アドバンテスト、円安で業績予想上方修正か 28日決算 最高値も
アドバンテストの10-12月期決算発表は業績見通しの上方修正が焦点。円安や需要の強さが追い風となる中、最高値更新の可能性もある。
半導体検査装置大手のアドバンテストが28日に行う2025年10-12月期決算発表は業績予想の上方修正が期待される。アドバンテストは3か月前の業績予想では下期の想定為替レートを1ドル=140円に設定。足元までに円安が大きく進んでいることを踏まえれば、営業利益の積み増しが考えられそうだ。また半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が2026年の業績について強気な見通しを示したことも、アドバンテストの経営環境の良好さを示している。一方、アドバンテストの株価は2025年10月末につけた最高値付近で足踏みしており、株価上昇への期待には頭打ち感も出ている。またドル円相場には為替介入による円高急進の恐れもあり、アドバンテストの株価にとっての不安材料だ。ただ、28日の決算発表で業績予想が大幅に上方修正されれば、投資家心理は上向くとみられ、株価が最高値更新を果たす展開も考えられる。
アドバンテストの2025年10-12月期は総収入が減収になる見通し
アドバンテストは28日午後3時30分に10-12月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総収入は前年同期比1.6%減の2147億円になる見通し。営業利益は7.2%増の742億円になるとみられている。アドバンテストは過去22回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を超えられなかった。営業利益では9回で市場予想を下回っている。
アドバンテストの株価は9か月で4.5倍に 割高感が強まる
アドバンテストの株価(6857)の16日の終値は2万2800円で、前回(7-9月期)決算発表があった2025年10月28日との比較で25.83%高となっている。アメリカのドナルド・トランプ大統領が発表した相互関税が世界の金融市場を混乱させていた4月7日の底値(5034円)との比較では、株価が4.5倍になっている。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は16日終値段階で51倍程度。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値である37.4倍程度を大きく上回っている。アナリストが提示する目標株価の平均は2万0771円で、16日終値よりも9%ほど低い。26人のアナリストのうち16人は買い、9人は維持、1人は売りを勧めている。
アドバンテストは円安進行が追い風 業績予想の上方修正に期待
アドバンテストの10-12月期決算発表で業績予想の上方修正の可能性があるのはドル円相場(USD/JPY)での円安が進んでいるためだ。ブルームバーグによると、ドル円相場は前回決算発表時は1ドル=152円程度だったが、足元では157円台で推移している。またアドバンテストは前回の業績見通し作成に際し、2025年度下期(2025年10-2026年3月期)のドル円相場を140円と想定。実際には10月以降のドル円相場が平均154円台後半で推移していることを踏まえれば、アドバンテストの想定を大きく超える円安が進んだといえる。アドバンテストはドル円相場で1円の円安が進んだ場合、営業利益に29億円の増収効果があるとしている。
また人工知能(AI)ブームを背景にした半導体需要の強さもアドバンテストの業績にとって追い風だ。最先端半導体の製造を一手に担うTSMCは15日、2026年の総収入は前年比30%近くなるとの見通しを公表。AI関連事業の収入の2024年から2027年にかけての成長率予想も上方修正し、年率換算で「50%台半ばから後半」になるとした。アドバンテストのダグラス・ラフィーバCEOは7月下旬段階で、業績は10-12月期が底になるとの見立てを示しており、2026年1月以降は想定通りに力強い成長が進む可能性がありそうだ。
日本政府の為替介入で円高急進も 見通し上方修正での最高値更新なるか
一方、アドバンテストの株価は2025年10月31日につけた最高値(2万3135円)を超えられない状況が続いている。14日には2万3060円まで上昇する場面もあったが、その後、記録更新には至っていない。ブルームバーグによると、アドバンテストの株価の前回決算発表から16日までの上昇率(25.83%高)は、今後12か月の予想1株当たり利益の同じ期間での上昇率の20%程度を大きく超えており、株価のさらなる値上がりへの期待が頭打ちになっている可能性がありそうだ。また、一時1ドル=159円台半ばまで進んだドル円相場での円安は、日本政府による為替介入で円高が急進するシナリオを連想させる事態でもあり、アドバンテストを含む海外で稼ぐ日本企業の株価にとっては逆風だ。
ただ、アドバンテストが28日の決算発表に際して、2026年3月期の業績予想を大きく上方修正すれば、株価上昇が改めて勢いづく可能性がある。ブルームバーグによると、金融市場で見込まれている2026年3月期の総収入は9643億円、営業利益は3823億円。アドバンテスト自身が示した業績予想の総収入9500億円と営業利益3740億円を超える水準だ。アドバンテストの株価の今後の見通しは、アドバンテストがドル円相場や半導体市場の動向を織り込み、改めて強気な見通しを示すかどうかにかかってきそうだ。
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