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アーム、AIブームの見通しに不安 4日決算 3割下落の株価に逆風も

アーム・ホールディングスの2025年10-12月期決算は半導体需要の高まりが追い風。ただ、投資家のAIブームへの期待は後退している。

アーム、AIブームの見通しに不安 4日決算 3割下落の株価に逆風も 出所:Adobe Images

英半導体大手アーム・ホールディングスが4日に行う2025年10-12月期決算発表は投資家の失望を招く恐れがある。アームの10-12月期決算は総収入と利益の成長がともに鈍化する見通し。7-9月期の好決算をもたらしたライセンス契約での急成長は維持できないとみられている。一方、アームには人工知能(AI)ブームを背景とした半導体需要の強さという追い風があり、アームの株価にとっては好材料。ただ、前回決算から3割近く下落してきた株価は、投資家が抱くAIブームの継続性への不安の大きさを感じさせており、アームが4日に示す2026年1-3月期の見通しが期待外れとなれば、株価の下落が進む可能性もありそうだ。

アームの2025年10-12月期決算は総収入と利益の成長が減速する見通し

アームはアメリカ東部時間2月4日午後5時(日本時間5日午前7時)から決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、アームの10-12月期決算は総収入が前年同期比25.2%増の12.30億ドルになる見通し。調整ベースの1株当たり利益(EPS)は5.1%増の0.41ドルと見込まれている。予想通りになれば、総収入は前四半期(7-9月)の34.5%から成長が減速。1株当たり利益の伸び率も前四半期(30.0%)から大きく減少する。アームは2023年9月14日に米ナスダック市場に米国預託証券(ADR)を上場し、これまに9回の四半期決算を発表。実績が市場予想を下回ったのは、総収入と1株当たり利益ともに2025年4-6月期のみだ。

アーム・ホールディングスの業績の推移のグラフ

アームの株価は前回決算発表から28.4%安 割高感は大きく和らぐ

アームの株価(ARM)の26日の終値は114.73ドルで、前回決算発表があった11月5日比で28.4%安となっている。前回決算発表は7-9月期の実績と、10-12月期の業績見通しで市場予想を超える好決算となり、時間外取引で株価が一時8%超も上昇したが、翌6日以降の株価は下落基調をたどった。26日の終値は2024年7月10日の最高値(186.46ドル)から38.47%安の水準だ。

アームの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は26日時点で53.8倍。前回決算発表当日の81.6倍程度から割高感が和らいでいる。アナリストが提示する目標株価の平均は161ドル程度で、現状よりも40%ほど高い。49人のアナリストのうち29人は買い、15人は維持、5人は売りを勧めている。

アームはライセンス収入の成長が鈍化の見通し 旺盛なAI関連半導体需要は追い風

アームの総収入の減速が見込まれている理由はライセンス契約の減速見通しだ。アームの総収入の二本柱は、顧客企業との間でアームの技術を用いた半導体製造の契約を結ぶ際にアームが受け取るライセンス収入と、顧客企業がアームの技術を用いた半導体の製造で得た収益に応じて受け取るロイヤルティ収入。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、このうちライセンス契約は10-12月期は前年同期比29.0%増となり、7-9月期の56.1%増から大きく減速すると見込まれている。アームは7-9月期のライセンス収入について、次世代製品向けの需要や一部重要顧客との関係強化で押し上げられたと説明しており、高い伸び率の維持は困難な可能性がある。

アームのライセンス収入とロイヤルティ収入の推移のグラフ

一方、アームのライセンス契約をめぐっては、旺盛な半導体需要が追い風になることも考えられる。半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)は15日、2026年も強気な設備投資を続け、生産能力の増強を図る方針を表明。またメモリ半導体の製造を手掛ける米マイクロン・テクノロジー(MU)も12月17日の四半期決算発表に際し、2026年8月通期の業績は「力強さを増し続ける」とした。AIブームは半導体製造能力を増強する必要性を高めており、半導体の省電力化に大きな効果を発揮するとされるアームの技術への需要が増すとの期待は、アームの株価を上昇させる要因といえそうだ。

アームの株価はオープンAIとの関連が重荷か 1-3月の業績見通しの強気度は?

しかしアームの株価は、対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIとの関係が不安材料になっている可能性もある。アームはNVIDIA(エヌビディア、NVDA)やクラウド事業を手がけるオラクル(ORCL)などともにオープンAIの大規模AIインフラ構築構想「スターゲート」の技術パートナー。ただ、オープンAIの成長性への期待は、インフラ構築に必要な資金調達の手法が不透明なことや、AI事業の総合力や財務の健全性が評価されているアルファベットGOOGL)との競合の結果、大きく後退。株式市場でのAIブームの継続性は危ぶまれている。アームや親会社のソフトバンクグループ(9984)の株価は、スターゲート関連各社の株価ともに下落してきた。

アーム、オラクル、ソフトバンクグループ、エヌビディア、マイクロソフト、S&P500の推移のグラフ

このためアームの4日の決算発表では、アームが示す1-3月期の見通しに強気さが感じられるかが焦点となりそうだ。旺盛な半導体需要がライセンス契約の拡大につながるといった前向きな期待が高まれば、アームの株価が大きく上昇することも考えられる。逆に1-3月期の見通しが冴えない結果となれば、オープンAIとの関係の深さが投資家心理を冷やし続ける展開も想定される。


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