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ドル円、円安急進 日銀利上げ後157円台 為替介入の可能性も浮上

ドル円相場は日銀の植田総裁の記者会見後に円安が急進。一方、日本の長期金利上昇は日米金利差縮小にもつながっており、為替介入の可能性もある。

ドル円、円安急進 日銀利上げ後157円台 為替介入の可能性も浮上 出所:ブルームバーグ

ドル円相場で、日本銀行の11か月ぶりの利上げ決定後、円安が急進した。ドル円相場は19日夜の取引で1ドル=157円台をつけ、約4週間ぶりの円安水準となっている。日銀の植田和男総裁の記者会見が追加利上げに慎重な内容だと受け止められたことが要因だ。ただ、植田氏は今後も物価動向次第では追加利上げを行う方向性を示しており、債券市場では円高要因といえる長期金利(10年物国債利回り)の上昇がみられた。長期金利は19日の終値で2.016%となり、約26年4か月ぶりの高水準に到達している。また、アメリカでは18日に発表された11月の消費者物価指数(CPI)が米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しを強めており、ドル円相場の背景となる日米金利差は2022年3月以来の小ささとなっている。このためドル円相場での円安がさらに加速していけば、投機的な値動きとみなされ、日本政府による為替介入の可能性も浮上しそうだ。

ドル円相場は157円台前半 植田総裁の会見後に円安進行

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間19日午後7時32分段階で1ドル=157.31円で取引されている。ブルームバーグによると、11月21日につけた157.54円以来、約4週間ぶりの円安水準だ。ドル円相場は17日午前には154.52円をつけていたが、2日半をかけて3円近い円安が進んだことになる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

円安進行を後押ししたのは植田氏の記者会見だ。日銀は19日までの金融政策決定会合で1月24日以来、11か月ぶりの利上げを決定。政策金利である無担保コールレートは0.75%とされ、1995年8月以来、30年ぶりの高さとなった。一方、植田氏は追加利上げのペースについては踏み込んだ言及を避け、今回の利上げが経済活動や物価に与える影響を見極めながら、「手探り」で進めていくと述べるにとどめた。こうした植田氏の発言はドル円相場では、日銀は追加利上げに慎重と受け止められた。ドル円相場は記者会見開始時は1ドル=155.95円で取引されていたが、会見終了後に156円台後半を超えて円高が進んだ。

植田氏は追加利上げの余地に言及 物価動向次第で「十分にありえる」

ただ、日銀が今後も利上げを見据えていることは間違いなさそうだ。植田氏は記者会見で0.75%に引き上げた政策金利について、経済活動を刺激することも冷やすこともない中立金利の推計範囲の下限よりも下にあると言及。これまでに政策金利を0.5%まで引き上げてきたことで経済活動を冷やす強い効果があったわけではないとも述べ、追加利上げの余地があるとの見方を示唆した。日銀は声明文の中で、現在の金利水準から物価上昇率を差し引いた実質金利は「きわめて低い」とし、経済活動を下支えする効果は保たれているとの見方を示している。

また、日銀は声明文の中で、2026年の春闘に向けた労使協議の動向を踏まえ、「賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムが維持される可能性が高い」とも指摘。植田氏は記者会見で、今後は賃上げが物価にどのように波及するかがポイントになるとし、基調的な物価上昇の動向をみたうえで金融政策の変更を判断することは「十分にありえる」とした。

2026年6月までの利上げ確率は65% 長期金利は26年4か月ぶりの高さ

こうした日銀からの情報発信を受けて、投資家の間では2026年上半期の追加利上げも視野に入っているようだ。ブルームバーグによると、19日午後7時32分段階の金融市場で見込まれる2026年6月の決定会合後の政策金利の水準は0.886%で、前日から0.013%ポイント上昇。6月までの利上げ確率は65%とされている。同時に19日の債券市場では長期金利が上昇。ブルームバーグによると、19日の終値は2.016%で、1999年8月25日(2.016%)以来の高さとなっている。

日銀の政策金利の見通しの推移のグラフ

アメリカの物価上昇率は大きく低下 FRBの利下げ見通し強まる

またドル円相場では米国経済の動向からも円高圧力がくすぶっている。米労働省が18日に発表した11月CPIの伸び率は総合指数で前年同月比2.7%となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の3.1%を大きく下回った。食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率の2.6%も市場予想(3.0%)から大きく下振れしている。11月CPIは政府機関閉鎖の影響で10月のデータが集計されなかったことなどの結果、信頼性が落ちていると指摘されているものの、米国の18日の金融市場ではFRBの利下げ見通しが強まり、長期金利は低下した。

アメリカの消費者物価指数の伸び率の推移のグラフ

日米の長期金利差はFRBの利上げ開始時の水準に 円安継続なら為替介入の可能性も

日本の長期金利上昇と米国の長期金利低下はドル円相場の背景となる日米金利差を縮めた。ブルームバーグによると、日米の長期金利差は日本時間19日午後7時32分段階で2.128%ポイント。ロシアによるウクライナ侵攻などによる物価上昇を受けてFRBが利上げに着手した2022年3月以来の低水準となっている。

日米の長期金利差とドル円相場の推移のグラフ

このため、ドル円相場での円安がさらに進んだ場合には、日本政府が日米の経済の実態に反する投機的な値動きとみなす可能性もありそうだ。日本政府は2024年4月の金融政策決定会合の翌営業日や、7月に米国で発表されたCPIが物価上昇の減速を示した後、円安が進み始めたタイミングで為替介入に踏み切ったとみられており、足元のドル円相場でも為替介入への警戒感が強まる展開も考えられそうだ。


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