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豪ドル円、下落進むか 11日RBA理事会 年内利上げの可能性は?

オーストラリア中銀は11日に利上げを見送る見通しで豪ドル安が進む可能性がある。ただ、ブロック総裁の記者会見や米国の経済指標は豪ドル高要因となりえる。

Source: Adobe Images

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

豪ドル円相場が豪ドル安に動く可能性がある。オーストラリア準備銀行(RBA)が10、11日の理事会で2会合連続で利上げを見送る見通しであることに加え、オーストラリアの物価上昇率に減速の兆しが出ているためだ。ドル円相場では7月末の日米両政府による為替介入後に円高が進んだこともあり、豪ドル円相場が1豪ドル=109円台に向けた豪ドル安の値動きになることも想定される。ただ、RBAのミシェル・ブロック総裁が11日の理事会後の記者会見で物価上昇への警戒に軸足を置き、年内利上げの可能性が高まった場合には、豪ドルには上昇圧力がかかりそうだ。また米国で12日に発表される7月の消費者物価指数(CPI)の結果が強かった場合には、為替介入で急進した円高の反動で円安が大きく進む可能性もあり、結果として豪ドル円相場が豪ドル高方向に動く展開も考えられる。

オーストラリア中銀は11日に利上げを見送る見通し 物価上昇減速

RBAは11日午後2時30分(日本時間11日午後1時30分)に理事会の結果を発表する。ブルームバーグによると、金融市場では利上げ見送りが確実視されており、6月16日の理事会に続き政策金利が4.35%で維持されるもよう。RBAは2月から5月にかけて3会合連続で利上げを行っていたが、利上げサイクルは小休止が続くことになりそうだ。

RBAの利上げ見送りが見込まれる要因には、ブロック氏が7月28日の講演で様子見姿勢を示したことが挙げられる。ブロック氏はこの講演で、金融政策の効果は時間差をもって現れることを強調し、「今年の利上げの完全な効果はまだ感じられれいない」と言及。これまでの利上げが物価上昇率を抑え込むのに十分だったかどうかが、今後の注目点になるとした。さらに講演翌日の29日に発表された6月CPIの伸び率は総合指数で前年同月比3.8%となり、3カ月連続で前月から低下。ブルームバーグがまとめた市場予想の4.0%を下回った。変動率が大きかった項目を取り除いた刈り込み平均では3.6%で、こちらも市場予想の3.7%を下回っている。

オーストラリアのCPIの伸び率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、金融市場で見込まれる8月理事会後の政策金利の水準はブロック氏の講演当日の28日に4.402%となり、前日から0.022%ポイント低下。CPI発表当日の29日には前日比で0.044%ポイント低下した。8月利上げ確率は29日には4%となり、27日の30%から急降下した。

RBAの政策金利の見通しの推移のグラフ

豪ドル円相場は111円台 理事会後に豪ドル安の可能性 

このため、RBAが理事会で政策金利を維持するとともに、ブロック氏が記者会見で様子見姿勢を保てば、利上げへの慎重さが意識され、豪ドル円相場には下落圧力がかかりそうだ。豪ドル円相場(AUD/JPY)は日本時間10日午前11時34分段階で1豪ドル=111.77円で推移。7月27日には114.66円をつける場面もあったが、ブロック氏の講演と6月CPIを経て豪ドル安が進んだうえ、30日には日本政府による為替介入、31日には日米両政府による協調介入が行われ、8月3日には109.24円をつけていた。

豪ドル円の日足チャートと主な出来事のグラフ

RBAは物価上昇への警戒も維持 為替介入の反動で豪ドル高も

ただ、ブロック氏は物価上昇への警戒を緩めているわけではなく、11日の記者会見が豪ドル高要因とみなされる可能性もありそうだ。ブロック氏は7月の講演の際、イラン情勢悪化に伴う原油供給の障害が早期に取り除かれたとしても、「燃料価格の上昇が他の価格に波及する中で、基調的な物価がより高くなると想定される状態に変わりはない」とも述べている。ブロック氏の記者会見後の金融市場で年内利上見通しが強まれば、豪ドルに上昇圧力がかかるとみられる。

また、ドル円相場で為替介入による急激な円高が進んだことは、反動で円安が大きく進む可能性も示唆している。主要通貨の対ドル相場を7日のニューヨーク市場の終値と介入による為替相場の混乱が落ち着いた8月3日終値とで比較すると、円の対ドル相場は0.37%の円安。これに対して、豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)は0.96%の豪ドル高、ユーロの対ドル相場(EUR/USD)とポンドの対ドル相場(GBP/USD)はそれぞれ0.43%のユーロ高とポンド高となっている。

円、ポンド、豪ドル、ユーロの対ドル相場の推移のグラフ

こうした中、米国東部時間12日午前8時30分(日本時間12日午後9時30分)に発表される米国の7月CPIで示される物価上昇率が予想以上に高くなり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しが強まった場合には、円が値下がりする反応が、豪ドルが値下がりする反応よりも大きくなる展開も考えらえる。この場合は、結果として豪ドル円相場での豪ドル高の流れが復活する可能性もありそうだ。

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