メタの4-6月期決算は成長が減速する見通し。設備投資負担も株価の悪材料だが、AIを用いた新事業の展望次第では株価上昇の可能性もある。
フェイスブックなどのSNSを展開するメタ・プラットフォームズが29日に行う2026年4-6月期決算発表は収益性向上への展望が焦点となる。メタの4-6月期決算は総収入の伸び率が前四半期から低下する見通し。人工知能(AI)開発のために続けてきた巨額の設備投資計画がさらに上振れすることになれば、株価急落を招きかねない。ただ、メタの事業展開をめぐっては7月以降、クラウド事業への進出の検討やAIモデルの有償化が報じられており、メタはAI事業の収益化を急ぎだしたもよう。このため29日の決算発表では、マーク・ザッカーバーグCEOが新事業について具体的な道筋を示すことができるかが注目され、投資家の納得を得られれば、株価の上昇が勢いづく展開も考えられそうだ。
メタはアメリカ東部時間29日午後4時30分(日本時間30日午前5時30分)に決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、メタの4-6月期決算は総収入が前年同期比26.8%増の602.73億ドルになる見通し。1株当たり利益(EPS)は1.0%増の7.21ドルになると見込まれている。予想通りになれば、総収入の伸び率は前四半期(1-3月期)の33.1%増から減速し、1株当たり利益の伸び率も前四半期(13.7%増)から大きく低下することになる。メタは2020年以降の25回の四半期決算のうち、3回で総収入が予想を下回った。1株当たり利益では5回、予想を超えられなかった。
メタの株価(META)の21日の終値は643.81ドルで、前回決算発表があった4月29日との比較では3.78%安。6月25日には542.87ドルまで値下がりする場面もあったが、その後は回復基調となっている。ただ、21日終値は2025年8月12日の最高値(790.00ドル)からは18.51%安に留まる水準。オープンAIをはじめとするAI開発企業がAIサービスの強化を進め始めたことをきっかけとして、メタの株価は不振が続いているといえそうだ。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は21日段階で17.2倍程度で、前回決算発表時の18.6倍から低下。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値(20.1倍)も下回っており、割安感が出ている。アナリストが提示する目標株価の平均は815.20ドルで、足元よりも26%以上高い、最高値を超える水準。79人のアナリストのうち72人は買い、7人は維持を勧めている。
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メタの株価が前回決算発表から下落しているのは、AI事業の収益性が不足していると懸念されているためだ。メタは自社開発したAIモデルを無償公開して利用者を増やす戦略をとるとともに、2023年段階からAIを自社のSNS事業における動画表示や広告表示の精緻化に活用することで収益性を高めてきた。しかしアマゾン・コム(AMZN)などの大手ハイテク各社がクラウド事業を通じてAIを外部に提供することで事業規模を拡大していることと比べれば、巨額の資金を投じて開発したAIを利益につなげきれていないともいえる。
同時にメタはアマゾンなどと同様に、AI開発のために巨額の設備投資を続けてきたという悪材料も抱え込んでいる。前回4月の決算発表では、2026年通期の設備投資額の見通しとして1250億-1450億ドルの水準を示し、1月段階の見通しから100億ドル上積みした。メタは設備投資額の上振れはメモリ半導体の価格上昇が要因だとしており、今回の決算発表でさらに見通し額が増えれば、株価が急落する恐れがある。メタの株価は前回決算発表翌日に前日比8.55%安となっていた。
ただ、メタはAI事業をめぐって新たな展開を模索しているとみられ、投資家から好感されている。7月1日にはブルームバーグが関係者の話として、メタがAI開発のために構築してきたデータセンターなどを活用して、アマゾンなどと同様のクラウド事業に参入することを検討していると報道。メタの株価は前日比8.81%高となった。またザッカーバーグ氏は9日のブルームバーグでのインタビューで、AIモデルのミューズ・スパークの最新版を開発者向けに公開するにあたり、有料化することを明かし、株価は9日と10日の連騰で合計10.96%高となっている。
このため29日の決算発表に際しては、ザッカーバーグ氏の新事業をめぐる発言が注目される。クラウド事業やAIモデルの提供で競争を勝ち抜く戦略を示すことができれば、割安感がある株価が急上昇する可能性もありそうだ。
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