コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

原油価格、米露首脳会談が焦点 WTIは安値圏 決裂なら反発も

WTIは63ドル前後で推移し、約2か月ぶりの安値。15日の米露首脳会談を材料視して下落傾向が出ているが、会談が決裂すれば、上昇に転じる可能性もある。

原油価格、米露首脳会談が焦点 WTIは安値圏 決裂なら反発も 出所:Adobe Images

原油価格に下落傾向が出ている。原油先物市場の指標価格であるWTI(翌月渡し)は日本時間13日の取引で1バレル=63ドル前後で取引されており、約2か月ぶりの安値圏で推移している。原油市場ではアメリカのアラスカ州で15日に行われるドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジミール・プーチン大統領との首脳会談が材料視されており、トランプ氏の対応次第では原油価格の下落要因になる可能性もありそうだ。また原油需要の弱まりを予想する声も原油価格を値下がりさせる材料になっている。ただ、トランプ氏はロシアがウクライナとの停戦に応じることを楽観しておらず、プーチン氏との立場の違いが鮮明になることも考えらえる。こうした場合にはロシア産原油が市場から締め出されるシナリオが再浮上し、WTIが上昇に転じる展開も想定される。

WTIは62ドル台後半まで下落 約2か月ぶりの安値水準

WTI(翌月渡し、WTI原油)は日本時間13日午前11時43分段階で1バレル=63.01ドルで取引されている。午前7時には62.82ドルをつける場面もあった。ブルームバーグによるとWTIは7月30日には70.51ドルをつけていたが、8月8日には一時62.77ドルまで下落し、6月5日(62.50ドル)以来の安値を記録。13日もこの安値水準が維持されている状況だ。

WTIと主な出来事のグラフ

WTIが70ドル台まで上昇したのは、トランプ氏が7月28日にロシアに対してウクライナとの停戦を決断する期限を大幅に前倒ししたためだ。しかしトランプ氏は8月8日に、15日にアラスカでプーチン氏との首脳会談を行うと表明。米国がロシアを標的とした経済制裁を強化することでロシア産原油が市場から締め出されるとの懸念を後退させた。

15日の米露首脳会談でプーチン氏が譲歩を示す可能性も

米露首脳会談をめぐってはプーチン氏が一定の譲歩を示すとの見方も出ている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は11日、専門家の分析を引用する形で、プーチン氏の狙いはロシアと米国が対当の関係にあることを示すことにあり、トランプ氏との決定的な対立を避ける可能性があることを指摘。ロシアがウクライナに対するミサイル攻撃の停止を受け入れるとの見方にも触れている。首脳会談決定後、ロシアメディアは、プーチン氏の側近であるキリル・ドミトリエフ氏と米国のスティーブ・ウィトコフ中東特使がともに食事をしたことや、両者が訪れた「トランプタワー・モスクワ」が建設される可能性がある地区などについての報道が増えているという。

トランプ氏は6日には、インドがロシア産原油を輸入していることを批判し、21日後にインド製品に25%の追加関税をかけるとする大統領令に署名。インドに対する相互関税の税率は7日から発動されている25%とあわせて50%になる可能性がある。仮にロシアがトランプ氏に譲歩を示し、トランプ氏が受け入れれば、こうした圧力が緩和され、ロシア産原油が市場に流入しやすくなるとの期待が原油価格を下押しする可能性がありそうだ。

原油需要の弱さで在庫は増加傾向に 原油価格に下押し圧力

また原油市場では需要の弱さも価格の下落要因として働いている。米エネルギー情報局(EIA)は12日に発表した短期エネルギー見通し(STEO)で、世界の原油需要に関連し、2025年下半期(7-12月)はガソリンや軽油などの液化燃料の在庫の増加ペースが加速すると予想。原油価格の下落要因として働く可能性に言及した。

EIAが6日に発表した1日時点での原油在庫量(戦略備蓄除く)は1週間前比で302.9万バレル減少。ブルームバーグがまとめた市場予想の「増減なし」よりも大きな在庫の取り崩しとなった。ただ、原油在庫の水準は6月下旬で底を打って上昇しており、原油価格に下落圧力をかけている可能性がある。EIAが13日午前10時30分(日本時間13日午後11時30分)に発表する8日時点の在庫量は、92.1万バレルの減少と予想されている。

アメリカの原油在庫(戦略備蓄除く)の推移のグラフ

米露首脳会談の見通しは不透明 WTIへの上昇圧力になる可能性も

ただ、トランプ氏はプーチン氏との会談での成果を楽観しておらず、原油価格の下落が進まない可能性もありそうだ。トランプ氏は11日には記者団に対して、プーチン氏に戦争終結を促すとしたうえで、条件次第では「『幸運を祈る』といって立ち去るだけになるかもしれない」と発言。また、トランプ氏はロシアがウクライナにとっての重要な領土を占領していることを踏まえ、「一部がウクライナに返還されるよう努力する」とも述べている。

足元でのWTIの原油価格の下落は米露首脳会談の成果を楽観して進んできたとみることができる。実際の会談後、米国のロシアに対する圧力が強まり、ロシア産原油が市場から締め出される可能性が感じられれば、WTIが上昇に転じる筋書きも想定されそうだ。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

こんなに豊富?IG証券のCFD銘柄は17,000以上

外国為替、日本株・外国株、株価指数、債券先物、商品(エネルギー、農産物、貴金属)など多彩な資産クラスをFX取引、CFD、バイナリーオプション、ノックアウト・オプションで提供

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。