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原油価格、ロシアの動きで反発も WTIは65ドル台 下落要因も継続

WTI(翌月渡し)は64ドルから70ドル台で推移。ロシアがウクライナでの停戦を拒めば上昇圧力がかかりえるが、産油国の増産などの下落圧力も続く。

原油価格、ロシアの動きで反発も WTIは65ドル台 下落要因も継続 出所:Adobe Images

原油価格がロシアの動向をめぐる思惑で揺れ動いている。原油先物市場の指標価格であるWTI(翌月渡し)は7月下旬以降、1バレル=64ドル台から70ドル台の間を行き来する値動き。ウクライナへの侵略戦争を続けるロシアが、停戦に向けたアメリカの仲介を受け入れるかどうかをめぐる思惑が揺れているからだ。米国のドナルド・トランプ大統領がロシアに要求している週内の停戦受け入れが実現しなければ、米国がロシアの原油輸出を締め付けることで原油市場で供給不足が起こるとの見方も成り立つ。この場合、足元では65ドル台で推移しているWTIが反発する可能性もありそうだ。一方、ロシアやサウジアラビアを含むOPECプラスの8か国は3日に9月の増産を決めているほか、米国経済減速懸念は原油需要の低下も予感させ、原油価格の下押し圧力として働いている。このためロシアが停戦に後ろ向きな姿勢を示した場合でも、WTIの継続的な上昇にはつながらないシナリオも考えられる。

WTIは65ドル台で推移 7月30日の70ドル台から下落 

WTI(翌月渡し、WTI原油)は日本時間6日午前10時28分段階で1バレル=65.42ドルで取引されている。ブルームバーグによると、WTIは7月23日に一時、64.71ドルをつけた後、30日には70.51ドルまで上昇していたが、改めて下落傾向が出ている形だ。

WTI(翌月渡し)の推移と主な出来事のグラフ

トランプ氏が停戦受け入れ期限を前倒し インドのロシア産原油輸入を批判

このところの原油価格はロシアをめぐる動向に左右されてきた。トランプ氏は28日に欧州連合(EU)との関税協議のために滞在していたイギリスのスコットランドで、ロシアに停戦受け入れの判断を迫る期限を「今日から10-12日」にすると言及。14日に口にしていた「50日以内」から大きく前倒しした。トランプ氏は停戦に消極的なロシアの姿勢に不満を高めているもようで、「ロシアの回答が分かっているのなら、待つ理由はない」とも述べている。

トランプ氏はこれまでロシアが停戦に応じなければ、100%程度の「2次関税」を課す可能性を示唆してきた。ロシア産原油を輸入するインドや中国から米国への輸出品に高関税をかけることで、ロシアの原油輸出を締め付ける枠組みが想定されているようだ。トランプ氏は8月4日、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、インドがロシアから購入した原油を転売して巨額の利益を上げていると批判。「ロシアの戦争機関がウクライナでどれだけ多くの人々を殺害しているかをインドは気にもしていない」とし、インド製品への関税を「大きく引き上げる」としている。

こうした米国によるロシア産原油への締め付けは、原油供給の減少を連想させる原油価格の値上がり要因だ。これに対して、ブルームバーグは米国東部時間の5日昼に「ロシアがウクライナ空域での停戦を検討している」と報じてはいるが、ロシアが米国が求める停戦を受け入れるとの見方は少なく、原油価格に改めて上昇圧力がかかる展開も想定されそうだ。

OPECプラス8か国は9月も増産 計画の増産幅に1年前倒しで到達

ただ、原油市場をめぐっては、供給増加の動きも続いている。サウジアラビアやロシアを含むOPECプラス内の8か国は3日、9月の生産量を8月よりも日量54.7万バレル引き上げることを決定。4月から6か月連続での増産量は合計日量246.4万バレルとなり、2024年12月5日に発表した段階的増産計画で2026年9月に到達するはずだった増産量に1年前倒しでたどり着いた。8か国は9月7日に次回会合を開くとしている。10月の生産量について議論するかどうかは明言していないが、さらに増産を進めることになれば、原油価格の下落圧力となりえる。

OPECプラス8か国の段階的増産の推移のグラフ

米国経済の減速で需要低下の可能性 ロシアが停戦拒否でも上昇圧力は限定的か

また、米国経済の見通し不安は原油需要の低下を予感させる。1日に発表された7月雇用統計は米国の労働市場の悪化を示す結果で、トランプ氏の高関税政策が企業収益を削り、雇用の悪化につながる可能性を感じさせた。米エネルギー情報局(EIA)が7月30日に発表した、25日時点の原油在庫量は1週間前比769.8万バレルの増加で、ブルームバーグがまとめた市場予想(260.0万バレル減少)を大きく上回る在庫の積み増しとなっていた。EIAが8月6日午前10時30分(日本時間6日午後11時30分)に発表する1日時点の在庫量は、前週から増減なしと予想されている。在庫の積み上がりが大きくなれば、原油価格の下落材料になる可能性もありそうだ。

米国の原油在庫の推移のグラフ

さらにロシアが停戦を拒んだとしても、米国によるロシア産原油輸出への締め付けがどこまで有効に働くかは不透明でもある。このため原油価格の上昇が限定的となり、産油国の増産や需要減少が進むとの思惑が、原油価格を下押しする筋書きも考えられる。


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