アマゾン、株価上昇加速も 29日決算 AI成長の見通し示せるか
アマゾンの2026年1-3月期決算は成長加速の有無が焦点。巨額のAI投資の成果が出ていれば、最高値付近にある株価の上昇が加速する可能性がある。
アマゾン・コムが29日に行う2026年1-3月期決算発表は人工知能(AI)関連投資の成果を示せるかどうかが焦点だ。アマゾンの1-3月期の総収入は伸び率の加速が予想されており、AIサービスの提供基盤となるクラウドサービスが成長の原動力となる見込み。アマゾンの株価は20日段階で最高値付近で推移しており、取引時間終了後に発表したAI開発企業アンソロピックへの追加投資も好感された。投資家の期待はすでに膨らんでいるといえ、決算発表後に株価上昇が勢いづく可能性もある。ただ、アマゾンはこれまでAI関連投資の負担の大きさが問題視されており、投資に見合った成長が実現できていなければ、株価は急落に見舞われかねない。また、アマゾンの小売関連事業はイラン戦争の悪影響を受けている恐れもあり、投資家にとっては不安要素といえそうだ。
アマゾンは29日に2026年1-3月期決算を発表 総収入の成長が加速する見通し
アマゾンはアメリカ東部時間29日午後5時30分(日本時間30日午前6時30分)から決算会見を開く。ブルームバーグによると、アマゾンの1-3月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比13.8%増の1771.71億ドルになる見通し。1株当たり利益(EPS)は1.3%増の1.61ドルになるとみられている。予想通りになれば、総収入は4四半期連続で、成長率が前四半期の実績よりも高くなる一方、1株当たり利益の成長は前四半期(4.8%)から鈍化することになる。アマゾンは直近24回の四半期決算のうち6回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では、前回を含めた6回で市場予想を下回っている。
アマゾンの株価は最高値に接近 投資家の強気が戻ればさらなる上昇の余地
アマゾンの株価(AMZN)の20日の終値は248.28ドルで、前回の決算発表があった2月5日との比較で11.49%高。イラン戦争後の投資家心理悪化を受けて、3月27日には199.34ドルまで値下がりする場面もあったが、17日には250.56ドルまで回復し、11月3日につけた最高値(254.00ドル)に接近した。
ブルームバーグによると、アマゾンの直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は20日段階で25.2倍程度。前回決算発表時の22.5倍程度から割高感が増している。ただ、20日の水準は株式市場でAIブームが本格化した2023年以降の平均値(30.5倍)を下回っているうえ、最高値当時の27.3倍よりも低い。投資家の強気が戻ってくれば、アマゾンの株価にはさらなる上昇余地があるとみることができそうだ。
クラウド事業は成長加速の見通し アンソロピックとの関係強化を市場は好感
アマゾンの株価が勢いづいている背景には、米国とイランがともに和平を見据えていることへの評価に加え、AIサービスの本格的な普及への期待がありそうだ。アマゾンの1-3月期決算では、クラウド事業の総収入が前年同期比25.1%増の366億ドルになると予想されており、2022年7-9月期(27.5%増)以来の高成長になる見通し。予想通りであれば、成長率は4四半期連続で前四半期よりも高くなり、クラウド事業の高い成長性が持続されているとの評価につながりそうだ。
アマゾンは20日の取引時間終了後には、アンソロピックとの関係強化を発表。アマゾンが20日付でアンソロピックに50億ドルを投資し、さらに最大200億ドルの追加投資を行う可能性があるとした。アマゾンはすでにアンソロピックに80億ドルを投資しているという。これに対してアンソロピックは、アマゾンのクラウドサービスの活用を進め、今後10年間でアマゾンに対して1000億ドル以上を支払う。この発表を受け、20日の時間外取引ではアマゾンの株価が上昇。ブルームバーグによると、一時、255.91ドルをつけ、直前の20日終値から3.07%高となった。
AI関連投資の重さは不安材料 AI成長を示すことができなければ株価下落も
ただ、アマゾンはこれまでAI関連投資の重さが不安視されてきた。前回の決算発表では2026年の設備投資額が2000億ドルになるとの見通しを示したことが、将来的な収益を圧迫する悪材料視とみなされ、翌2月6日の株価は前日比5.5%安となった。このためアマゾンが29日の決算発表で、クラウド事業の成長性を示すことができなければ、巨額投資の成果が得られていないとみなされ、株価が急落に見舞われる展開も想定されそうだ。
また長期化するイラン戦争は消費者心理の悪化を通じて、アマゾンの小売関連事業に悪影響を及ぼしている可能性がある。ブルームバーグがまとめた事前予想では、1-3月期の小売関連事業の収入は前年同期比9.8%増の1092億ドルと見込まれ、前四半期の9.9%増から成長が鈍化するとみられている。イラン戦争を受けた原油価格の上昇は小売関連事業の仕入れコストの増加を通じて、アマゾンの収益性を下押しする恐れもあり、投資家から不安要素とみなされる可能性もある。
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