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米国株週間見通し(6/9~13):S&P500予想5,840~6,150 インフレ指標と米中協議に注目

S&P500は節目の6,000へ再び上昇した。6月第2週(6/9~13)はインフレ指標が焦点となろう。インフレ再燃の懸念が強まれば調整売りを警戒したい。米中協議も変動要因となろう。株価指数CFD「米国500」の週間予想レンジは5,840~6,150。注目のチャートポイントをIG証券のアナリストが解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・5月のISM指数と雇用関連指標は、米景気の先行き不透明感を示唆した
・今週も経済指標にらみの相場を予想、注目指標は5月CPIと6月の期待インフレ率
・インフレ再燃の懸念が高まれば、S&P500の調整売りを促そう
・米国500、今週の予想レンジは5,840~6,150ポイント



好スタートの6月相場、しかしその裏では懸念材料も

6月第1週(2~6日)の米国株は5月株高の流れを維持し、好スタートを切った。

S&P500のセクター別パフォーマンスをみると、アルファベット(GOOGL)ト、メタ・プラットフォームズ(META)が属するコミュニケーション・サービスのセクターとエヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)が属する情報技術セクターが3%高で終えた。ハイテク株主導の株高が続いている。

対照的にディフェンシブセクターが下落した状況は、かえって投資家のリスク選好姿勢を示唆した。

S&P500セクター別パフォーマンス:6月2~6日

S&P500セクター別パフォーマンス:6月2~6日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

投資家のリスク選好姿勢は、株価指数の動向でも見て取れる。ハイテク株の比率の高いナスダックの総合指数とナスダック100指数はともに約2%高で終えた。上で述べたセクター動向を反映した株高である。

筆者が注目したのが中小型株のラッセル2000である。先週の上昇率は3%を超え主要3指数を上回った。ハイテク株買いと同時に中小型株にまで買いが入る状況は、株高のすそ野が広がっていることを示唆している。

米株価指数 週間の変動率:6月2~6日

米株価指数 週間の変動率:6月2~6日

ブルームバーグのデータで筆者が作成

米国株は株高トレンドを維持している。しかし水面下では懸念材料がくすぶる。それが5月経済指標の内容である。

先週はISM指数と雇用関連の経済指標が相次いで発表された。ISM指数は製造業と非製造業でともに好不況の分岐点とされる「50」を下回った。一方、非製造業の仕入れ価格指数は68.7と、ブルームバーグ予想の65.1を上回り2022年11月以来の故高い水準となった。トランプ関税の影響で企業の活動が低下した一方、インフレ再燃に対する警戒感が高まっていることを示唆する内容だった。

ISM非製造業景気指数の動向:過去1年間

ISM非製造業景気指数の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成

雇用関連の経済指標では5月のADP雇用統計が3.7万人と、ブルームバーグ予想の11.4万人を大きく下回った。また、6日のIG米国株レポートで指摘したとおり、新規失業保険申請件数は2週連続で増加し、4週移動平均は上昇基調にある。失業保険継続受給者数も高止まりしている(いずれも関連記事を参照)。

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米労働省が6日発表した5月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数は13.9万人増加と、ブルームバーグ予想の12.6万人増を上回った。しかし、4月から伸びが鈍化した。その4月の非農業部門雇用者数も17.7万人増から14.7万人増に下方修正された。失業率は3ヶ月連続で4.2%だった。先週の雇用指標は、総じてアメリカの労働市場が軟化の傾向にあることを示唆した。

6月第2週(9~13日)は最新のインフレ指標が順次発表される。インフレ再燃を示唆する内容が続けば「悪い金利の上昇」による株安を警戒したい。


インフレ再燃を警戒、5月のCPIと6月の期待インフレ率に注目

今週11日に5月の米消費者物価指数(CPI)がある。レポート掲載時点でのブルームバーグ予想では、トレンドを示す前年同月比が4月から上昇する見込みにある。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の前月比も0.3%増と、4月の0.2%増から伸びる見通しにある。

上で述べたとおり先週の5月指標では、企業活動の低下と労働市場の軟化が示唆された。この状況で5月CPIがインフレ再燃を示唆すれば、スタグフレーション懸念による調整売りを警戒したい。特に6日の市場で心理的節目の6,000ポイントへ上昇し、最高値圏の攻防にあるS&P500の下落幅が拡大する可能性がある。

一方、5月CPIが予想以下の内容ならば米株高の要因となるか材料視されることなく、次の指標にらみの展開を想定したい。

米国 消費者物価指数(CPI):過去1年間

米国 消費者物価指数(CPI):過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:5月予想

今週13日に6月のミシガン大学消費者態度指数が発表される。レポート掲載時点でのブルームバーグ予想は53.5と、5月確報値52.2から改善の見通しにある。

消費者マインドも重要だが、より注視したいのが期待インフレ率である。5月確報値の1年先期待インフレ率は速報値の7.3%から6.6%に下方修正された。6月速報値の予想は6.5%と、消費者が抱くインフレ期待が鈍化傾向を維持する見込みにある。5月CPIとともに伸びが抑制される場合は、米株高の要因となろう。

一方、消費者のインフレ期待が再び上昇する場合は、スタグフレーションの懸念を市場参加者に想起させよう。このケースでは株安を警戒したい。

ミシガン大学消費者態度指数と期待インフレ率:過去1年間

ミシガン大学消費者態度指数と期待インフレ率:過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒ドット:6月予想


9日に米中貿易協議、進展か?難航か?

トランプ米大統領は6日、今週9日にロンドンで米国と中国が通商問題を巡り閣僚級の協議を開くことを自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」の投稿で明らかにした。米国側からはベッセント財務長官、ラトニック商務長官そしてグリア米通商代表部(USTR)代表が出席する。中国からは経済政策を統括する何立峰副首相が出席する。中国のレアアース輸出規制、そして継続協議のため90日間停止している一部上乗せ関税で進展が見られる場合は、米国株の押し上げ要因となろう。

問題は協議が難航する場合である。トランプ米大統領は先月下旬、「中国が我々との合意を完全に破っている」と自身のSNSに投稿した。米通商代表部(USTR)のグリア代表もCNBCのインタビューで、中国はジュネーブでの合意を順守せず取り組みが遅いと指摘した。米中協議の難航を伝える報道が続けば、調整売りの要因となろう。インフレ再燃の懸念が重なる場合は下落幅の拡大を警戒したい。特に最高値が視野に入る米国500(S&P500が原資産の株価指数CFD)は、下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。


米国500の週間見通しとテクニカル分析

週間の予想レンジ上限:6,150
6日の米株式市場でS&P500は節目の6,000ポイントを維持して終えた(終値6000.36、日足チャートの赤矢印を参照)。20日線がサポートラインとして意識され、MACDとRSIはS&P500の強気地合いを示唆している。

今週の米経済指標と米中貿易協議が株高の要因となれば、米国500は2月19日の取引時間中に付けた最高値6,147ポイントのトライが焦点に浮上しよう(S&P500の最高値も6,147ポイント)。その上の6,150ポイントを今週の予想レンジの上限と想定したい。

米国500が6,150ポイントをトライするサインとして、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。フィボナッチ・エクステンション100.0%の水準6,075ポイントの突破は、6,100ポイントをトライするサインと捉えたい。

米国500が6,100ポイント台へ上昇する場合は、フィボナッチ・エクステンション161.8%の水準6,135ポイントのトライが焦点となろう。このテクニカルラインの突破は、予想レンジの上限6,150ポイントをトライするサインとなろう。

・6,150:予想レンジの上限(15分足)
・6,135:フィボナッチ・エクステンション161.8%(15分足)
・6,100:レジスタンスライン(15分足)
・6,075:フィボナッチ・エクステンション100%(15分足)
・6,017:6月6日の高値(15分足)

週間の予想レンジ下限:5,840
S&P500は短期間で節目の6,000ポイントまで上昇し最高値が視野に入る。ブルームバーグのデータによれば予想PERは2023年以降の平均21.68を超え、23.16まで上昇している。また、50日線との乖離率が6%を超えている(日足テクニカルチャートを参照)。S&P500は高値の警戒感が意識されやすい状況にある。

S&P500の予想PER:日足 2023年以降

S&P500の予想PER:日足 2023年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

今週の物価指数がインフレ再燃を示唆する場合、米債市場は再び「悪い金利の上昇」へ転じる可能性がある。このケースでは、米国株の調整売りを想定したい。米中貿易協議の難航も重なれば下落幅の拡大を警戒したい。

米国500は、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。週間の予想レンジ下限は5月30日の安値であり、6,000ポイントをトライする起点となった5,840ポイントを想定したい(日足チャート、黒矢印を参照)。このラインをトライするサインとして、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。20日線の下方ブレイクは、5,840ポイントをトライするサインとして警戒したい。

・5,978:6月6日NY時間の安値(15分足)
・5,920:6月5日の安値(15分足)
・5,900:20日線(日足)※6月6日時点
・5,840:予想レンジの下限(日足)


S&P500のチャート

日足:2月以降

日足:2月以降

出所:TradingView / 6月6日時点

米国500のチャート

15分足:6月5日以降

15分足:6月5日以降

出所:IGチャート / 6月6日時点


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