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TSMC、AIブーム継続への自信は? 17日決算 半導体株に追い風も

TSMCは17日に4-6月期決算を発表する。AIブームを背景とした成長に自信を示せば、世界の半導体株にとっての追い風になる可能性がある。

TSMC、AIブーム継続への自信は? 17日決算 半導体株に追い風も 出所:Adobe Images

半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が17日に行う2025年4-6月期決算発表は人工知能(AI)ブームへの期待が膨らむかがどうかが焦点だ。TSMCが10日に発表した台湾ドルベースでの2025年4-6月期の総収入は市場予想を上回る水準。利益を含めた業績の全体像を示す17日の決算会見で、魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOが7月以降の見通しに自信を示せば、投資家心理はさらに明るくなりそうだ。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)などを顧客とするTSMCの好決算は、世界の半導体企業の株価にとって追い風となる可能性がある。ただしアメリカのドナルド・トランプ大統領の高関税政策の行方は依然不透明で、AIブームにとっての不確定要素が消えたわけではない。TSMCなどの半導体株にはトランプ氏の言動で相場が急変するリスクもつきまといそうだ。

TSMCの2025年4-6月期決算は総収入と利益の成長がともに加速の見通し

TSMCは台湾時間の17日午後2時(日本時間17日午後3時)から4-6月期の決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想では、総収入が前年同期比52.89%増の318.34億ドルになる見通し。TSMCが米国で上場している米国預託証券(ADR)ベースでの1株当たり利益(EPS)は68.92%増の2.50ドルと見込まれている。総収入と1株当たり利益はともに、1-3月期から伸び率が加速する形だ。

台湾積体電路製造(TSMC)の総収入と1株当たり利益の推移のグラフ

こうした好業績への期待はTSMCが決算に先駆けて10日に発表した月次の台湾ドルベースでの総収入でも裏付けられている。6月の総収入は前年同月比26.9%増の2637億台湾ドル。この結果、4-6月期の総収入は前年同期比38.6%増の9337.92億台湾ドルとなった。ブルームバーグがまとめた事前予想の9281億台湾ドル(37.8%増)を上回る数字だ。4月から6月の台湾ドルベースでの総収入を各月の台湾ドルの対ドルレートの平均値で換算すると302億ドルとなる。

TSMCの月次の売上高の推移のグラフ

TSMCの株価は4月の底値から62%超の反発 最高値更新を継続

TSMCのADRでの株価(TSM)の10日の終値は前日比0.90%安の229.76ドル。ブルームバーグによると、TSMCの株価はトランプ氏が相互関税を一部停止する前日の4月8日には141.37ドルまで下落した後、足元までに62%超高と急反発している。6月27日には1月23日につけた最高値を5か月ぶりに更新し、その後も株価が上昇している。

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は10日時点で22.8倍。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値(16.8倍)を上回っている。アナリストが提示する目標株価の平均は224.39ドルで、現状よりも2%ほど安い水準。31人のアナリストのうち30人は買い、1人は維持を勧めている。

TSMCは決算会見で高成長の見通しを維持できるか 顧客企業の動向に変化は?

TSMCの決算会見で注目されるのは魏氏が示す業績の見通しだ。TSMCはエヌビディアやアップルなどを顧客に持ち、最先端半導体のサプライチェーンの中核を占める存在。TSMCの業績は世界のハイテク企業のAI投資の動向を占う試金石とも位置づけられている。TSMCが6月の総収入を発表した10日の米国株式市場では、エヌビディアの株価(NVDA)が前日比0.75%高、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)が1.35%高になるなど、半導体株が値上がりした。

エヌビディア、 TSMC、アーム・ホールディングスなどの半導体企業の株価の推移のグラフ

魏氏は4月17日の前回(1-3月期)決算会見で、2025年の総収入について「前年比20%台半ば」の成長が見込めると言及。トランプ氏が矢継ぎ早に高関税政策を繰り出す中でも、顧客企業の行動に変化は出ていないとした。一方、組み立てや試験なども含めた半導体受託製造関連市場の2025年の成長率については、1月時点では10%と見込んでいたことを指摘するにとどめ、4月時点の新たな見通しは示していなかった。

ブルームバーグによると、TSMCは6月3日の株主総会でも、TSMCとして2025年に20%台半ばの成長を達成するとの見通しを維持している。こうした中、魏氏が17日の決算会見で、7月以降の見通しについて強気な姿勢を示せば、半導体株にとって追い風になる可能性がありそうだ。

トランプ氏の高関税の影響は依然不透明 台湾ドル高は利益圧迫の要因か

ただ、トランプ氏の関税政策の見通しは依然として不透明で、TSMCの顧客であるアップルは高関税の結果として4-6月期に9億ドルの悪影響を受けるとの見通しも示している。またFX市場では4月下旬から5月初めにかけて、台湾ドルの対ドルレートが7%超も台湾ドル高に振れており、魏氏は株主総会で台湾ドル高の結果として営業利益率が3%ポイント低下したと述べたという。台湾ドル高は、トランプ氏が貿易赤字の解消を目指す中で台湾ドル高を望んでおり、台湾当局も台湾ドル高を容認しているとの観測が拡大したことが要因。トランプ氏を震源地とする世界経済の混乱は、AIブームやTSMCの業績にとっての不安材料といえそうだ。

台湾ドルの対ドルレートの推移のグラフ

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