コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

米国株見通し(6/11):ナスダック100最高値更新も、米中協議進展、5月米CPIに注目

米株式市場では中小型株まで買いが拡大。ハイテク株の買いも続いている。米中は輸出規制緩和の枠組みで合意。ナスダック100は2月最高値22,222更新も。今日は5月CPIに注目。予想レンジは21,440-22,308。IG証券アナリストによる相場展望。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・アメリカの株式市場では、中小型株にまで買いのすそ野が広がっている
・主力の半導体株とハイテク株の買いも続き、ナスダック100は最高値が視野に
・米中の貿易協議が一定の進展、次の注目材料は5月米CPI
・米国テク株100の予想レンジは21,440-22,308



米中小型株にも買い、広がる株高のすそ野

6月第2週の米国株も強気地合いを維持している。特に中小型株のラッセル2000は6月に入り4.3 %高と、他の株価指数の上昇率を上回っている。5月の米株高を主導したのは、マグニフィセントセブンに代表される大型ハイテク株の買いだった。今は優良な中小型株にまで買いが広がり、株高のすそ野が広がっている。投資家のリスク選好が強まっていることを示唆している。

米株価指数 月初来変動率

米株価指数 月初来変動率

ブルームバーグのデータで筆者が作成

S&P500種株価指数を対象とするオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出され、恐怖指数として知られるVIXは現在、警戒水準として注目される「20」を下回っている。

ナスダック100を対象としたVXNも年初の株高トレンドの水準「20」前後まで低下している。低水準にあるこれらボラティリティ指数もまた、投資家のリスク選好姿勢を示唆している。

VIXとVXNのチャート:日足 年初来

VIXとVXNのチャート:日足 年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成


米中の貿易協議に一定の進展、5月米CPIに注目

注目された米中の貿易協議では、5月のジュネーブ協議で合意した内容を実行に移すための枠組みで合意したとラトニック米商務長官は述べた。また、今回の合意の内容をトランプ米大統領に報告し承認を得ると語った。中国の李成鋼商務次官も両国の交渉担当者が貿易に関する枠組みで合意したと記者会見で述べた。

米中の貿易協議が一定の進展を見せたことは、米国株の下支え要因となろう。

もう一つの注目材料が、今晩の5月米消費者物価指数(CPI)である。ブルームバーグがまとめた市場予想ではトレンドを示す前年同月比は2.5%増と、4月の2.3%増から加速する見込みである。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も同比2.8%から2.9%へ伸びる見通しにある。(関連記事を参照)。

関連記事
米国株週間見通し(6/9~13):S&P500予想5,840~6,150 インフレ指標と米中協議に注目

ニューヨーク連銀が公表した5月の1年先期待インフレ率は3.2%と、前月の3.63%から鈍化した。トランプ米政権が相互関税で90日間の交渉期間を設けたこと、5月に米中間で115%の関税引き下げが行われ、消費者のインフレに対する懸念が和らいでいることを示唆している。ミシガン大学調査の5月1年期待インフレ率確報値も、速報値の7.3%から6.6%へ大幅に下方修正された。

NY連銀調査 1年先の期待インフレ率:2024年以降

NY連銀調査 1年先の期待インフレ率:2024年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

5月CPIでもインフレの抑制傾向が確認される場合は米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待が高まることで、米国株は今の強気地合いを維持するだろう。今後の米中の動向で貿易協議がさらに進展するとの期待が高まれば、ハイテク株の買いが続くことが予想される。ハイテク株の買いはナスダック100の押し上げ要因となろう。節目の22,000ポイントの突破と2月19日の最高値22,222ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい。

問題は、5月CPIがインフレの粘着性を示唆する場合である。先週発表された5月の経済指標では企業活動の低下と労働市場の軟化傾向が示された。5月CPIでインフレ再燃の懸念が高まれば、スタグフレーション懸念による株安を警戒したい。

米中協議は進展しているが、5月以降の情勢を考えるならば不透明感も残る。この不透明感はハイテク株の調整売り要因となろう。ナスダック100は下でまとめたサポートラインの攻防に注目したい。


米国テク株100の見通しとテクニカル分析

予想レンジの上限:22,308
冒頭では中小型株にまで買いが広がる状況について述べた。同時に主力のハイテク株買いも続いている。マグニフィセントセブンの月初来変動率を確認すると、メタ・プラットフォームズ(META)、エヌビディア(NVDA)、アマゾン・ドットコム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)がナスダック100の上昇率を上回っている。また、トランプ米大統領とイーロン・マスクCEOの確執で急落したテスラ(TSLA)にも買い戻しが入っている。

ナスダック100とマグニフィセントセブンの変動率:月初来

ナスダック100とマグニフィセントセブンの変動率:年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成

米中協議は進展している。ロンドン協議の合意内容にトランプ米大統領が承認すれば、リスクオンの要因となろう。5月CPI次第でナスダック100は節目の22,000ポイントを突破し、2月19日の取引時間中の最高値22,222ポイントを視野に上昇幅の拡大を想定したい。

ナスダック100が最高値を更新する場合は、この指数が原資産の株価指数CFD「米国テク株100」は22,300ポイントのトライを想定したい。テクニカルの面ではフィボナッチ・エクステンション100%の水準22,308ポイントの攻防に注目したい。このテクニカルラインを13日までの予想レンジの上限と想定したい。

レジスタンスライン
・22,308:予想レンジの上限、フィボナッチ・エクステンション100%(1時間足)
・22,222:2/19取引時間中の最高値(日足)
・22,000:節目の水準(日足)

予想レンジの下限:21,440
5月CPIでインフレの粘着性が示される場合は、米国テク株100の反落を想定したい。明日は同月の生産者物価指数(PPI)、13日は6月のミシガン大学調査による期待インフレ率が発表される。今晩のCPI含めインフレの粘着性と消費者のインフレ期待が再び上昇する場合は、調整売りの進行を警戒したい。

13日までの米国テク株100の予想レンジの下限を21,440レベルを想定。この水準は今月6日の安値水準である。21,440をトライするサインとして、以下にまとめた100ポイント幅の攻防に注目したい。21,800ポイントはサポートラインへ転換する可能性がある。21,700ポイントと21,600ポイントはサポートラインへの転換が確認された水準である。21,500ポイントは5月30日の安値と直近高値の半値戻しの水準にあたる。

サポートライン:1時間足
・21,800:サポート転換の可能性あり
・21,700:サポート転換の水準
・21,600:サポート転換の水準
・21,500:半値戻し
・21,440:6/6安値、予想レンジの下限


ナスダック100のチャート

日足:2月以降

日足:2月以降

出所:TradingView

米国テク株100のチャート

1時間足:5月下旬以降

1時間足:5月下旬以降

出所:IGチャート


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

米国株分析レポート

米国株を取引する際に知っておきたい情報はこちら。米国株式市場に影響を与えるニュースからトレンド分析まで、IG証券のマーケットアナリストが解説します。

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。