ドル円、為替介入へ緊張 日銀会合後160円 FOMCにサプライズは?
ドル円相場は日銀決定会合後も160円台前半で推移。日銀が利上げペースについてヒントを示さない中、関心は17日までのFOMCに向かっている。
ドル円相場で為替介入を見据えた緊張感が続いている。ドル円相場は日本時間16日の取引で1ドル=160円台前半で推移。午前12時台には日本銀行が半年ぶりに政策金利を引き上げたと伝わったが、ドル円相場の値動きは小幅に留まった。日銀は今回の利上げ後も追加利上げを進める方向性を示しつつ、内田真一副総裁の記者会見では利上げペースを速める姿勢も緩める姿勢も感じさせず、ドル円相場急変のきっかけを与えなかったといえる。また、ドル円相場をめぐっては、米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ新議長が16、17日に就任後初の連邦公開市場委員会(FOMC)に臨むこともあり、投資家にはFRBの動向を見極めたいとの思惑もありそうだ。ウォーシュ氏の情報発信から利上げ姿勢がにじむサプライスがあれば、ドル円相場では円安要因となる可能性がある。ただ、ウォーシュ氏の立場が中立的とみなされた場合には、イラン和平への期待が円高材料として意識され、円安基調が弱まる展開も考えられる。
ドル円相場は160円台前半 日銀の半年ぶり利上げを静観
ドル円相場(USD/JPY)は日本時間16日午後6時53分段階で1ドル=160.30円で取引されている。ブルームバーグによると、ドル円相場は午前5時台に160.40円をつけた後、正午すぎには160.05まで円高が進行。その後、日銀の利上げ決定が伝わると、円安方向の値動きとなり、160円台前半での値動きが続いている。引き続き、日本政府による為替介入が警戒される水準といえそうだ。
日銀は物価上昇上振れリスクに言及 内田副総裁は利上げペースへの言及を回避
日銀の利上げは2025年12月19日以来、半年ぶりで、政策金利は1995年9月以来の1.00%という高さに引き上げられた。声明文では利上げ決定の背景となる物価情勢について、原油高に伴うコスト増を価格に転嫁する動きが企業間取引では「やや速いスピードで進んでいる」とし、消費者物価の基調的な上昇率が目標とする2%を超えて「上振れていくリスクがある」と分析した。同時に政府によるエネルギー負担緩和策や、中東依存度が高い原材料の代替調達が進展しているとも指摘し、「経済が大きく下振れるリスクはひところよりも低下している」としている。ただ、利上げ自体は金融市場の事前予想に沿った結果で、大きな値動きにはつながらなかった。
また、日銀は投資家の関心が集まった今後の金融政策の方向性についても新たな情報を示さなかった。日銀の声明文は足元の経済状況を踏まえ、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整してく」との立場を維持。感染症治療のため入院中の植田和男総裁に代わって記者会見した内田氏は、中東情勢が経済に与える影響などを慎重に見極める必要があるとの立場を繰り返した。物価上昇が上振れるリスクが高まったとの判断についても「フェーズが変わったわけではない」とし、今後の利上げのタイミングは経済情勢をふまえつつ手探りで判断する考えも示している。ブルームバーグによると、16日午後6時53分の金融市場で見込まれている10月の決定会合後の政策金利の水準は1.104%で、前日段階と同じ水準。12月決定会合後の政策金利の見通しも前日段階から0.002%ポイントの上昇に留まっている。
FRBのウォーシュ新議長が初のFOMCへ 利上げ示唆のサプライズなら円安か
こうした中、ドル円相場の関心はFRBのFOMC後の情報発信に向かっていきそうだ。金融市場では、今回のFOMCでの政策金利維持が確実視されており、ウォーシュ氏が17日にFRB議長として初めて行うFOMC後の記者会見が最大の注目点。中東情勢をめぐる緊張緩和が原油価格の下落につながる中、金融市場ではFRBの利上げ見通しが後退しているが、ウォーシュ氏の記者会見から追加利上げに前向きな姿勢が感じられればサプライズとなり、ドル円相場では円安要因として意識されそうだ。ウォーシュ氏は景気や物価上昇の過熱への警戒に軸足を置く「タカ派」の一面も知られている。
一方、ウォーシュ氏は2025年4月の講演では、中央銀行は経済見通しに関する情報発信に抑制的であるべきだとの立場を示したこともあり、内田氏と同様、今後の金融政策に関する新たな材料を示さない可能性もある。この場合、ドル円相場ではイラン和平への期待に注目が集まり、有事のドル買いの巻き戻しが円安基調を弱める可能性も考えられる。
FX市場では有事のドル買いの巻き戻しが進行 ドル円相場は緊張感継続か
FX市場では、ドナルド・トランプ大統領が和平協議の内容がイランの最高レベルの指導部に承認されたと明かした11日以降、主要通貨がドルに対してじわじわと強くなっている。日本時間16日午後6時53分段階の各通貨の水準を10日のニューヨーク市場終値と比較すると、豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)は0.97%の豪ドル高、ユーロの対ドル相場(EUR/USD)は0.57%のユーロ高、ポンドの対ドル相場(GBP/USD)は0.37%のポンド高だ。円の対ドル相場は0.13%の円高となっている。
日銀が利上げを決め、FRBの金融政策の見通しが変化しない中でドル円相場が円安に進むことになれば、日本政府による為替介入の可能性は高まる。ドル円相場は引き続き、小さな値幅の中で緊張感のある取引が続くことも考えられそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 外国為替取引業者との主要取引関係数による(Investment Trends UK レバレッジ取引レポート、2024年7月発表)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。