メタ、株価急落 設備投資見通し引き上げ 利益成長でも不安拡大
メタの1-3月期決算は好業績だったが、時間外取引で株価は急落。設備投資額の見通し引き上げが悪材料視されている。
SNS大手のメタ・プラットフォームズが29日の取引時間終了後に行った2026年1-3月期決算発表は投資家の不安を拡大させた。1-3月期決算は総収入と利益の成長がともに加速する好業績。人工知能(AI)の活用による広告事業の効率化が奏功した。しかし決算発表では2026年通期の設備投資額の見通しを引き上げたことが悪材料視され、株価は29日の時間外取引で7%近く急落した。メタはAI開発に巨額の投資を続けているが、収益化の道筋についてはマーク・ザッカーバーグCEO自身も不確かなようだ。AIモデル同士の競合が激化する中、メタが収益化を伴う勝機を見出せなければ、株価に下落圧力がかかり続ける可能性がありそうだ。
メタの2026年1-3月期決算は総収入と利益がともに成長加速
メタの1-3月期決算は総収入が前年同期比33.1%増の563.11億ドル。1株当たり利益(EPS)は10.44ドルとされたが、2025年7月に成立した減税関連法に伴う増収効果を除けば、前年同期比13.7%増にあたる7.31ドルとなった。総収入と1株当たり利益はともに、前四半期から伸び率が大きくなっている。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が555.12億ドル、1株当たり利益が6.65ドル。発表された実績はいずれも市場予想を上回った。
メタの総収入の成長加速は収益の大半を稼ぎ出す広告事業の好調さの結果だ。メタはSNSのフェイスブックやインスタグラムに表示する広告をAIの活用によって最適化する取り組みを継続。広告の表示回数は前年同期比19%増になり、こうした広告効果は広告単価の12%上昇にもつながったという。
2026年の設備投資額は1250億-1450億ドルに上方修正 時間外取引で株価急落
しかし決算発表での投資家の関心は、AI開発やサービス展開のためにかける設備投資額の大きさに集まった。メタは決算発表に際し、2026年通期の設備投資額は1250億-1450億ドルになるとの見通しを公表。前回決算発表時に示した1150億-1350億ドルから100億ドルの上積みとなった。メタの2025年通期の設備投資額(721億ドル)との比較では9割近い増加になる計算だ。ザッカーバーグ氏は今回の見通し引き上げの要因はメモリ半導体の価格上昇だと説明している。
こうした発表内容を受けてメタの株価(META)は29日の時間外取引で急落。ブルームバーグによると、一時、622.55ドルをつけて、直前の終値から6.96%安となる場面もあった。メタの株価は30日の時間前取引では608ドルまで下落している。
メタはAI事業の収益化に苦戦 ザッカーバーグ氏にとっても道筋不明
メタの株価が設備投資額の引き上げに下落で反応したのは、メタのAI投資の収益化の道筋が不確かなことがありそうだ。メタはAIブームの本格化が始まった2023年の段階でAIを活用することで広告の効率化を進めることができたと説明。大手ハイテク企業の中で、いち早くAIの収益化に成功したと位置づけられてきた。ただ、メタはSNS以外の顧客基盤に乏しく、クラウド事業で多くの法人顧客を擁するアルファベット(GOOGL)やアマゾン・コム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)に比べて、AI活用の幅が広がらない側面がある。
ザッカーバーグ氏は決算会見で、新AIモデル「ミューズ・スパーク」を搭載した自社の対話型AIサービス「メタAI」について、視覚認識や健康、ショッピングなどの分野で世界クラスのAIアシスタントになったとした。同時にザッカーバーグ氏は、メタはこれまでも質の高いサービスを作ったうえで、利用者を増やし、その後で収益化を図る道筋をとってきたことも強調。それぞれのサービスの展開について、「高度に精緻な計画をもっているとは思わない」としている。
AIモデルの競争激化 設備投資負担は今後も株価の重荷か
AIモデル同士の競争は群雄割拠の状況だ。AIブームの火付け役であるオープンAIは、ChatGPTの週間アクティブユーザー数が10億人に近づいている中でも収益化が危ぶまれている。一方、アルファベットのジェミニはクラウド事業と広告事業の両面で収益化に貢献し、AI開発企業アンソロピックのAIによる業務効率化ツールも法人向け市場で存在感を示している。
メタがSNS事業で擁する35.6億人の月間アクティブユーザーを生かし、これまでのAI投資を広告事業以外で収益に結び付ける期待を高められなければ、設備投資負担の重さが投資家の不安をかきたてる状況が続くことも考えられそうだ。
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