ソニーグループ、低迷株価に反転期待 8日決算 メモリ不足解消焦点
ソニーグループの5月8日の決算発表はメモリ半導体をめぐる不安払拭が焦点。中長期的な調達に自信を示せば、株価の反転が期待される。
ソニーグループが5月8日に行う2026年1-3月期決算発表はメモリ半導体不足の解消の進展度合いが焦点だ。ソニーグループは前回の決算発表で、ゲーム事業などでのメモリ半導体の調達確保が完全には終わっていない状況を示唆。ソニーグループの株価は11月の最高値から3割以上も安い水準となっており、27日に6万円突破を果たした日経平均と対照的な値動きとなっている。一方、ソニーグループの業績には円安が追い風になるとみられるうえ、株価の割安感が高まっていることも反発を期待させる要因。映画事業や音楽事業、半導体事業はイランでの戦争に伴う世界経済の混乱を回避できる可能性があることも好材料だ。このため、ソニーグループが8日にメモリ半導体の中長期的な調達に自信を示せば、回復が遅れてきた株価が上昇へと転じる展開も考えられる。
ソニーグループの2026年1-3月期決算はゲーム事業の営業利益が19.5%増の見通し
ソニーグループは5月8日正午に1-3月期決算を発表。午後4時から業績説明会を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、ソニーグループが主力事業と位置付けるゲーム、音楽、映画のエンターテインメント3事業の営業利益の合計は前年同期比30.5%増の2999億円になる見通し。なかでも注目度が高いゲーム事業が19.5%増の1107億円と見込まれているほか、音楽事業は55.7%増の1301億円、映画事業は10.4%増の590億円になるとみられている。
ソニーグループの株価は最高値から32.17%安 下落基調から抜け出せず
ソニーグループの株価(6758)の27日の終値は3188円で、前回の決算発表前日の2月4日との比較では4.69%安。11月14日につけた最高値(4700円)との比較では32.17%安に低迷している。またイスラエルと米国によるイラン攻撃前日にあたる2月27日との比較では12.65%安で、株価が下落基調から抜け出せていない。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は27日段階で16.5倍程度。前回決算発表前日の17.1倍程度からやや割安になっているほか、株式市場で人工知能(AI)ブームが本格化した2023年以降の平均値(17.8倍程度)も下回っている。アナリストが提示する目標株価の平均は4835円で、27日終値よりも52%ほど高い。28人のアナリストのうち、25人は買い、3人は維持を勧めている。
メモリ半導体の調達確保は道半ば 株価は6万円到達の日経平均と好対照
ソニーグループの業績をめぐっては、AIブームを背景として起きているメモリ半導体の品薄が懸念材料となっている。家庭用ゲーム機のプレイステーション(PS)などの生産にはメモリ半導体が不可欠で、供給不安や価格高騰はソニーグループの業績の悪材料になるためだ。ソニーグループの陶琳CFOは3カ月前の前回決算発表で、ゲーム事業でのメモリ半導体の供給について「来年度の年末商戦をマネージするために必要な最低限の確保にはすでにめどがついた」としつつ、需要にしっかり応えるだけの供給確保に向けた協議は依然として必要だとの考えを示した。同様に、デジタルカメラなどのハードウェア事業での年末商戦に向けたメモリ半導体の調達確保については「概ねついている」としていた。
こうした中、ソニーグループの株価の値動きは、半導体株が牽引役となって急騰した日経平均株価(N225)の値動きとは対照的だ。日経平均はホルムズ海峡封鎖の長期化が投資家心理を悪化させていた3月31日につけた直近の安値から、4月27日終値までに18.55%高となって、史上初の終値ベースでの6万円台に到達。一方、ソニーグループの株価は同じ期間で0.65%安となっている。同じ期間では、ソニーグループのゲーム事業と同様に家庭用ゲーム機をビジネスモデルの中核として位置付ける任天堂(7974)が10.05%安となっており、どちらもメモリ半導体不足の懸念に足を引っ張られているようだ。
ドル円相場の円安基調もソニーグループの追い風 前年比での成長が容易に
一方、ソニーグループの業績には円安という追い風がある。ソニーグループは前回決算で2026年3月期の業績見通しを作成する際、1-3月期のドル円相場(USD/JPY)を1ドル=152円前後と想定。実際の1-3月期のドル円相場は平均156.88円で推移しており、円安のメリットを享受できている可能性がありそうだ。また4月以降のドル円相場は平均159.23円で取引されており、1年前の4月の水準(144.28円)との比較で大幅な円安。前年比での成長を容易にする側面がある。
株価の割安感や半導体の堅調さも好材料 下落基調の株価が反転する可能性
また、ソニーグループの株価の割安感も今後の株価の反発を予感させる。ソニーグループの株価は11月の最高値から3割超値下がりしている一方、この間の予想1株当たり利益の変化は0.96%増と堅調だ。投資家が日経平均に対して強気な姿勢を強めたように、ソニーグループについても強気が戻ってくれば、株価には大きく値上がりする余地があるといえる。
ソニーグループの映画事業や音楽事業はホルムズ海峡封鎖などによるサプライチェーンの混乱の影響を受けづらい。スマートフォン向け画像センサーが主力の半導体事業も高価格帯スマホ向けの製品が中心であるため、メモリ半導体不足に起因する中国系スマホブランドの販売苦戦の悪影響は軽いともみられる。このためソニーが8日の決算発表で、メモリ半導体の調達について不安を払拭する力強い情報発信ができれば、円安という追い風もあいまって、ソニーグループの株価に上昇圧力がかかる可能性がありそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。