アーム、株価乱高下 スマホ関連収入不振 AI関連需要には自信
アームの1-3月期決算は予想を超える結果。ただ、スマホ関連収入には弱みも感じられた。1か月半で7割上昇してきた株価の上値は重くなりそうだ。
イギリスの半導体大手アーム・ホールディングスがアメリカ株式市場での6日の取引時間終了後に行った2026年1-3月期決算発表は、株式市場で急激に高まってきた投資家の期待に応えきれなかった。アームの1-3月期決算は総収入と利益がともに市場予想を超える内容。また、人工知能(AI)関連需要の強さを背景に、4-6月期の業績見通しについても予想を超える水準を示した。さらにアームは3月に参入を表明した自社製半導体事業の将来性にも自信をみせている。一方、アームの収益源であるスマートフォン関連の収入は不振だったとみられ、投資家からは不安材料として受け止められたようだ。アームの株価は6日の時間外取引で直前の終値から13%高となった後、一時10%安まで下落する荒れた値動きとなった。アームの株価は6日終値段階で、1か月半前との比較で7割超高い水準となる最高値を更新していたが、当面は上値が重くなる可能性もありそうだ。
アームの2026年1-3月期決算は総収入と利益がともに予想を超える内容
アームの1-3月期は総収入が前年同期比20.1%増の14.90億ドル。調整ベースの1株当たり利益(EPS)は9.1%増の0.60ドルだった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が14.70億ドル、1株当たり利益が0.58ドル。発表された結果はいずれも市場予想を超える内容だった。
4-6月期の見通しも予想超え 自社製半導体事業の成長性に自信
またアームは4-6月期の見通しでも市場予想を上回った。アームが示した4-6月期の総収入の見通しは前年同期比19.7%増にあたる12.60億ドル前後で、市場予想の12.50億ドルを超えた。1株当たり利益も14.3%増にあたる0.40億ドル前後になるとしており、市場予想(0.37ドル)を上回っている。アームのルネ・ハースCEOは6日の決算会見で、AIの開発やサービス展開の基盤となるデータセンターの建設を進めている大手クラウド事業者が採用する半導体の半分程度でアームの技術が用いられているとし、「顧客企業はAIデータセンターの中核にアームを必要としている」と述べた。
アームは中長期的な成長にも自信を示している。ハース氏は3月に発表した自社製半導体事業については、すでに多くの需要が見込まれているとし、2027年3月期と2028年3月期の合計で20億ドルの収入が得られると言及。ジェイソン・チャイルドCFOはは3月の参入発表時と同様に、2031年3月期には150億ドルの収入を見込み、知的財産(IP)事業と合わせて250億ドルの総収入規模となると説明した。2026年3月通期の実績(49.20億ドル)との比較では、事業規模が5年で5倍になる計算だ。
スマホ市場の不振でロイヤルティ収入の成長減速 株価は一時10%安の乱高下
一方、アームの収益源となっているスマホ関連の収入は不振だったようだ。顧客企業がアームの知的財産を用いて製造した半導体で得た収益に応じて受け取るロイヤルティ収入は、1-3月期の実績で前年同期比10.5%増の6.71億ドル。市場予想の6.93億ドルを下回り、前四半期(10-12月期)の27.1%増から成長が急減速している。チャイルド氏は2月4日の前回決算発表時、1-3月期のロイヤルティ収入について10%台前半との見通しを示しており、予想の下限近くでの着地になったようだ。チャイルド氏は6日の決算会見で、1-3月期のスマホ市場はマイナス成長だったとし、アームの業績にとって逆風だったことを示唆した。アームの半導体技術は省電力化に効果があり、バッテリーの持続性が重視されるスマホ向け半導体に多く用いられてきた。
こうした発表内容を受けた6日の時間外取引ではアームの株価(ARM)が乱高下した。ブルームバーグによると、アームが米国市場に上場する米国預託証券(ADR)の株価は一時、268.74ドルまで上昇し、直前の終値(237.30ドル)比で13.25%高となった。しかしその後はスマホ市場をめぐる不安などから下落基調が強まり、一時、直前の終値比で10.01%安にあたる213.55ドルまで下落する場面もあった。
ロイヤルティ収入は復調の見通し 1か月半で7割高の株価上昇にはブレーキか
ただ、アームの1-3月期の実績では、顧客企業がアームの知的財産を用いた半導体製造の契約を結ぶ際にアームが受け取るライセンス収入は29.2%増の8.19億ドルとなり、前四半期(10-12月期)の25.3%増から成長が加速。チャイルド氏が2月段階で示していた10%台後半の伸び率を大きく超える好調さだった。インドネシア政府との長期契約が結ばれたことなどが追い風になったという。またアームは4-6月期の業績見通しに関連して、ロイヤルティ収入とライセンス収入がともに20%成長になるとしており、スマホ市場の不振が響いたロイヤルティ収入の成長が復調するとの見通しを示している。
とはいえ、アームの株価は6日終値につけた最高値が自社製半導体事業参入発表前日にあたる3月23日比で73.35%高となっており、割高感も強まってきた。ブルームバーグによると、株価と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は6日段階で111倍となっている。アームが示した4-6月期の業績見通しは、これまでの株価急騰を正当化するほどの強さではないとみられ、今後は株価上昇にブレーキがかかる展開も想定されそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。