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米国株、エヌビディアにも沸かず S&P500上昇不発 民間指標焦点

S&P500は3年連続で年末年始のラリーに失敗。エヌビディアからの強気な情報発信への反応も冷ややかで、今後は民間経済指標が注目点だ。

米国株、エヌビディアにも沸かず S&P500上昇失敗 民間指標焦点 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が熱気を欠いている。S&P500種株価指数の5日の終値は前週末比0.64%高で2営業日続伸。とはいえ、2025年末までの4営業日続落の後とあって、年末年始のサンタクロース・ラリーの達成は3年連続で失敗に終わった。また、5日の取引時間終了後には半導体大手NVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・ファンCEOが次世代半導体システムに対する需要の強さに自信を示すという好材料もあったが、時間外取引でのエヌビディアの株価の反応は冷ややか。人工知能(AI)ブームへの期待が株価を押し上げる効果は、この1年間で大きく冷え込んだといえそうだ。一方、5日に発表された経済指標では米国の製造業の不調が感じられ、長期金利(10年物国債利回り)の低下が、S&P500の追い風となった。7日と8日には労働市場に関する民間経済指標の発表が予定されており、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが強まることになれば、S&P500の上昇が続く展開も考えられそうだ。

アメリカのS&P500は年末年始のラリーに失敗 最高値から0.43%安

S&P500(SPX)の5日の終値は6902.05。2日の前営業日比0.19%高と合わせて、2営業日で0.83%高となった。ブルームバーグによると、2025年12月24日の最高値(6932.05)からは0.43%安にあたる水準だ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

とはいえ、年末年始のS&P500の値動きに勢いはなかった。S&P500は12月31日までの4営業日続落の間に1.25%安となっており、年末5営業日と年始の2営業日をあわせたサンタクロース・ラリーの期間では0.11%安となっている。米国の株式市場ではサンタクロース・ラリー期間は株価が上がりやすいという経験則があるが、今回で3年連続でのラリー不発に終わった。

サンタクロース・ラリーの結果の推移のグラフ

エヌビディアは次世代半導体システムを「フル生産」 時間外取引で株価は小幅安

株式市場の熱気の乏しさは、2023年以降のS&P500の値上がりを牽引してきたエヌビディアの値動きからも感じられる。エヌビディアは5日の取引時間終了後、次世代半導体システム「ルービン」の概要を発表。ファンCEOは基調講演でAIの開発やサービス展開に必要となる計算量はAIの発展にあわせて急増していると指摘し、ルービンについて「フル生産に入っている」と述べた。しかし、ブルームバーグによると、エヌビディアの株価(NVDA)は5日の時間外取引で187ドル台後半で取引されており、直前の終値(188.12ドル)からやや値下がりしている。

年明けのエヌビディアの値動きは1年前との比較でも勢いに欠ける。エヌビディアの株価はサンタクロース・ラリー期間の7営業日でみて0.58%安。やはりファン氏の基調講演を控えていた1年前のラリー期間中の3.44%高とは好対照だ。

エヌビディア、アルファベット、テスラ、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アップル、アマゾン・コムの株価の推移のグラフ

AIブームをめぐっては10月下旬の大手ハイテク各社の2025年7-9月期決算発表後、マイクロソフト(MSFT)やアマゾン・コム(AMZN)などの設備投資負担の重さへの不安が改めて拡大。さらに対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIの巨額AIインフラ投資構想についても資金調達方法の不透明さが懸念材料になっており、エヌビディアやオラクル(ORCL)など関連企業の株価はS&P500を下回る成績となっている。

オラクルやエヌビディアなどオープンAIと関連が深い基調の株価の推移のグラフ

12月の製造業の景況感は市場予想下回る結果 長期金利の上昇が一服

一方、米国株式市場では米国経済の弱さがS&P500の追い風になるとの見方も根強い。米サプライマネジメント協会(ISM)が5日に発表した12月の製造業の景況感指数(PMI)は47.9で、ブルームバーグがまとめた市場予想(48.4)を下回る結果。5日のニューヨーク債券市場では長期金利の終値が前週末から0.030%ポイント低下した。米国の長期金利は2日終値で4.192%をつけ、9月3日(4.218%)以来、4か月ぶりの高さとなっていたが、6日の低下は株価にとっては安心材料になったようだ。

ISMの製造業PMIの推移のグラフ

FRBは2026年の利下げに慎重? 民間経済指標が低調ならS&P500の上昇継続も

また金融市場では、S&P500を下支えしてきたFRBの利下げ見通しも崩れていない。FRBが12月30日に発表した9、10日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は、12月の利下げに支持した参加者の中でも2、3人は利下げ見送りを支持する可能性があったことが示されるなど、FRBの利下げへの慎重姿勢を示す内容。それでも足元の金融市場では、ジェローム・パウエル議長の任期中最後の会合となる4月までに利下げが行われるシナリオが有力視さる状況だ。ブルームバーグによると、5日の金融市場では4月FOMC後の政策金利の水準は3.442%とみこまれ、利下げ確率は78%程度とされている。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の推移のグラフ

こうした中、S&P500の今後の値動きをめぐっては、FRBの利下げ見通しを大きく左右する労働市場の実態が注目されそうだ。民間雇用サービス会社ADPは7日午前8時15分(日本時間7日午後10時15分)に1月の全米雇用リポートを発表。また人事サービス会社のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは8日午前7時30分(日本時間8日午後9時30分)に12月の人員削減数を公表する。これらの経済指標で労働市場の弱さが確認された場合には、FRBの利下げへの期待が強まり、S&P500への上昇圧力が増す可能性もありそうだ。


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