然として不透明で、ホルムズ海峡封鎖の長期化懸念は消えていない。株式市場の明るいムードとは裏腹に、日本企業の間では先行きへの慎重姿勢も感じられる。また日経平均の割高感が上限レベルといえることも見通しを暗くする要因だ。ただ、8日の米国株式市場では半導体株が急騰しており、投資家の人工知能(AI)ブームに対する期待は圧倒的。このため週明け11日の日経平均も急騰することが想定される。
日経平均株価は7日に6万2833.84円の最高値 5連休中にイラン和平期待拡大
日経平均株価(N225)の8日の終値は前日比では120.19円安の6万2713.65円。5連休明け後の最初の取引だった7日の終値(6万2833.84円)は、4月27日の記録(6万0537.36円)を大幅に更新する最高値だった。この日の上げ幅(3320.72円高)は2024年8月6日の3217.04円高を超え、史上最大となっている。
日経平均を急騰させたのはイラン戦争の早期終結への期待だ。ブルームバーグによると、大阪取引所で連休中も取引されていた日経平均に関連した先物商品(日経225先物=6月限)の価格は、イランによるアラブ首長国連邦(UAE)の石油ターミナル攻撃が悪材料になっていた5日午前6時の段階では5万9550円。その後、ピート・ヘグセス国防長官が停戦が維持されていると確認したことや、米インターネットメディアのアクシオスが米国とイランが終戦に向けた覚書について協議していると報じたことが材料視されて上昇が勢いづいた。東京株式市場で5連休明けの取引が始まる直前の日本時間7日午前6時の段階では6万2190円まで上昇していた。
ソフトバンクグループが週次13.03%高 東京エレクトロンは3営業日連続最高値
日経平均の牽引役となったのはAIブームに沸いている半導体株だ。ソフトバンクグループ(6758)は8日までの週次で13.03%高となり、日経平均を568円押し上げ。子会社の英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)の株価が6日の決算発表に向けて大きく上昇したことが好材料視された。また半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)も週次10.54%高、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)も週次7.44%高となって、それぞれ日経平均を500円前後押し上げている。日経平均への影響度が大きい値がさ株である3社の上昇が日経平均の6万2000円突破に貢献した。
このうち東京エレクトロンは4月30日の決算発表時に示した2026年9月中間期の業績見通しが好感されており、翌5月1日から5連休を挟んだ8日までの3営業日連続で最高値を更新。この間、株価は18.15%高となっている。ソフトバンクグループは13日に決算発表を控える中、8日の終値は10月29日の最高値から10.22%安の水準まで回復してきた。
東京株式市場の22業種が週次上昇 為替介入後の円高が限定的だったことも好材料
また、8日までの株式市場の値上がりには裾野の広さも感じられた。東京証券取引所全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)の8日の終値は1週間前比で2.70%高。33業種別の指数では22業種が値上がりしている。イラン戦争が始まった3月以降の週次の値上がり業種の数としては、2番目の多さだ。
7日と8日の日経平均の急上昇の背景には、投資家の不安心理を強めていた円高が限定的だったこともありそうだ。ドル円相場(USD/JPY)は日本政府の為替介入を経た5連休中の6日に1ドル=155.04円まで円高が進んだが、その後は156円台後半まで円安に戻す値動きだった。米国で8日に発表された4月雇用統計は、労働市場の強さが米国経済の強さを示す一方、平均時給の伸び率には過熱感がみられないという理想的な結果。ドル円相場の8日のニューヨーク市場の終値は前日比0.25円の円高という小幅な値動きで、156.68円となった。
イラン和平への新たな進展は見られず 日本企業の業績見通しには慎重さも
一方、投資家心理を明るくしたイラン戦争終結への期待は肩透かしに終わる恐れもある。米国とイランの間での覚書に関する協議は大きな進展は出ていないもよう。ホルムズ海峡をめぐる緊張も解けてない。原油価格は高止まりが続き、世界経済にとっての逆風は消えていない。
こうした中、日本企業の決算発表では、先行きへの慎重姿勢も感じられている。トヨタ自動車(7203)は8日の取引時間中に行った2026年3月期決算発表に際し、2027年3月期の業績見通しについて慎重な水準を提示。総収入の51兆円はブルームバーグがまとめた市場予想の53兆2534億円に届かず、営業利益の3兆円も市場予想(4兆6090億円)を下回った。ホルムズ海峡封鎖で中東向け輸出が停滞していることが要因のひとつだ。トヨタの株価は8日までの週次で2.90%安となっている。またメモリ半導体不足が懸念材料となっているソニーグループ(6758)も8日の取引時間中に2027年3月期の総収入が前年同期比で減収になるとの見通しを示しており、株価は週次0.42%安となっている。
日経平均の割高感は最高水準 8日の米国株式市場での半導体株急騰は追い風に
さらに急上昇で最高値を更新した日経平均には割高感もつきまとう。ブルームバーグによると、日経平均の水準と構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は最高値をつけた7日段階で24.8倍。AIブームが本格化した2023年以降で最高水準となっている。
ただ、8日の米国の株式市場では4月雇用統計に加え、インテルとアップルが半導体供給に関して合意したとの報道が追い風となり、インテル(INTC)やアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価が10%を超える急騰。これを受けて大阪取引所での日経平均先物の価格は日本時間9日午前6時段階で6万3760円まで値上がりしている。週明け11日以降の東京株式市場では、14、15日の米中首脳会談で前向きな結果が出るとの期待が高まる可能性もあり、日経平均が急上昇する展開も考えられそうだ。
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